雷霆「あなた……この有り様を見て……何とも思わないの?」
みょんみょん「何がですか?」
雷霆「う、うんちよ!ここにありったけぶちまけられたこのうんちの海を見て何も思わないのって聞いてるのよ!!!」
みょんみょん「ああ、そんなことですか」
雷霆「そんなこと……ですってぇ」
雷霆「あたしがどれだけこの脱糞癖で蔑まれ虐められ苦しんできたか……」
雷霆「何も知らない癖にそんなこと━━」
みょんみょん「だって、うんちなんて生物皆がすることじゃないですか!」ニコッ
雷霆「……えっ!?」ドキッ
トクン……トクン……トクン……
雷霆「(え?何?何なの?この胸のざわめきは!?すごく……気持ちが高ぶってるの……。まさか、この感情は……恋?……いや、違う。そんな生易しいものではない。これは……)」
雷霆「あなたは……他の人と、ほんとに違う……。まるで、あなたのそれは……」
━━まるで、全てを等しく愛する神の博愛。
雷霆「神よ……」
雷霆「(この感情の正体、心得たり。これはまさしく信仰心。私はこの子━━この方の信者となったのだ、今このときより)」
みょんみょん「か、神?え、えぇ?」
雷霆「あなたへの敬愛と忠誠をを示すため、どうか、このキスをお受けください」
みょんみょん「あっ……」
雷霆はみょんみょんの手を取ると、唇のほんの先端が触れるだけキスを彼女の手の甲にした。
みょんみょん「(やっ、やだ。他人にキスされるのなんて始めて////大胆すぎぃ!もうお嫁にいけないわ!)」
みょんみょん「あ、いけない!こんなことしてる場合じゃなかったんだ!遅刻しちゃうわ!」
雷霆「あなたのためなら……いいでしょう」
みょんみょん「え?」
雷霆「私は他者から馬鹿にされるのを避けて、自分の力をひた隠しにしてきました。ですが、貴女のためなら、その禁を喜んで破りましょう」
みょんみょん「え?……わっ///」
みょんみょんは気付いた時には、背中と膝裏を抱えるようにして雷霆からだっこされていた。お姫様抱っこである。
雷霆「流石は神。羽毛のように軽い」
みょんみょん「そんな軽いだなんて///」
雷霆「では、行きますよ。噛むかもしれないのでお口はお閉じくださいませ」
みょんみょん「へ?」
雷霆「あああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!(ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ!!!!!!ブツチチブブブチチチチブリリイリブブブブゥゥゥゥッッッ!!!!!!! )」
気付いた時には、雷霆とみょんみょんは空を舞っていた。
みょんみょん「……え?」
雷霆が物凄い勢いで脱糞したことによって、それが推進力となり、彼女らを宙へ押し出したのだ。
みょんみょん「スゴい……空を……」
みょんみょん「(なんだか、夢みたいな気分……。まるで王子様に連れられて夢の国に行くような……)」
空を駆ける中、みょんみょんはただ夢見心地に必死に気張っている雷霆の凛々しい(?)横顔を惚けたように眺めることしかできなかった。