仏教のお話

Rの会:譬諭品第三 / 27

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ダルマ太郎 2024/05/12 (日) 20:34:13

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車を用う
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経:その時に長者即ちこの念を作さく。この舎すでに大火に焼かる。我及び諸子もし時に出でずんば必ず焚かれん。我今当に方便を設けて、諸子等をして斯の害を免るることを得せしむべし。父諸子の先心に各好む所ある、種々の珍玩奇異の物には情必ず楽著せんと知って、之に告げて言わく。汝等が玩好するところは希有にして得難し。汝もし取らずんば後に必ず憂悔せん。此の如き種々の羊車・鹿車・牛車、今門外にあり、以て遊戯すべし。汝等この火宅より宜しく速かに出で来るべし。汝が所欲に随って皆当に汝に与うべし。その時に諸子、父の所説の珍玩の物を聞くに、その願に適えるが故に、心各勇鋭して互に相推排し、競うて共に馳走し争うて火宅を出ず。
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太郎訳:その時に長者は、このように考えました。この屋敷は、すでに大火に焼かれている。子供たちは外に出なければ焼かれてしまう。私は、今、方便によって子供たちを救い出すしかないだろう。父は、子供たちが以前から欲しがっていた様々な珍しいおもちゃや不思議なものであれば興味を持つであろうと想い、子供たちに向かって叫びました。子供たちよ。お前たちが欲しがっていた物がここにあるぞ! 非常に珍しくて手に入れることが珍しい物だ。もし、今、手に入れなければ、きっと後悔するだろう。羊の車・鹿の車・牛の車が、今、門の外にある。これで、遊ぶのがいいだろう。子供たちよ。この火宅から速やかに出てきなさい。お前たちの欲しい車を与えよう。その時に子供たちは、父が言う車に興味を持ちました。それは、以前から欲しかった物だったのです。子供たちは、勢いよく相手を押しのけるように急ぎ、競って走り、争って火宅を出ました。
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車を用う
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