仏教のお話

仏教随感 / 5

13 コメント
views
0 フォロー
5
ダルマ太郎 2024/04/15 (月) 21:13:03

世俗諦と第一義諦
:
龍樹は、世諦(俗諦)と第一義諦(真諦)について、次のように論じています。
:
諸佛依二諦 爲衆生説法
一以世俗諦 二第一義諦
若人不能知 分別於二諦
則於深佛法 不知眞實義
若不依俗諦 不得第一義
不得第一義 則不得涅槃

:
諸仏は二諦に依って 衆生の為に法を説きたもう
一には世俗諦を以って 二には第一義諦なり
若し人は二諦を知りて 分別すること能わざれば
則ち深き仏法に於いて 真実義を知らず
若し俗諦に依らざれば 第一義を得ず
第一義を得ずんば 則ち涅槃を得ざらん

:
:
世俗諦とは、世間においての真理のことです。世俗の言葉によって説かれる真理ですから、真実の真理とは異なります。仮の真理です。第一義諦とは、最高の真理のことです。絶対の真理なので、言葉によっては明かすことはできません。二諦について知らなければ、説かれた言葉に執着し、その奥にある真実の真理には気づかないでしょう。
:
第一義は、すべて仮の言説によります。言説とは世俗です。このことから、世俗の言葉に依らなければ、第一義は説くことができません。第一義を得ることができなければ、どうやって涅槃に至ることを得られるでしょう。このことから、二諦が必要です。
:
:
空の理を学ぶためには、言葉についてよく知る必要があります。般若経には、言葉遊びみたいな文章がたくさん出てきます。それらは、読む人の言葉についての固定観念が試されています。意味が分からない人は、言葉への信頼が強く、言葉に実体を持っている人でしょう。
:
:
世俗諦と第一義諦
:

通報 ...