東証の「プライム市場創設」でTOPIXはどうなってしまうのか
7/10(土) 4:31配信 東洋経済オンライン
https://news.yahoo.co.jp/articles/f5bc8b22d8e0e435f241fc297b78af5b339e30e8
『週刊東洋経済』の最新号(7月10日号)の特集は、「ガバナンス地獄 最後の審判」と題して、東京証券取引所の市場再編で「プライム市場」から外れる可能性のある会社の独自ランキングなどを掲載している。
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東証1部→プライム「517社脱落危機」の衝撃試算
タイムリミットわずか、7月9日に第1回判定結果
2021/07/05 4:30 東洋経済オンライン
https://toyokeizai.net/articles/-/438167
3月23日、文具大手のキングジムでは、社長以下、役員19人が出席して取締役会が開かれていた。席上、原田伸一取締役常務執行役員がこう提案した。
「弊社はプライム市場への移行を目指している。すでに35%以上という流通株式比率はクリアできているが、さらに向上させるためにも自己株を消却したい」
この時点でキングジムの自己株比率は12%。それを自己株消却によってさらに3.08ポイント引き下げたいと提案したのだ。
東証1部に代わるプライム市場に残る条件
なぜか。東京証券取引所が2022年から市場区分の変更を柱とする市場改革を行う予定にしており、東証1部に代わる存在となる「プライム市場」に残るためには、市場で売買される株式の比率である流通株式比率を35%以上まで引き上げる必要があるのだ。
キングジムは市場改革を見越し、数年前から議論をスタート。すでに基準はクリアしていたが、「中長期的にプライム市場での上場を維持していくため、さらに流通株式比率を高めていきたい」(宮本彰社長)と考えたわけだ。キングジムでは併せて政策保有株も縮減していく方針だ。
今回の市場改革に伴ってガバナンスの強化も求められることから、キングジムは社内に「プライム市場移行準備委員会」を設置。その下にテーマごとに16の分科会を設置して、社内横断的に議論を行っている。メンバーの力の入れようはものすごく、平日に分科会が開催されない日はないほどだという。
「これまで東証2部、東証1部と昇格するにつれ、入社試験のエントリー数が増え、高学歴の学生が集まるようになった。プライム市場に入る意義は大きい」と宮本社長は語る。
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「プライム市場」から脱落しそうな会社はどこか
東洋経済で独自試算、カギは「流通株比率」にあり
2021/07/08 10:30 東洋経済オンライン
https://toyokeizai.net/articles/-/439604
6月25日、日本オラクルの株価が急落した。前日終値1万0230円から8700円へ15%近く下がった。
前日に発表された決算が市場予想ほどよくなかったことに加え、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の田中秀明シニアアナリストが前日に出した次のリポートもきっかけとなった。
「プライム市場入りが厳しい、もしくはプライム市場入りに向けて親会社が株を売り出す可能性を株式市場が懸念しているかもしれない。株価下落後も当面は上値が重い展開もありうる」
今や株式市場の注目は、東京証券取引所1部企業のうちどこがプライム市場(市場区分変更で、東証1部に代わる存在)から落ちるか、だ。
ダメと言われると覚悟
「一次判定でダメと言われることは覚悟している」。プライム市場落ち企業を予想した下表で10位以内に入っている東証1部上場企業のIR(投資家向け広報)担当者はそう語る。
東証の市場区分見直しに伴い、基準が最も厳格なプライム市場の上場維持基準を満たせないと、東証株価指数(TOPIX)に採用されなくなる可能性が高い。となれば、35兆円超といわれるTOPIX連動型公募投資信託は、TOPIXから外れる=プライム市場に残れない企業の株をいずれ売る。つまり株価の下落要因となる。
一次判定が下されるのは7月9日。東証はこの日に「適合状況の一次判定」をし、基準を満たしていない企業に通知する予定で、プライム落ちの可能性が高いIR担当者はピリピリしているのだ。
プライム市場の基準には、株主数などさまざまな項目があるが、最注目は「流通株式比率35%以上」というもの。大企業でも、35%以上なければ残れない。冒頭に挙げた日本オラクルがまさにその代表例だ。
(後略)