フーガの技法研究所 掲示板 (試用中)

近況報告

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管理人の近況、愚痴、雑感をそこはかとなく書きつくります。

NAK-G
作成: 2024/04/10 (水) 18:47:54
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1

ツァルリーノもしばしば言及しているボエティウスの名著「音楽教程」が邦訳されていてびっくりしました!
原文を読むのは大変だし、英訳もなかなか手に入らないので、読みたい読みたいと思いながらなかなか手をつけられずにいたのです。
即ポチです。

で、私の悪い癖なのですが、どうせなら有名な著作を全部読んでみようという気になってしまうのです。
とりあえず哲学の慰めは注文済み。算術教程は…邦訳されてないのかなぁ?

2
古い楽譜 NAK-G(管理人) 2024/04/10 (水) 18:49:34 1e398@723c9

英国のAugener社から20世紀の半ばに出版されたフーガの技法がネットショップで販売されていたので買ってみたところ、Schott社から19世紀末に出ていたリーマン版でした。リーマン版が意外と普及していたので驚いています。誰か録音を残してくれていれば嬉しいのですが。ちなみに買った楽譜には ”Charles Ogdin 1956" の署名がありました。
 
国内の楽譜でもヘンレ版やベーレンラーター原典版、あるいは校訂者の名前を付けたものがありますが、海外でも同様に他の出版社の版を譲り受けたり借りたりして販売していることがしばしばあります。

3
チコーニア全集 NAK-G(管理人) 2024/04/11 (木) 08:27:33 46fb0@723c9

数年前に二重対位法の起源をテーマに研究した際、チコーニア(c1373-1412)の作品に比例カノンがあることを知り興味を持っていたのですが、楽譜がなかなか手に入らずにおりました。L'oiseau Lyre社の14世紀の対位法音楽集全24巻に含まれるもので、まとめ売りはあったのですが高額で手が出ずにいたのです。
ここでようやくバラ売りが出て入手できる運びとなりました。ボストンのネットショップに感謝です。楽しみです^^

4
ソラブジ NAK-G(管理人) 2024/04/25 (木) 20:55:40 14f71@723c9

何やら対位法的大作だというので、ソラブジの Opus Clavicembalisticum 5枚組を購入してみました。作品の全体構造はブゾーニの Fantasia Contrappuntistica 同様ですが、5枚組って何時間・・・はい?5時間ですか?そら~無事には済まな・・・ゴホゴホ これから拝聴します。

5
ブクステフーデのカンタータ NAK-G(管理人) 2024/05/09 (木) 07:15:21 f6e14@3cd9c

バッハのカンタータ全曲調査の経験から、新たな情報の取得やバッハ作品との比較としてブクステフーデのカンタータに取り組みたいと思っていましたが、IMSLPさんにはタブラチュア(原典)が多くて難儀していたのです。
最近やっと古い全集(Broude社)が一部アップされ、新しい全集も比較的安価で再版されましたので(と言っても古い全集の続刊、Alfred社)、調査に取り組みたいと思っています。
こういうことをやっていると、目的外ながら興味深い事実が明らかになってくるのですが、過去の学会発表の多くはこうした調査の産物だったりします。本来の目的からはどんどん遠ざかっていきます(苦笑)。

6
ブクステフーデのカンタータのオチ NAK-G(管理人) 2024/05/20 (月) 21:00:19 fc457@3cd9c

楽譜が届くまで忘れていました。
Broude社の楽譜は大きいんです。B4くらいのハードカバー約300ページがガツンと届くんです。もう圧倒されまくり。

7
スヴェーリンクの教程 NAK-G(管理人) 2024/05/26 (日) 17:24:27 8825c@3cd9c

ラインケンの手元にあったスヴェーリンクの作曲教程の写しが、ハンブルクデジタル文化財に上げられているのを見つけました。
スヴェーリンクの旧全集を通してしか見ることができなかった資料を、こうして画像で見られる喜びと言ったら。こういうときこそデジタル化のありがたさを実感します。

8
パッヘルベルの声楽作品集成 NAK-G(管理人) 2024/07/03 (水) 18:26:25 99e46@b751b

ベーレンライター社から刊行中なのは認識していたのですが、とっくに完結していたのにはびっくりしました。時が経つ速さにも驚かされました。
それを知るきっかけになったのは、海外の古書店で全巻セットが販売されていたこと。ご存じのとおりベーレンライター社の全集は高額で、定価だと全11巻が40万円くらいするのですが、それがなんと驚きの**万円!
いえ・・・もちろん定価よりは安いけれど、決して安価ではないです。でもこの先セット売りに恵まれる機会もなかなかないだろうし、バラで集めるよりはコストダウンできるだろうと、手を出してしまいました。
パッヘルベル。いいです。いわゆるパッヘルベル形式もあれば、順列フーガもあり、二重合唱もあり。そしてどの曲も器楽曲・鍵盤曲より濃厚。彼の作曲の中心にあったのが声楽曲であることを伺わせます。
これからこの初見の作品群を調査研究できることはこの上ない喜びです。

9
ブクステフーデのカンタータ コンプリ NAK-G(管理人) 2024/07/19 (金) 21:00:37 fe417@b751b

ブクステフーデの全集第10巻が本日届きました。これで手元にBuxWV1から112までのカンタータが、遺作や消失などをのぞけば、すべて揃いました。ちなみに第10巻は Membra Jesu Nostri です。いいタイミングで安く再版されていたのでホント助かりました。といってもちゃんと例のガツンとしたハードカバーです。
楽曲の調査研究が主目的ですが、もちろん音にするのも楽しいし、作曲手法を学ぶのもいい。私にとっては先日のパッヘルベルと双璧をなす宝の山です。

10
FINALE終了の件 NAK-G(管理人) 2024/08/27 (火) 18:29:29 6da4d@b751b

私が楽譜やWAVEファイルの作成に用いているFINALEが開発終了となったそうですね。長年使ってきた、というかこれからも使い続けるであろうソフトが更新されなくなるのはとても残念です。今手元にあるバージョンを大事に保管しなければ。
 
あっっっ!!! 次にパソコン買い換えしたらもう登録できなくなるってことですよね!? やっば。登録なしで何回起動できるんだったかな。
 
ちなみに研究所自体の作成に使っているソフトは10年以上前に販売・サポート終了となったもの。窓がどんどん新しくなるのでついていけませんです。

11
パッヘルベルのマニフィカト NAK-G(管理人) 2024/09/29 (日) 19:14:36 8825c@3cd9c

パッヘルベルでマニフィカトと言えば鍵盤用のフーガ集を想起する方もおられると思いますが、声楽用にも10曲以上のマニフィカトが現存しています。
その全てにフーガ様式を用いた楽章が含まれ、しばしば二重フーガとなっていることには驚きました。
二重合唱によるニ長調のマニフィカトPWV1505などは、5×2声部の堂々たる二重フーガで締めくくられ圧巻です。バッハのフーガ好きの原点がここにあるのでは、などと妄想しています。

12
パッヘルベルの沼 NAK-G(管理人) 2024/11/06 (水) 12:25:38 8825c@b751b

声楽作品全集、目を通すほどに実に興味深いものがあります。
マニフィカト、コンチェルト、イングレススと読み進めてきましたが、多くの二重フーガが見出されたほか、三重フーガも出てきまして、その主題提示の仕方が曲ごと独特で実に面白い。
とりあえず全巻読破を目指していますが、個々に分析してみたい曲が多々あります。底なし沼。

13
早世のブルーンス NAK-G(管理人) 2024/11/13 (水) 12:02:13 e5a7c@b751b

パッヘルベルがあまりに興味深いので、当時の背景を把握しようと、F.トゥンダー、D.ブクステフーデ、N.ブルーンスなどのカンタータも読んでいます。
その中で目を引いたのはN.ブルーンス。とりあえず市場で容易に手に入る12のカンタータを通読したのですが、まあフーガの多いこと。2重フーガがパッヘルベルに限った話ではないのが分かりました。そしてバッハのシンフォニア9番ヘ短調や平均律1巻19番イ長調に匹敵するような3重対位法も用いています(Hemmt eure Traenenflut の終楽章)。早世が悔やまれる作曲家です。

15
シャイト深淵 NAK-G(管理人) 2024/12/14 (土) 08:14:49 cb2f5@b751b

パッヘルベルの背景をたどる中で3Sにたどり着きました。シュッツの作品数が多すぎてめげそうです。
3Sの中で、大変失礼ながら、シャイトの声楽作品の存在をほとんど知りませんでした。試しにIMSLPで作品を見始めたら実に興味深い。フーガ的な模倣の巧みさに目を引かれます。シャイトの作品だけで様々な研究課題が見えてきました。ブレブレ。

16
今年もありがとうございました NAK-G(管理人) 2024/12/31 (火) 21:11:21 ef806@b751b

今年は学会発表がなかったので、
その分びっちり調査に打ち込みました。
シャイト鉱脈、シュッツ鉱脈、
いずれも素晴らしい宝石が見つかっています。
もちろんシャイン鉱脈も掘削中です。
 
どんな形で調査結果をまとめるのか、
5月までじっくり練りたいと思います。
 
それではみなさま、
来年もまたよろしくお願いいたします。

17
2025年となりました NAK-G(管理人) 2025/01/01 (水) 00:53:25 8825c@3cd9c

みなさま今年もよろしくお願いします。

18
カルヴィジウスに脚光 NAK-G(管理人) 2025/01/17 (金) 23:34:27 8825c@3cd9c

schott社からカルヴィジウスのMelopoiia(作曲法)が、ファクシミリ+現代ドイツ語訳で出版されました。図書室にも紹介している隠れた名著です。
トマスカントルとして初めてツァルリーノの二重対位法を取り上げた偉大な業績が評価されたことはとても喜ばしいです。
ちなみに我が家の壁には、古い銅版刷りのカルヴィジウスの肖像画を飾ってありますが、これはschott社から出版された本の表紙を飾る肖像画から17世紀初頭に模写されたもの。これまた感慨深いです。