~街一番の安宿・どら猫亭の前~
一号「とうとうこの時が来てしまったか」
一号「祭典よ。ほんとに宿の人とちゃんと対話出来るのか?我は魔獣だから我が宿を取るのは不可能なのだぞ」
祭典「黙れよ牛畜生^ ^」
祭典「お前、俺様のことをコミュ障かなんかと思ってるだろ。根拠もないのにそれは失礼だからな、流石に」
一号「根拠も何も、お前と接してきた一年間がそれをハッキリと物語ってるのだが。お前とマトモな会話したこととか数えるほどしかないだろ」
祭典「数えるほどってことは、ゼロじゃねぇだろ」
一号「だが、その極低確率の可能性をお前が引き出せるかどうかが今日のお前の課題、いや使命なのだ!」
一号「だというのに、そのような軟派な態度をいつまでも取られていたら、我が不安になるのは当然の道理であるぞ」
祭典「^ ^;」
祭典「……まあ見てろよ」
祭典「俺様は神で、全てにおいて最強天才エリートに勝てる奴はいないってことを今から証明してやるよ^ ^」
一号(不安だ……)
~~
カランカラン(ドアの鈴の音)
宿番の人「ん?客かい?泊まるの?」
一号(これはまずいな。安宿なだけあって無愛想な接客だ。客が来たというのに、カウンターに突いている頬杖をやめようとすらしない)
一号(今すぐにでも『おいおいおいおい。俺様に向かってその口の聞き方はなんなんだ?お客様は神様って子供の頃にかーちゃんから教わらなかったのかよカス^ ^』とか言いそうで恐ろしい)
一号(祭典、どう出るんだ!?)
祭典「あ、はい。ここに泊まろうとは思ってますが、どら猫亭で合ってますよね?」
宿番「合ってるよ」
祭典「じゃあ、一週間は滞在すると思うので、その分も先に払っときますね」
宿番「35メセカだよ」
祭典「35メセカですね。はい」
宿番「毎度ありぃ~」
宿番「じゃ、これ鍵だから。宿のことで困ったことがあったら言ってね」
祭典「お気遣いありがとうございます」
一号(……誰だコイツ?)