23認知科学概論

23年度「認知科学概論」 / 489

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Q24040 2025/02/04 (火) 07:12:46 84eab@17e0d

課題1
認知科学の歴史における大きな考えの変化として、行動主義から認知心理学への変化を挙げる。行動主義とは、アメリカの心理学学者ジョン・B・ワトソンらによって1913年に提唱され、その時代の主流な考え方であった。行動主義は人間の行動を予測し、制御し、説明することを目指す実験心理学の一種であり、人にどのような刺激を与えればどのような反応をするかということを研究することで、人間の行動は環境による刺激に対する反応によるものだという考えになったのである。これは、内面的思考や意識を考えないものであった。しかし、行動主義は認知革命により大きく考えが変わった。認知革命とは、1950年代に始まった知的運動の総称であり、学際的な連携と研究が大規模に進行する現代的文脈の中で始まった動きである。人工知能と計算機科学で成功したコンピュータ機能を研究し発展させることで、人間の心的プロセスについて検証可能な推論を立てることができるという考えだった。認知革命が起こったことで、行動主義では人間の感情や知的活動などの内面的な精神活動を説明できないことがあらわとなった。そこで、認知革命によって発展した認知心理学が主流の考えと移り変わることになった。認知心理学とは、人間の内面的思考や意識などの認知活動を科学的に研究する分野である。また、認知心理学は、知覚・理解・記憶・思考・学習・推論・問題解決など人間の高次認知機能を研究対象とし、脳科学、神経科学、神経心理学、情報科学、言語学、人工知能、計算機科学などの中で認知科学と呼ばれる事もある。行動主義は、認知革命によるコンピュータの発展に伴い情報科学が盛んになり、その情報科学の考え方が心理学に取り入れられ、認知心理学という分野が成立し、これが新しい時代の主流な考えとなった。この変化の歴史的意義は、行動だけを見て認識するではなく、記憶や思考などの目に見えない内面的な心の働きについて理解することができることになったことである。また、内面的な研究が進むことで人工知能の基礎を作り、現代の人工知能技術に大きな影響をもたらしたことである。

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