「く、日没神が死んだか……死んでないけど」
「仇敵をようやく倒して万々歳、ってところかな?」
「ついにこの僕の正体を知る時が来ましたか……」
「敗北フラグ、立っちゃいましたねぇ……」
喜ぶのも束の間。餡蜜と伏兵の周囲を同じ服装をした、無数の男が取り囲んだ。
見るとその顔は全て同じ───つい数十秒前に殺したはずの、日没神の顔。
「な───何故だ───!?」
餡蜜が喚く。不測の事態。意味がわからない。まさか、日没神は死んではいないのか?そう思った瞬間、日没神の顔をした者達が喋り出した。
「
「いくら増えたところで所詮はただの幻、触れもしないし、ただそこにいるだけ。」
「しかし、例え幻であろうと、日没神であることに狂いはなく。」
「無意味な夢は日没神の名を騙ることで事実と成り下がり、」
「只今を以って、現実を侵食するだろう。」
「神言、詠唱。『虚構呪詛・日没神』」
「発動。『
刹那、全ての幻影は焔を纏った日本刀へと姿を変えた。
それらは餡蜜と伏兵共へ向けて、音速に近いスピードで放たれ、
「──────」
言葉を出す間もない死の猛襲。
全てが終わった地に残ったのは、汚い灰だけだった。
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凍結されています。