名無しのおんこれ部員@Zawazawa
2016/09/05 (月) 19:51:58
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ある時、戦いが終わった。
加賀を始めとした艦娘は各地に散っていった。あるものは家庭を持ち、あるものは新しい仕事に取り組み、あるものは故郷に帰っていった。
そして残ったのは提督と秘書艦であった。
「伯爵。とうとうここには君だけになってしまったなぁ」
「……」
旦那は下を向いたまま何も語らない。
「私は……身寄りなどない……また……独りになってしまうのか……。」
枯れた声で絞り出している。嗚咽も聞こえている。私は肩をポンポンしつつ耳元で語りかける。
「貴方は私の旦那。そうでなくて?」
はっ、と顔を上げる。旦那は立ち上がってぎゅっと抱く。
痛い痛い。
旦那は再び泣きじゃくっている。
「ああ……あとみらーる。いや、家内よ。私たちはずっと一緒だ……ずっと……。」
「ツェッペリン、貴方は独りじゃない……いままでも……これからも……。」
つい私も泣いてしまった。
月の光が差し込む夜。
二人はいつまでもお互いを抱いていた。
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