イタリア Rank II 中戦車 Fiat-Ansaldo P40 (P26/40)
概要
イタリア陸の国産車両としては最後の戦中戦車。
史実では様々な新基軸の取り入れられたCarro Armato Pesante、すなわち重戦車として開発された。
従来の47mm砲から一転して75mm砲を搭載しており、炸薬量に優れるAPCBCと高貫徹のHEATが使用可能。
装甲も全面にわたる傾斜によって避弾経始の効果を発揮、数値以上の防御力を発揮する。
車両情報(v1.97)
必要経費
必要研究値(RP) | 14,000 |
---|---|
車両購入費(SL) | 55,000 |
乗員訓練費(SL) | 1,600 |
エキスパート化(SL) | 55,000 |
エース化(GE) | 270 |
エース化無料(RP) | 250,000 |
バックアップ(GE) | 60 |
護符(GE) | 860 |
BR・報酬・修理
項目 | 【AB/RB/SB】 (初期⇒全改修完了後) |
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バトルレーティング | 3.3 / 3.3 / 3.3 |
RP倍率 | 1.3 |
SL倍率 | 0.5 / 0.8 / 0.9 |
最大修理費(SL) | 1140⇒1556 / 1400⇒1911 / 1500⇒2047 |
車両性能
項目 | 数値 |
---|---|
【AB/RB&SB】(初期⇒全改修完了後) | |
砲塔旋回速度(°/s) | 17.9⇒24.8 / 11.2⇒13.2 |
俯角/仰角(°) | -10/23 |
リロード速度(秒) (初期⇒スキルMAX+エース化) | 6.5⇒5.0 |
スタビライザー/維持速度(km/h) | 無し/ - |
車体装甲厚 (前/側/後)(mm) | 50 / 45 / 40 |
砲塔装甲厚 (前/側/後)(mm) | 50 / 45 / 45 |
船体崩壊 | 無 |
重量(t) | 26.0 |
エンジン出力(hp) | 511⇒630 / 292⇒330 |
2,100rpm | |
最高速度(km/h) | 45 / 40 |
実測前進~後退速度(km/h) | 44 ~ -4 / 36 ~ -4 |
最大登坂能力(°) | ***⇒*** / ***⇒*** |
視界(%) | 88 |
乗員数(人) | 4 |
暗視装置
なし
武装
名称 | 搭載数 | 弾薬数 | 弾薬費 (SL) | |
---|---|---|---|---|
主砲 | 75 mm Ansaldo 75 L/34 cannon | 1 | 63 | 30 |
機銃 | 8 mm Breda Mod.38 machine gun | 2 | 576 | - |
弾薬*1
名称 | 砲弾名 | 弾種 | 弾頭 重量 (kg) | 爆薬量 (kg) | 初速 (m/s) | 貫徹力(mm) | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
10m | 100m | 500m | 1000m | 1500m | 2000m | ||||||
75 mm Ansaldo 75 L/34 | Granata Perforante 75/32 | APCBC | 6.35 | 0.27 | 637 | 79 | 78 | 71 | 64 | 58 | 52 |
EPS M42 | HEAT | 5.3 | 0.656 | 552 | 100 | ||||||
Granata 75/32 | HE | 6.35 | 0.6 | 552 | 9 |
車両改良
Tier | 名称 | 必要RP | 購入費(SL) |
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I | 履帯 | 690 | 1600 |
修理キット | |||
砲塔駆動機構 | |||
EPS M42 | |||
II | サスペンション | 780 | 1800 |
ブレーキシステム | |||
手動消火器 | |||
砲火調整 | |||
III | フィルター | 870 | 2100 |
救急セット | |||
昇降機構 | |||
発煙弾発射機 | |||
IV | 変速機 | 1500 | 3600 |
エンジン | |||
砲撃支援 |
カモフラージュ
△△△ | |
---|---|
条件 | - |
説明 | 標準カモフラージュ |
△△△ | |
[添付] | |
条件 | △ |
説明 | △ |
研究ツリー
前車両 | Pz.III N(IT) |
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次車両 | M4A4(IT) |
解説
イタリア陸ツリーにおける、最後の戦中国産中戦車。本当は重戦車なのだが…
各国の同格中戦車と比較すると砲性能にクセがあるものの、その他の性能は高水準にまとまっているため、慣れてさえしまえば大きな活躍が期待できる。
イタリア陸ツリー黎明期に先行実装されたプレミアム車両のP40 Leoncelloも同等の性能をもつ。
特徴
【火力】
75/34 M42や75/34 M43の砲と同等の性能を持つ"Ansaldo 75 L/34"(34口径75mm砲)を搭載する。
使用可能な弾種
- Granata Perforante 75/32(APCBC)
初期弾。
貫徹力こそ最大79mmと貧弱だが、脅威の炸薬量 270 g (TNT換算)*2によって強力な加害を発生、貫通した装甲目標に大ダメージを与え、即座に撃破することができる。
- EPS M42(HEAT)
開発弾。
距離に関わらず最大 100 mm の装甲貫徹力を発揮するが、加害範囲が狭く、与えられるダメージも小さいため一撃撃破が難しい。
また、同格で遭遇しやすいIII号戦車L/M型、IV号戦車G/H/J型など、2重装甲やシュルツェンを持つ車両(主にドイツ製)に対しては、HEAT弾の特性上ダメージを与えづらいという弱点がある。
それでも、M4やT-34などの一枚板で構成される正面装甲は初期弾より容易く貫通することが可能なため、決して無力ではない。
- Granata 75/32(HE)
初期弾その2。
貫通力は9mmで対戦車能力は皆無だが、600 g (TNT換算)の炸薬量によりオープントップ車両を一撃で爆散させることが可能。
しかし、対オープントップ戦闘は過貫通さえ起こさなければ初期弾でも十分に対応可能な上、開発弾のHEATに対して勝る部分が一切ない。
初期弾と開発弾、2つの弾種をどう活かすかは乗り手のプレイスタイル次第となるだろう。
【防御】
装甲配置は全体的に傾斜がかけられており、実質的な装甲圧はカタログより大きい。また、相手の狙いが甘ければ跳弾も期待できる。
砲塔防盾部分は二重装甲となっており厚めで、車体正面も特段装甲が薄い部位が無く、安定した防御力を発揮可能。
側面は最も薄い履帯裏でも40mm、中央部は45mmの傾斜装甲と、同格のM4やT-34にも劣らない優秀なものとなっている。
こういった正面・側面共に十分な装甲厚は、車体方向を主砲の指向方位から30°~40°傾けて実質的な装甲圧を増加、防御力を向上させる「食事の角度」のテクニックに活かすことが可能。
撃ち合いの際にこの戦法を実施すれば、IV号戦車や一部の強力な自走砲を除いて、格下・同格車両の攻撃のほとんどに耐えることができる。
【機動性】
中戦車としては平均的だが、後退速度が遅め。
平地での全速力は45km/h(AB)/41km/h(RB/SB)と、同格中戦車としては並程度。
出力重量比は良好で、上り坂でも速度が落ちづらい。
また、速度がある状態では素早い車体旋回が可能で、機動戦にも十分に対応できる。
停車状態からは24km/hへの到達が早く、それ以降は緩く加速していく。
後進速度は-5km/hとあまり実用的ではない。
調子に乗って前線を張りすぎることのないよう、前進と後退は計画的に。
【総評】
低貫徹&強加害のAPCBCと高貫徹&弱加害のHEATを扱える75mm砲、平均を少し上回る防御力と並の機動力を持ちながらも極端な弱点が無いことから、総合性能は優秀な部類に入る。
イタリア陸のユニークな同格車両と併せ、ぜひともデッキに組み込みたい車両だ。
史実
Carro Armato P40またはCarro Armato P26/40は、第二次世界大戦中にイタリア王国のフィアット・アンサルド社が設計・開発した重戦車。
"Carro Armato"(カルロ・アルマート)は「装甲車輌」すなわち「戦車」、"P"は"Pesante"(ペサンテ)の略で「重」、"26"は車重の26t、"40"は1940年を意味する。
開発は1940年から始まった。当初の計画は重量25t級で75mm砲を装備するというものであり、開発作業は素早く進行、1942年には試作1号車が完成した。
イタリア軍参謀本部(Stato Maggiore)はディーゼルエンジン搭載を希望したが、当時のイタリアでは必要とされた300馬力を発揮するディーゼルエンジンが入手できず、試作車及び初期生産型は暫定的に液冷V型12気筒420馬力の342型ガソリンエンジンを搭載した。
のちにドイツの指示で生産された後期型は、新開発の液冷V型12気筒330馬力のディーゼルエンジンを搭載した。
サスペンションは従来のM13/40と同様、板バネ式の緩衝装置であった。これは走行時の衝撃を受け止めることができ、良好な信頼性を持っていたが、旧来的なこの機構は他の懸架方式、例えばT-34のクリスティー式サスペンションと比較して発揮できる最高速度が低かった。
初期のP40試作車は従来のM13/40を拡大設計したような外見をもっていた。
しかし、東部戦線において傾斜装甲を多用する強力なT-34中戦車が確認されたことが開発元に伝わると、P40の装甲配置は速やかに再設計され、試作4号車からは避弾経始の効果を狙って全面的に傾斜角の大きな装甲配置が採用された。
装甲厚そのものは従来のM13/40などの中戦車と比べて強化されていたものの、同時期の他国の戦車の大多数が溶接構造を採用していたのに対し、未だ鋲接構造が主となっていたため被弾時の耐久性に不安が残っていた。
イギリス軍のQF 2ポンド砲(40mm)のような小口径の対戦車砲に対して装甲は効果を発揮したが、1943年頃から前線に配備、通常射程で100mm以上の装甲を貫通したイギリス軍のQF 6ポンド砲(57mm)、またはQF 17ポンド砲(76.2mm)を防ぐことはできなかった。
試作1号車は18口径75mm砲(山砲ベース)を、以降の試作車は32口径75mm砲(カノン砲ベース)を搭載した。
生産型は新開発の34口径75mm砲を搭載した。これは32口径75mm砲と同一規格の弾薬を使用可能で、砲口初速約700m/sを発揮した。
砲塔前面にはブレダ8mm単装同軸機銃が装備されていた。砲塔上面の対空機銃架にもブレダ8mm単装機銃を増設することが可能だった。
試作3号車までは車体前面右側に連装でブレダM38車載機関銃が装備されていたが、試作4号車以降は車体形状の変更に伴い廃止されている。
P40の主任務は対戦車戦闘であり、これまでのイタリア戦車よりも切り詰めた設計がなされた。そのため、搭載する主砲弾数は通常で約65発、機銃弾は約600発と少なかった。
1,200輌のP40が発注されたが、うちごく少数、資料によっては1輌から5輌とされる試作車輛が1943年9月のイタリア休戦前に完成した。
休戦後、これらの車輛はドイツ国防軍に接収された。
アンサルド社はその後も約100輌のP40を生産したものの、40両がエンジンの不足のため完成に至らなかった。
エンジンを搭載し自走可能なP40は「PanzerKampfwagen P40 737(i)」の呼称でドイツ軍に徴用され、アンツィオの戦いで実戦投入された。
エンジンのない40両も固定砲台としてトーチカなどに使用されたという。
当時のドイツやソビエト、アメリカやイギリスの戦車と比較して、P40は明らかに「中戦車」の部類に入る車両だったが、カーデン・ロイド豆戦車から独自技術によって拡大発展していったイタリアの戦車開発史において、そして当時のイタリアの軍備状況において、この戦車はまさに「重戦車」であった。
小ネタ
◇軽戦車や中戦車、重戦車の定義
軽戦車、中戦車、重戦車の定義は一般に重量や大きさとされてはいるが、実際には開発経緯や運用法、同時期の戦車との相対的な性能で決められる傾向にあった。
例えば、ドイツのV号戦車パンターは他国の重戦車に匹敵する重装甲・大火力があったにも関わらず、ドイツ国防軍では中戦車として分類された。
これは、同国の中戦車であるIII号戦車やIV号戦車の後継車両として開発、運用されたためである。
…もちろん、この傾向はP40にも当てはまる。
すなわち、P40が重戦車であるということは、イタリア陸を嗜む者にとっては至極当然の事なのだ。
外部リンク
コメント
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