戦線というものは、僕にとっては君の悪い渦巻きであった。
静かな水の中にいて、その中心から遠くにいても、もうその渦巻きの吸引力は感じられる。
多くの抵抗を許さずに、二度と逃れられないように、次第に、相手を自分の方へ引き寄せてしまう渦巻きである。
けれども地面の中から、空気の中からは、僕らに防禦力が流れてくる。
最も多くは、土の中からだ。
誰がなんと言っても兵隊ほど地面を有難く感じるものはない。
たとえば地面に強く長いあいだ自分の躰を平べったく押しつける場合とか、弾丸に打たれる死の恐怖から、顔も手足も地の中に深くもぐり込ませるような場合に、地面は兵隊のただ一人の友達だ。
兄弟だ。
母だ。
兵士は自分の恐怖と叫びを、土の沈黙と保護の中に向かって呻くのだ。
地面はその声を聞いてくれる。
それからまた次の十秒の間の生命と走ることに手を放してくれる。
それからまた捉えてくれる。
あるいば永久に捉えて放さないこともよくあるのだ。
ああ、この地面だ……地面だ……地面だ………
RUIZUlove
ルイズ愛してる
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凍結されています。
😧