23認知科学概論

23年度「認知科学概論」 / 486

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Q24108 2025/02/03 (月) 16:56:34 9ef88@74c5a

課題1
まず最初に認知科学の主流とされていたのが動機や感情を考慮せず、目に見える行動だけに着目した行動主義心理学であった。行動主義心理学が創始されたのは1912年、アメリカの比較心理学者(動物心理学者)のジョン・ワトソンによるものであった。ワトソンはネズミの観察を行う中で、ネズミの意識を理解することはできないが、ネズミの行動を観察する中で、意識が積極的に機能したと言える行動を把握することはできると考えた。それは人についても同様で、心理学はいわば雲をつかむような意識を捉えることではなく、人間の示す行動を分析すれば良いと考え、客観的には把握することができない「意識」を考察するのではなく、科学的な測定による「行動」についての分析が必要と考えた。そして、意識の存在を仮定する心理学とは一見異なるような行動主義心理学は広がりを見せていった。しかし、1950年代に入ると行動主義に対する批判が強まり、人の情報処理能力の研究が進むにつれて、工学で使われる情報理論の用語が心理学にも持ち込まれるようになり、心理学においても認知という言葉が使われる頻度が高くなっていった。そうして、情報科学の知見をもとに、人間の心的機能を高次の情報処理システムとして捉え、そのシステムがどのような仕組みになっているかを解明することで人のこころを理解しようとする学問、すなわち認知心理学が発展した。そして、構造・モデルから人のこころを捉える方法論が浸透するようになり、時代が経つにつれて認知心理学はどんどん勢いを増していった。

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