日研北海道地区 新べらクラブ掲示板

釣りに行きたいなー

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 みなさんこんにちは
 といったことで、今日現在去年の地蔵沼が最終で釣りはご無沙汰なんであります。
 手持ちがないので、情報を申し上げることはできず、といったことでまたまた下手は創作落語でお楽しみくださいませ。

枕:えーつ、ここのところは随分と寒い日が続いておりますが、ものは考えようでそうした寒い日があるからこその暖かい日でありますな、寒さが温かさの引き立て役でより一層に心地よく感じたりなんか致します。
夏場のうだるような暑さがあればこそ秋の涼風がより一層ありがたく感じるものであり、厳しい冬の寒さがあらばこそ春は一層際立つといったところでしょうか。
そして春といえば我らがへら鮒釣りにあっては、世間一般の評価であるところの心地よいなどといったことは、こりゃー端から無理であります。
蝶よ風よなどと悠長なことは行っておられません。
なにせあの桜が咲くんでありますから。
日本列島は南北にながっぽそいんですから、「おいどんのところの春は2月だ」「ほいじゃけん3月よ」「4月でござんした」「5月でないかい」などと、カレンダーで春を規定統一するのは大変ですが、三つ葉葵の印籠のごときにへら鮒釣りの世界にあっては桜がその印籠にあたります。
これがいざ花をつけるとなればまあどこぞからの異論は消えて、「一同のもの春将軍である頭が高い」ははーっ」といった塩梅に落ち着きますな。
へら鮒釣師にとっては大変に待ち遠しい花といったことになりますでしょうか、昔っからお酒飲みを揶揄した都々逸に『お酒飲む人花なら桜、今日もサケサケ、明日もサケ』なんて―のがありますが、「へらを釣る人、春なら桜えーっと・・・以下同文」と申し上げるっていと、皆さんも思い当たるのかニヤリとなさいますな。
まあそうはいっても、ヒマワリ満開の宙釣りの豪快な当たりや、紅葉真っただ中タナを探るそれも、またまた季節風に背を丸めながら小さなあたりで一喜一憂するそれも、大変に楽しいもんであります。
『へらを釣るなら、春一夏二、秋が良くって、冬も良い』っとまあ、「これじゃーオイラの休みはねーじゃねーか」、水面下からそうしたへら鮒たちの声が聞こえてきそうな気がいたしますが、それほど釣り手を夢中にさせるなにがしかがこの釣りにはあって、昨今の“沼る”などとの表現はいい得て妙、所謂どストライクといった感じを受けているこのところでございます。

街人い:おいおいおいっと、見てみろよあの熊とおみつの顔を、祝言を上げてからもう2年もたっているのに、いまだに並んで歩くっていと顔を赤くしてやがって、ありやー熱々だ初々しいねー
街人ろ:いやーっ、二人とも様子がいいねー、「いよっご両人こんちくしょう!」
街人は:みろよ、二人とも耳まで真っ赤っかになってやがるいいー、あぁーおいらもどこかに相手がいねーもんかねー
街人に:へら鮒釣りを始めるっていと嫁が見つかるらしいってよ
街人ほ:『へら鮒釣りは、旦那の遊び、座ったままで、嫁釣れる』ってたまんねーなー
街人へ:おい、へら釣りに行こうぜ!

嫁が欲しいがためにご隠居とへら鮒釣りを始めた熊、末は「嫁を取るまでの腰掛」であったはずが、その想いが叶って二年が経った今も、これがどうしてまるっきり夢中でやめる気配すらない日々でありました。
 この冬明けからは弟弟子の三太や四之介を従えまして「おめえたちも嫁が欲しいならへら鮒釣りをしなけりやなんねぇいよ」と、今日も今日とて馴染みの遊水境へまかり越したのでありました。

 三太:兄貴へらは春一と言いやすが、それにしても今日は良く釣れやすねー
四之介:本当に三太兄いでも、兄貴の半分は釣ってやすからねー  
 三太:でもたぁなんだよ、おめえなんざ三枚っきりじゃねーかー、やんのか
  熊:よしねぇい、ここは俺たちだけの河岸とはわけが違うんでぇい、周りの皆さんにご迷惑が掛かるってぃもんだ、どうしてもってぃならおいらが相手するぜぇ
三太・四之介:いやいや、御心配には及びません、も
三太:も、この通り、すっかり仲良く遊んでやす
 熊:お前らはそんなことで一々ぐずぐず言ってやがるからけっ、いつまでもへら鮒のご利益にあずかれなくって嫁が来ねいんでぃ、お向かいの旦那衆を見てみねい、お隣の釣果に「おや、いいいへらでやんすねー」なんて笑顔まで寸法増しして、あれが内から湧いて出るようになったら嫁なんざわさわさ向こうから寄ってきやがるんでぃ、お前たちときたら三ざっぱら一々隣の釣果に目くじら立てて、さっきは三太、おめえが珍しく「おや、いいへらでやんすね」なんて四之介に言いやがったから、はっと見るとスレ掛かり、そんなあ嫌味が出るようじゃ、ああ来ないよ
三太・四之介:へいっ

 とまあ落ち着きが出たから嫁が来たのか、嫁が来たから落ち着いたのかは、今となってはせんなきことながら、確かに近頃の熊さんは随分とまあるくなって所謂男っぷりを上げたようであります。
 
 
おみつ:あなたおかえりなさい、湯が沸いてますけどお食事を先になさいます
  熊:おう今帰ったよ、おっかさんを待たせているんなら申訳ねぇから、飯を先にするよ
おみつ母:熊さん、春とはいえ池の周りはさぞや寒かったでしょう、私はいいから先に湯に入っておくれよ 
 

管理人
作成: 2025/01/27 (月) 13:37:21
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