23認知科学概論

23年度「認知科学概論」 / 461

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Q241208 2025/01/30 (木) 12:58:12 74fdb@66ef8

課題2

生態心理学(ジェームズ・ギブソン)では、ヒトと環境の相互作用を理解する際に、「アフォーダンス(affordance)」という概念を用いる。アフォーダンスとは、環境がヒトに対して提供する行為の可能性 であり、ヒトと環境の関係性の中に存在する。例えば、ハサミは「握る」「切る」といったアフォーダンスを持つが、それは単にハサミの形状だけで決まるのではなく、ヒトの手の構造や運動能力との関係の中で成り立つ。左利きの人にとって、右利き用のハサミは適切なアフォーダンスを提供しない。つまり、アフォーダンスはヒトと環境の相互作用として動的に成立するものであり、モノの物理的特徴だけで決まるわけではない。また、ハサミを持ったときに、その使用の仕方を「知覚」することができる。生態心理学では、「知覚=行為の準備」であり、脳内で情報を処理するのではなく、ヒトは直接、環境のアフォーダンスを知覚する。例えば、持ち手が大きく柔らかいハサミは「握りやすさ」を知覚させ、高齢者や子供にとって適切なアフォーダンスを提供する。このように、「道具の使いやすさ」は、ヒトの身体的特徴(手の大きさ、握力など)と道具のアフォーダンスとの関係性によって生じる。設計者は、ヒトがどのようにアフォーダンスを知覚し、行為するかを考慮しながら、環境をデザインする必要がある。

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