景況感の悪化に伴い、企業の採用意欲にも頭打ち感が出てきている。(社)全国求人情報協会の調べによると、この半年の求人広告掲載件数は対前年比一桁台の伸び率に留まっており、景況感が求人市場にマイナス影響を与えていることが見てとれる。有料職業紹介会社大手3社の転職紹介人数も、対前年の伸び率が低下傾向にあるものの、07年度下半期ベースでは、対前年121%と求人広告に比較すると依然として高い伸び率を保っている。この点から、有料職業紹介は求人広告と同様に景況感の影響を受けつつも、採用・転職手段が、公募から有料職業紹介へ移行している可能性があることが窺える。 【トピックス1~業種別】 ここ3年の期間で比較すると、有料職業紹介を牽引してきたIT・金融業界にも、成長率に鈍化の兆しが見えはじめた。(例 [金融] 対前期比:2005/4-9月176% → 2007/10-3月 125%) 金融業界の場合、長年の採用抑制から生じた社員の世代構成是正のための若手人材大量採用や、規制緩和に伴う異業界出身者採用もひと段落し、こうした規模の大きい採用案件が縮小傾向にある。 同様に、金融業界再編の恩恵を受けてきたIT業界も伸び率が低下傾向にある。こちらもメガバンクのシステム案件が落ち着くため、それに伴って採用意欲も一服すると予想される。 この他、この半年で見ると、メディカル業界が対前年一桁台の成長に留まっているが、これは未経験MRの大量採用が例年ほど行われなかったことによるものと思われる。 【トピックス2~年齢別】 30代後半のミドルマネジメント層は、景況感の煽りをあまり受けることなく、堅調に推移している。一方、これまで200%近い高い成長を維持してきた25歳以下(第二新卒)の層は、その伸び率を大きく低下させている。上記業種別の金融業界の第二新卒採用抑制が大きいが、業界を問わず第二新卒採用の充足感が出てきたものと思われる。 3社合算半期毎転職紹介実績 ━━━━━━ 2005年度 ━━━━━━ 人数(人) 前年同期比 4-9月 13,772 143% 10-3月 14,968 133% ━━━━━━ 2006年度 ━━━━━━ 人数(人) 前年同期比 4-9月 18,760 136% 10-3月 20,621 138% ━━━━━━ 2007年度 ━━━━━━ 人数(人) 前年同期比 4-9月 23,940 128% 10-3月 24,897 121% (2008.5.20 (社)日本人材紹介事業協会)
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