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The Fault in Our Stars (邦題:さよならを待つふたりのために)

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「きっと星のせいじゃない」という邦題映画にもなった原作本です。なぜ、邦訳本とタイトルが違うのかは謎です。
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少し前に読んだ(正確には英語朗読版を聴いた)のですが、今になってタイトルが気になって、もう一度読み返したい思うようになりました。

ギリシャ時代の古典占星術は「人は生まれた時から運命が決まっている」という運命論を唱える「ストイシズム:ストア派、禁欲主義、厳粛主義」が主流だったそうです。

邦題はいまいちですが、原題" The Fault in Our Star"から、そういった定められた運命に翻弄される若者、を連想されます。

<あらすじ>
16歳のヘーゼルは、13歳から突然肺がんのステージ4と宣告され、生死をさまよったが、幸運に臨床開発中の治療薬が効いて一旦改善したものの、余命宣告を受け、酸素ボンベを装着し、学校にも通えず、生きる希望を見いだせないまま暮らしている。小児がんのサポートグループに顔を出すのもおっくうであるが、両親のために、いやいや参加したある日、17歳のオーガスタスに出会う。彼は元バスケットボール選手だったが、骨肉腫のために右足を切断していた。オーガスタスはヘイゼルに一目ぼれする。ヘイゼルも明るくてユーモアのなるオーガスタスに好意を持つが、明るい未来など考えられない。オーガスタスはある日、ヘイゼルが大好きな小説の作家に連絡を取って、そこから、作家の住むアムステルダムへの旅プロジェクトが開始される・・

まず、思っていたよりも設定がとてもシリアスで、主人公を取り巻く小児がんの友人達は、余命宣告を受けていたり、治療のために身体の一部の機能を犠牲にする選択を迫られる子ばかりです。その子達に寄り添う両親の苦悩や、子供たちの苦悩がリアルに表現されています。私自身、体調を崩して療養休暇中にこの本を聴いていたので、進めるのが辛かったです。

画像では、ロマンチックな青春恋愛もののイメージですが、「きゃー、わくわくっ」という場面も一瞬出てはきますが、終盤はかなり衝撃的な結末でした。

オーディオブックの特典として、最後に著者のジョン・グリーン氏のインタビューが載っていました。このストーリーは、彼が大学生の頃に、小児病棟でボランティアをした経験が元になっているそうです。

YA(ヤング・アダルト)というジャンルの本で、読者層は中高生用ですが、大人でも読み応え十分です。

黒クミ
作成: 2021/09/22 (水) 22:22:33
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