過去において佐久長聖の選手が優勝した例は
県高校新人戦での梅本奨大さん。それから
県高校選手権での高橋渉さん。この2例です
今回の高校竜王戦で斉木くんが優勝すると
佐久長聖は3人目の優勝者を出す事になり
3大高校大会の全てに優勝者の名前を刻む
事になります。
その高橋さんと決勝戦を戦ったのが今回の
もう1人のファイナリスト・小林暖希くん
彼にとっては2度目となる長聖勢との決勝戦
そして2年越しの佐久長聖に対する雪辱戦
過去の無念を晴らして県の高校三冠に輝くか
注目の決勝戦の戦いの火蓋が切られます
選手権では個人戦で優勝した小林くん
団体戦で準優勝の斉木くん。共に今年
早くも2度目の決勝戦進出を果たした者同士
戦型は先手の斉木くんが、ゴキゲン中飛車に
対する小林くんは早目に銀を繰り出します
超速で短期決戦を目指すかと思われましたが
中央に狙いを定めた小林くんに対し斉木くんは
小林くんの5筋の歩との競争となりました
ここで85桂と跳躍。同桂に86歩と伸ばし
打って両取りを掛けた、この場面、ここで
小林くんが指したのは角取りを放置した
54桂打でした(!)穴熊の堅陣と56歩の効力を
信じての決断手かと思いますが確かに銀が
逃げ難い形で、端から厳しい逆襲を見せますが
角桂交換の駒損に加え馬を作られては
大変なのではと思ってみていました
決勝の激闘を見守っております
ここで小林くんは17銀の王手を皮切りに
総攻撃に踏み切りました。沢山の桂香が
随所に配備され王手馬取りを見せられて
左辺への脱出が叶わない斉木くんは
歩切れに悩みながらも王手香取りの飛車打ち
更には馬の威力を利用して自玉の頭をケア
懸命の籠城戦で最後のチャンスを狙います
この斉木くんの望みを断ったのは
前述の通り小林の桂馬と香車。特に
4枚手にした桂馬が随所に効いており
トドメとなった王手馬取りの十字飛車を
実現させた立役者と言っても良いでしょう
駒損の負担を穴熊の堅陣と小駒の活躍で
補った小林くんが134手で斉木くんを
押し切り最後のチャンスで、ようやく初優勝
そしてついに長野県の高校三冠王という
快挙を成し遂げました。
次回の⑥では完結編と予告編の両方を
やってみたいと思います