ハンター1「お、噂をすると例の嬢さんの凱旋だ」
ハンター2「お?」
セト「む」
会話を止めて二人のハンターは集会所の入り口を見た。セトもつられて目を向けた。
そこには銀にも見える真っ白な長髪を靡かせる少女がいた。身長は平均的な男性と同じくらいで、女性にしては長身。身に包む防具はリオレウスの雌固体である《リオレイア》の素材をベースに作られたガンナータイプのレイアシリーズ。そして、霊鶴石のような紫色の中に輝くような金色の瞳孔を灯した瞳を持つ吊り目気味な目もあって、冷徹で怜悧という印象を周囲に抱かせる。ガンナー用のレイアシリーズが機能的なデザインをしているというのもあるだろう。
彼女こそが二人のハンターが話題にあげていたハンター、クラナである。そして、ハンター歴二年弱でありながら、ベテランハンター顔負けの狩りの腕を持つ才媛。
クラナは集会所の中に入ると迷わずまっすぐに受付カウンターに向けて歩みを進めた。
ハンターズギルドの集会所は荒くれも者の多いハンターが集まるという性質上、酒場として側面もある。夜間こそクエストから帰って来たハンターなどで賑わって少し移動するのも億劫になるくらい混むのだが、今は昼時。夜間よりは空いているので、クラナが受付カウンターに辿り着くのに苦労することはなかった。
クラナ「クエストの報酬、もらいに来たのだけど」
受付嬢「報告は受けております。……ほんとに凄いですね。幻の飛竜《モノブロス》を捕獲してしまうなんて」
――ガタッ。
そんな物音が集会所酒場のいたるところから起こった。
気付くと、セトは立ち上がって呆然とクラナを見ていた。
セト「うっそだろぉ……」
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