おんJ艦これ部Zawazawa支部

おんJ艦これ部町内会 / 109

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村雨の夫 2016/10/21 (金) 11:02:35 修正 5c457@0012b

「そういえば、どうだったの。打ち合わせ」
「ぶぇ?」
奇しくも数日前と同じように頬を弄られてるタイミングで村雨ちゃんが聞いてくる。今度のお手手の主は朝霜で、ゲームに連勝して上機嫌らしい。運が強く絡むゲームとはいえ、負けは負けである。甘んじておもちゃになろう…といじくられている矢先のこと。
「しょうらな…やっぱり初めてのひとらから、まだひょっとぎほひないかにゃ」
「パパなんて言ってるの?」
「パパ新しいお仕事の人とまだお友達になれてないって」
「え~、頑張ってよぉ」
「かんばう、かぁんばうよ」
頑張る、という決意表明すら頑張ってこれ。いい加減に飽きてくれないかな。それかすべすべの村雨ちゃんかもちもちの睦月のほう行ってくれないか。乗せてる脚もしびれてきた。健康的に育ってるから尊い重さなんだけどさ。ギブアップ、タップタップ。言葉のいらない意思表示。応じて、手を放してくれたけれど、彼女はまだどかない。僕の肩をつかんで一緒に揺れながら、第二ラウンドなんだろうか。風呂で磨かれた髪は、結んでいないこともあっていつもより静かに波を作る。
「にしし、あー面白かった。それで、あたいの出番はどうなった?」
「ん、ちゃんとあったよ」
「うしゃっ!」
「でも、あくまで学校優先だからな。宿題とかいろいろな」
「…はーい」
このころころ変わる表情、どれも魅力的なんだから、わが娘ながら期待が持てる。
「それにしても、初めてとは思えない目の利きようだったな」
「ふ~ん、そんなにすごいのか。どんな人?」
「マイペースな感じで…でもたまに鋭くて…あんまり会ったことないタイプ。ポーラっぽい…?そうだ、睦月の友達の山雲ちゃんだっけ。あの子に似てたな」
「ふぇ?山雲ちゃんみたいな……おじさん?」
「いや、お姉さん。僕や村雨ちゃんくらい」
暗に自分たちがお兄さん、お姉さんで通ることを主張してみる。娘にしてもしょうがないが、何事も練習だ。
「おねえさん!」
「ほー。父ちゃん、浮気すんなよー?」
キョトンとした顔から、一気に明るくなった睦月。意地悪な顔できれいな目と歯をぎらつかせる朝霜。どちらもいい笑顔だけど、朝霜、それはいかんよ。
「何を言ふんだ」「そんなことしないわよね?あなた?」
「パパはママ大好きだもんね!」
髪の手入れを終えた二人が、ソファーへ。朝霜に注意をしようとしたところで、いつの間にか背後を取られて、頬をつつかれ釘を刺される。流行りなのか、これ。
「しないよ。村雨ちゃん大好き」
「知ってますよ。私も大好き」
「ひゅーお熱いお熱い。睦月、逃げるぞー!」
「きゃーっ」
はじけるようにソファーから飛び出していく。行先は子供部屋か、執務室か?寝る前のストレッチ、運動会の序章として、一丁リベンジしてやりますか。
出撃までのカウントダウン、30秒を数えつつ思う。夫婦でべたべたしすぎは、教育にいいのか悪いのか。今度相談してみようかと思ったけど、誰に相談すればいいのかわからなかった。制作陣みんな既婚っぽいし、今度話題にしてみよう。

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  • 110
    村雨の夫 2016/10/21 (金) 11:02:48 5c457@0012b >> 109

    寝室にて。
    「編集さんは本当元気な人。青葉とお衣と同じくらい…いや、二人を足したような」
    「あらぁ…そんな人なら大変だったんじゃない?」
    「でも、いい人だよ。魔法使いさんも、まだとっつきにくさはあるかなー。けど…」
    「けど?」
    「たぶん、うまくいく。みんながいるから」
    「ふふ。そうね」
    口づけののち、消灯。