幾多ものテレビ画面に映し出された一つの映像、それはあんみつという人間と雑貨屋という神の戦闘シーンだった。そしてそれを見る人影が一つ、その名はハギワラの夜、かつてこの世の全てを支配した王の右腕だった男だ。
「ふふふ、傲慢な者達の戦闘は実に幼稚だね。かつては僕達もこんな感じだったのかな?ねえ、■■■■■?」
彼は暗闇に問いかけるが誰も返事をしない。いや、返事はしているのだ。しかし、それ知らない人間からしたら風が吹く音にしか聞こえないだろう。その音はキリストのように磔にされ、藁人形のように痩せ細った人間の口から漏れる呼吸音なのだから。
「彼等もまさか自分達の戦闘が監視されているとは思わないだろうね。まあ、仕方ないかな。僕の九十九異能の一つ、『
カヒューカヒューという音は彼の話の終わりとともに消えた。恐らく磔にされた人間の命の灯火が消えたのであろう。それに気付いた彼は大きく顔を顰めた。
「はぁ、今回の■■■■■は二十九日しか持たなかったのか。まあ丁度いいところに変えの■■■■■がいるからいいとしよう」
そう言って彼はどこからか一つの長大なライフルを取り出した。その銃はどこか、先程死亡した人間の形をしているようにも見え、非常におぞましい姿をしていた。そして銃口を画面の中の雑貨屋へと向けた。
「じゃあ、雑貨屋くん、今度の■■■■■は君だからよろしくね?『
引き金を引くと、銃口から幾つもの痩せ細った人の手が放たれた。それは画面を貫き通して、無数の雑貨屋全ての腕を掴み、画面の中へと引きずり込んだ。
「どこかな、ここは?」
「僕の予想だと新たな敵の出現だね」
「案外同業のお誘いかもよ?」
「飲み会だけは勘弁だねぇ」
彼等はいきなり謎の場所へと連れてこられたのに、能天気な会話をしていた。それが素なのか空元気なのかは彼等にしか分からないだろう。
「今度の■■■■■は多いなぁ。まあ多くて悪いことはないんだけどね」
「誰だい、君は?」
「ああ、何も話さなくていいよ、■■■■■。君はもう終わりだから」
その言葉は真実となった。雑貨屋は彼が話している最中、雑貨屋達は十字架に磔にされていたのだ。それも自分から磔にされに行ったのだ。
「それが僕の
雑貨屋の耳がその声を拾っていたかは、彼等しか知らない。
いたたたたたたたた