23認知科学概論

23年度「認知科学概論」 / 498

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Q241267 2025/02/04 (火) 18:57:57 7b7c9@c0287

課題3
環境内の対象を知覚する過程には、私たち自身の身体的特性や感覚器官が重要な役割を果たしている。ある対象が「・・・であるとわかる」理由や、「・・・することができる」と認識できる理由は、対象から得られる情報と、それに対する私たち自身の感覚的・身体的な特性との関係によって説明できる。例えば、私が通り抜けられる幅を知覚する場面を考えると、私の肩幅と空間の幅との比較からその知覚が成り立つ。ある幅を持つ隙間が、肩を旋回させずに通り抜けられるかどうかを判断するには、その隙間の幅と私の肩幅という物理的な情報が関連する。私の肩幅を基準にして、肩幅の1.3倍を超えると旋回運動が必要だと感じることから、この判断は自己の身体的特性と環境の対象との相互作用によって生じているといえる。また、対象が持つアフォーダンスも、私たちの知覚に影響を与える。例えば、物体がつかめるかどうかを判断する場合、物体の形状やサイズ、さらには私の手の大きさが重要な情報となる。丸い物体はつかみやすい一方、滑りやすい平らな物体では掴むことが困難である。このように、物体が持つアフォーダンスは、その形状や機能に基づいて知覚され、私たちの身体的特性がその知覚に強く影響を与える。私の身体的属性も、対象の認識において重要である。例えば、私が手を伸ばして物を取ろうとした際、手の大きさや腕の長さが予測に影響を与える。身長や手の長さが平均的な範囲にあるため、多くの物体に対してアフォーダンスは予測可能だが、身長が低ければ高い棚に手が届かないといった認識が生じる。このように、環境内の対象に対する認識は、私たちの身体的・感覚的な属性と密接に結びついており、知覚の成り立ちにはその相互作用が関わっている。

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