ガッチャードレス12(第6話)『ホークの怪人あぶれもん』(違)その3
まず①ですが、
【 黒鋼スパナ 】[]=[ (部屋に飛び込んできて)冥黒の三姉妹・ラケシスだな? ]=[]【 ツナスパ 】
【 ラケシス 】[]=[ あら、よくご存じですこと。 どちら様? ]=[]【 ラケ 】
劇中の↑このシーンって、建物の外にいたツナスパが、部屋の中の状況を事前に把握していたと考えない限り、極めて不自然な流れになってしまいますよね?
深黄泉さんに倣って刑事物で置き換えてみると…
街の中を歩いていた刑事が、室内で何が起きているのか一切知り得ない筈なのに、何故か人様のアパートのドアを無断で開けていきなり部屋の中に入って来たっていうことになりますから。
”神の視点”でTVを観ている我々視聴者は、室内の危機的な状況を画面で観て知っているので、一連の流れが全く気にならない方もいらっしゃったかもしれませんけど・・・普通に考えれば、第三者かつ建物の外にいたツナスパは、室内で危機的な状況が起こっていた事なんて全く分からなかった筈です。
従って、劇中の(何の前振りも説明もなく、唐突にツナスパが部屋の中に突入して来た)描写のみを踏まえて、ツナスパ視点でこのシーンを観てみますと、
ツナスパ「(このアパートに誰が住んでいるか知らないし、中で何が行われているのか俺には分からないが、無断でドアを開けて中に入ろう!)」
こんな支離滅裂な思考で部屋の中に突撃して来たのか!? と解釈せざるを得なくなるわけです(この解釈を意味不明だと思われた方は、【自分が外を歩いている時にふと1軒の見知らぬアパートが目に入ったので、勝手にドアを開けて中に入ってみた】という情景を想像して、これが社会通念上許される行為かどうか考えてみてください)。
残念ながら【住宅街に建っているアパートの外観を一目見ただけで「あ、部屋の中で住人が襲われている!」と認識できる人間】に会った事は一度もありませんし、【いきなり赤の他人の家のドアを開けて部屋の中に入って来る人】が現実にいたら、危険人物だと思われて110番通報されて警察に捕まるんじゃないかとオレは思いますが・・・もし皆さんが自宅で普通に過ごしている時に見知らぬ人が勝手に玄関を開けて中に入ってきたら、どうしますか?(室内で危機的状況が起きている事を一切知らずに飛び込んだのであれば、女性が助かったのは危機と突入のタイミングがたまたま合った結果に過ぎず、ツナスパの常識が疑われます。①では「恐らくはケミーの反応を追って来たと思われます」と好意的に書きましたけど、たとえ部屋の中にケミーがいるのを知っていたとしても、室内で危機的状況が起きている事を知らないのであれば、まずはノックをするなりチャイムを鳴らすなりして住人にドアを開けてもらってから詳しく事情を訊くプロセスを踏むべきであって、無断でいきなり人様の家に突入していい理由にはならないと思います)
つまりコレは、アパートの外にいる刑事が「室内で犯人が人質に凶器を突きつけている状況」を 事 前 に 把 握 し て い な け れ ば 成 立 し な い (どうやって把握したのか謎だし劇中では一切説明がないが、とにかくそういう事にしないとドラマ自体が根底から破綻してしまう)シーンなのです。 ツナスパが社会の一般常識や法律を無視して行動する人間だというのなら話は別ですけど
もし仮に、
・件のシーンの直前に【ケミーの反応を追跡中のツナスパ → このアパートの中からケミーの反応がある → 住人にケミーについて訊くためにドアをノック → 返事がない → 部屋の中からラケの声が聞こえる → 危険を察知して突入】という描写を挿入する
・件のシーンの直前に【帰宅中の女性(彼氏からかかってきた電話に応答中)を”謎の男”が尾行するカット】を挿入する(件のシーンを観た視聴者が「ああ、さっきの”謎の男”はツナスパで、ケミーカードを回収する目的で女性をずっとマークしていたのか」と納得させる)
・件のシーンの直前に【女性(彼氏からかかってきた電話に応答中)を物陰から見つめるラケと、その彼女をさらに物陰から見ている”謎の男”のカット】を挿入する(件のシーンを観た視聴者が「ああ、さっきの”謎の男”はツナスパで、ラケの動きをずっと追っていたからこのタイミングで部屋に駆け付けられたのか」と納得させる)※ただしラケはツナスパと面識がない≒これが2人の初顔合わせだった可能性が高いので、何故ツナスパはラケについて詳しく知っていたのか?という補足説明がさらに必要になるが
・件の”ツナスパがドアを開けて室内に突入するカット”の直前に【ドアを激しくノックする効果音】を被せる(”ツナスパは最初にドアを何度もノックしたが返事がなく、部屋の中からラケの声が聞こえてきたので危険を察知して突入したのだろう”と視聴者に想像させる)
・【ケミーライザーは”ケミーが人間の悪意と結び付く際の波動(のようなもの)”をキャッチできる】といった設定をあらかじめ視聴者に説明しておく(「きっとツナスパはこの波動をケミーライザーでキャッチして危機を察知したんだな」と視聴者に思わせる)
このような描写がひとつでもあれば、視聴者が”行間を読む”余地が生まれて全く不自然にはならなかったと思いますが、劇中では”部屋に突入する前にツナスパが中の状況を把握した描写”は全然ありませんでした。
そのせいで、このシーンを観たオレは、”ツナスパはどうやって事前に室内の状況を把握したのか?”を考える必要に迫られました。
そしてしばらく考えた末、”ツナスパは事前に中の状況を把握していた”という(劇中では一切裏付けのない)前提条件を成立させるために②の仮説↓を立てたわけです。
もしかすると【帰宅中の女性に彼氏から別れ話の電話がかかって来る → ショックを受けた女性がドアの鍵をかけ忘れたまま部屋に入る → ツナスパがケミーの反応を追ってドアの前まで来たら、部屋の中からラケの会話が聞こえてきて危険を察知 → 突入した】とか?
なおこの仮説は、劇中描写不足を補完するためにオレが無理矢理脳内補完した妄想であって、この妄想を裏付けるような劇中描写は全然ありません。
行間を読むどころか、公式サイトのストーリー紹介のページも含めて行間そのものが存在しないので、読者が妄想で行間を捏造しないと解釈ができなかった、という・・・
個人的には、部屋に飛び込む直前にほんのちょっと尺を割いて上記のような”行間”の描写を挿入するとか、或いは【この時点でゴリラセンセイのケミーカードはツナスパが持っている事にして、センセイが部屋の中のバーニングネロの反応を感じ取ったのを見たツナスパが”中で緊急事態が起きている”と悟る描写】を入れるとか(これならば後半でホークンがバーニングネロの反応を追ってリンリンの居場所を特定するシーンの伏線にもなった筈)、何らかのフォローが欲しかったところです。
以上をまとめると、
室内で犯人が人質に凶器を突きつけている状況で、突入のチャンスをうかがう刑事が、突入の際に失礼の無いようピンポンするっていうことですか?
室内の状況を知らない(犯人や人質が室内にいる事はおろか、室内で事件が起きている事すら全く知らない!)刑事がピンポンも鳴らさずに一般市民の家にいきなり突入するなんて展開はいくらなんでもおかしいだろ? → ”室内で犯人が人質に凶器を突きつけている事”を事前に知っていたんならいいが、じゃあ建物の外にいた部外者の刑事はどうやって室内の状況を事細かく知る事が出来たんだ? → でもこの謎を解かないとドラマ自体が根底から破綻してしまうので一所懸命考えて無理矢理解釈をひねり出しましたっていうことですね。
「ただの子供向けの特撮番組に何をそこまでムキになっているのか」「どうせ作り物のドラマなんだから細かいアラなんてどうだっていいじゃないか」などとお考えになる向きもありましょうが、そのテの”逃げ”を打つ選択肢はできるだけ選びたくない方向で(そもそも”作り物のドラマのアラなんかどうだっていい”って視点に立ってしまったら、作品世界の考察やシーンの解釈も無意味なものになってしまうわけで・・・)。
>> 1287
すると「銀」に当たるキャラ名がいないのだが?
植物属性で呼び方も違うけど、単純に”銀杏蓮華”→”銀”扱いって事なんでしょうかね???
或いは、”関東の金遣い、関西の銀遣い”繋がり?