おんJ艦これ部Zawazawa支部

おんJ艦これ部町内会 / 132

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村雨の夫 2016/10/31 (月) 00:36:19 5c457@15b02

「お疲れさまでした」
「あれ、どうも。そちらこそお疲れ様です」
不意に声をかけられて、振り返れば今日何度目かの山雲ちゃん一家。白組だったから、悔しかったんだろう……けれど、もう子供たちは仲良くしている。うんうん、何よりだ。
それより気になったのは、旦那さんに隠れた奥さんの方。人見知りされるタイプなんだろうか。旦那さんに促されて前に出て、長い髪を揺らしながら一礼して自己紹介。
「もしかして」
「……はい。先日の打ち合わせ、お世話になりました」
「あっ、いえ、こちらこそ」
「あら?二人ともお知り合い?」
「あぁ、前話したでしょ。脚本家の先生。まさかこんなに近くにいるとは」
「なになに?パパと山雲ちゃんのママお友達だったの?」
意外なこともあるものだ。山雲ちゃんのお母さんが、ヴォルケ先生もとい、えぇと、雲龍さんだったとは。
偶然に感心していると、おずおずと、だけどしっかりとした口調で作品の感想を伝えられた。読んでいただけてるだけでも望外だというのに。家族愛、人を見守ることといった、学生をメインにした小説には少し不釣り合いな…けれど、僕の書きたい裏の主題を受け取ってくれている。こんなにうれしいことはない。
「……身に余る光栄です。それに、こちらこそエッセイ楽しく読ませていただきました」
「独特の視点、感性で、読んでるだけで新しい世界が見えるというか……温かくなるというか」
「これから、劇も執筆も、あと親としても、よろしくお願いします」
感極まって、つい深く頭を下げてしまった。
すると隣から「至らぬ夫ですが、私からもよろしくお願いします」と村雨ちゃん。続いて朝霜、睦月も「お、お願いします!」「おねがいしまーす!」と頭を下げる。
「こちらこそ、よろしくお願いします」と、あちらのご一家も声を合わせる。夕日射し込む学校でなにをしているやら。恐縮しあってしまった。
根本的に似た者同士。仲良くなっていけそうだ。

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