Splatoon2指南/メンタル指南

Last-modified: 2023-11-16 (木) 13:26:35

概要

ここではSplatoonはじめ対人ゲームにおいてストレスを抱えたりした者へのメンタル指南術および不安定なメンタル状態「ティルト」の概要、その危険性そして対策を記述する。

自分のメンタルが不安定になって悲しみから抜け出せない、憎しみが消えない…といった症例に悩む方々での救いとなることを祈っている。

あくまで指南であるため効果を必ずしも保障できる訳ではないため、各個人で自分なりのメンタルチェック方法がある場合にはそちらを使うのも良い。

前置き

FPSやTPSに分類されるオンライン対戦ゲームは音や視覚情報、画面上の情報や仲間からの通信などを頼りに各プレイヤーがそれぞれ判断を行い、キャラクターを操作しつつ目標を達成するジャンルのゲームである。
つまり各個人の感覚と経験、そしてゲームのセンスと操作技術をぶつけ合うゲームといった所である。
スプラトゥーンはTPSの中でもより直感的な操作が出来るようにジャイロ操作でエイムを合わせる方式が主流であり、これによりTPSゲームとしての敷居を低くすることに成功しつつ没入感を高めたゲームの一つとして知られる。
ただし、敷居が低くなったからといってTPSの根本部分である各種スキルのぶつけ合いという部分が変わったわけではない。

元々銃撃で相手の息の根を止め合うということを主目的にすることの多いTPSというジャンルはマナーのいいプレイヤーばかりいるとは限らない。
直感的に操作することでキルが発生した時に倒した側がやられた側を上回ったと判断しやすく*1、煽り煽られが横行しやすい。

直感的に操作できるということは、その分自分の思い通りに出来なかった時や不意を突かれた時のストレスもまたダイレクトに影響を及ぼし、それにより操作精度が悪くなっていくという悪循環を及ぼす可能性があることは把握しておきたい。

感情が暴走する「ティルト状態」

不安定なメンタルの状態として「ティルト」というものがある。
これはポーカー用語で「プレイヤーが合理的な判断ができなくなり、感情にかられた行動をとるようになってしまった状態」のことを指す。
より簡単な言葉で、Splatoon流に言うのなら「何度も何度も負けたりやられたりしてぶちギレてしまった」状態である。

試合中or試合後問わず何か大きな損失が起きたり、奇襲、裏取りなどで酷い倒され方をしたり、同じ相手に何度も何度もやられたり。
またブキの性質上、一方的な攻撃となるスプラチャージャーエクスプロッシャークーゲルシュライバーなどに長距離から倒された時などはこういった状態になりやすい。
この状態にはプレイヤーの技量を問わず誰でもなる可能性が常にあるが、この状態が続けば続くほどに後述の5つの理由で連敗していくため、結果的にこの状態をコントロールできるプレイヤーほどウデマエは高くなりやすい傾向がある(勿論全員がそうであるというわけではないが)

 

この状態になったプレイヤーは、
・損失を取り返すために普段ならやらないようなバクチ行動を取ったり、成功率が30~40%程度の危険な作戦でも成功すると根拠なく判断して動いてしまう。*2
・自分を負けに追い込んだ存在や何度も自分を倒した相手を見つけ次第、恨みに駆られたように効率を投げ捨てて復讐するために動く。
・その状態の自分の博打行動に味方が協力してくれることを当然だと思い込んでおり、それが果たされなかったときに味方へ激しい憎悪を抱く。
・敵の見え見えのブラフや罠、釣り行動にも根拠なく勝てると思い込んで突っ込んでしまう。
・明らかに正常な判断が出来ていないのに、勝つまで続けようとしてしまう。
…という状況になりやすくなる。

また、酷い時には

  • 味方が協力してくれなければ(…と言うよりしてくれると思い込んでいた)その味方を晒す
  • 負けに追い込んだり自分を何度も倒した相手をキルした際に煽りイカをする
    という事もしばしばある。

その他、ティルト状態に陥るプレイヤーは「強いのは常に自分」と考えている傾向にある(俗に言う「俺TUEEE状態」)。
「味方、相手プレイヤーに良い所を見せたい」「キル数を稼ぎまくって敵に自分の強さを誇示したい」というのもある。
またこれらの場合、その行動に失敗した時にはそれを原因として更にティルト状態が深刻に近づくため、かなり危険な状態である。
そしてそれは失敗したにもかかわらず何度も続けようとするという事は自身の敗因から目を背けている、という事でもある。

スプラローラーのページの応用欄にもあるが、頭に血が上ったプレイヤーはこのゲームではカモでしかなく、冷静になれていないなら負けが続くだけである。

上記項目の5つのうち、どれか一つでも当てはまるような精神状態の時には、気分転換をした上で、自分の敗因をよく考えよう。
やられた際に、Switchのキャプチャーボタンを長押しして、やられた30秒前からのプレイを後でじっくり見返してみよう。そうすれば何がいけなかったのかが自ずと分かってくるはずだ。
休憩以外なら「一日に3回負けたらその日はガチマッチに参加するのを絶対にやめる」といったように、止めるときのルールを設けるなども対策の一つ。

味方がティルト状態になった時は

自分ではなく味方にティルト状態のプレイヤーがいる場合は、どの程度深刻な状態なのか、自分がその味方をフォローしたりカバーキルを取ることが可能かどうかをよく観察しよう。

...しかし、先程も言ったとおりティルト状態のプレイヤーは「自分は一番強い」と考えることが多く、どんな敵にも勝てると思い込んでいる傾向があり、その場合はかなり重度のものとなる。
味方や敵に煽りイカをし始めたり、シグナルを無意味に連打し始めたり、やられた瞬間にジャンプ先申請を不必要なほど連打したり、ナイス・カモンにすらイライラしている様子が見られたり…といったようなフォロー不可能なほどにティルト状態が深刻化している場合は、一旦落ち着いてくれるまで戦力としてカウントせず、囮として使って切り捨てたほうがいい。
無情ではあるが、そういった状態のプレイヤーをフォローしようとして巻き込まれた方が被害が大きくなる。

もし人数有利の状況を取った後や味方のカバー成功後、ティルト状態の味方がうまくいけた時にナイス!を送るなどのメンタルケアを行えば、そのおかげで冷静になってくれていることもある。
積極的にフォローしていくことで元の調子を取り戻させてあげよう。チームの戦力もばっちり戻る効果も大きいぞ。
何らかの理由で冷静になってくれたなら、その後はまた連携をとっていくべし。

敵がティルト状態になった時は

ガチマッチにおいて敵チームにティルト状態のイカが出てきたならば大チャンスである。
勝手に足並みを崩してくれるので相手側の連携や陣形をガッタガタに出来る起点になってくれるという、敵として出てくる分には非常にありがたい存在。
言い換えれば都合のいいカモだ。

あなたに恨みがあるタイプのティルトであればより分かりやすい。
恨みを晴らすために真っ直ぐ突っ込んで来たり、あなたを倒すためだけにスペシャルを発動してくるので対処が容易である。
このタイプはあなたをキルしない限りは冷静に戻ることはほぼ無いため、ひたすら返り討ちにして虐めるなり自陣側に引き込んで袋叩きにするなどして「その敵にだけは倒されないように立ち回る」だけで試合が有利に動く。

またティルト状態の判断力は、大体前のめりに固定されてしまうため、ウデマエが自分よりも高く手強い相手でもティルト状態であれば、上手くやれば下克上が狙える。相手が本調子を取り戻す前に突き崩してしまおう。
もしやられた場合は、キルカメラをみて相手の位置や動きを予め予測しておこう。

こちらをたおした時に敵が煽りイカをして来た場合、3つの情報が手に入る。
1.非常に感情的でティルトになりやすく、敵の陣形を崩すキッカケに出来る相手。
2.自分を倒すことのできる程度のキル技術はあるので、その敵に自分一人で対処してしまうと足元をすくわれる危険性がある
3.自分の仲間の士気や連携意識より「自分の感情を優先するタイプ」なので、その敵を軸としたスペシャル連携が遅れる期待ができる。

要は「敵チームの弱点ではあるが、あなただけで対処するには危険が伴う敵」ということだ。
上手い事切り崩すときにはアシストを貰いつつ戦えるように位置取ること。他の味方が別の対処で忙しくて自分しか向かえないのであれば、一旦そいつを無視して他の味方のところに向かってそちらで戦おう。そのままあなただけで挑んでそいつにボコボコにされ続けるのが一番ヤバい。
もし自分もティルトになると泥沼になりかねないので、落ち着いて対処していこう。

また全ブキのなかでも長射程…特にチャージャー系統のブキはこの恨みによるティルト状態を誘発しやすいブキ
その中でも特にスプラチャージャー種はコラボ・ベッチュー・レプリカ・スコープの有無問わず、その強力すぎる性能に加えて遭遇率がチャージャーで最も高いため対戦時の恨みやイライラを試合後まで根深く抱えていることが多く、敵味方問わず試合のメンバーの中にいるだけでティルト状態になりかけるパターンもあるほどである。
これはあなた自身に心当たりがあろうとなかろうと、存在自体が強烈なヘイトを引き起こしているパターンもあるため、敵をあしらう術と逃走技術は身に付けておくことを強く推奨する*3
特にスプラチャージャー無印の場合はスプラッシュボムを転がして逃げる行為が、他のスプラッシュボム搭載ブキよりもティルト状態のイカに非常に良く刺さる。
ティルト状態のイカは大体の場合、接近できたときにチャージャーへの殺意で頭がいっぱいになっており、他のブキ相手なら考慮できるはずのボムコロのリスクを度外視して強引に接近してしまうことが多いためだ。

ただ、勝敗が重要となるガチマッチにおいてはカモにするのがいいのだが、勝ち負けの影響が弱くかつカジュアル傾向の強いナワバリバトルでは「ティルトを逆撫でする行為」はむしろオススメできない。
その相手が味方になった場合にむしろ邪魔されるリスクもあるのはもちろんだが、ナワバリバトルは同じメンバーで対戦が続きやすいため、相手を挑発しすぎると逆恨みで晒されたり粘着されたりはもちろん、最悪の場合は後述する「ティルトの取り返しのつかない要素」にもある殺人事件のようなトラブルに発展する危険性もある。
ナワバトにおいてもし敵がブチギレてしまっているな…と思った場合、なるべく相手を狙わないようにしたり、相手とタイマンすることを可能な限り避けるなども一考しておく価値はある。もっとも確実で手っ取り早いのは試合後に部屋から抜けることだ。
ゲームをするのは楽しむためであり、相手を虐めたりするという理由ではないはずだ。

自信喪失タイプの「反ティルト状態」

ティルト状態の亜種。なお反ティルトはあくまで造語なので注意されたし。

こちらも「プレイヤーが合理的な判断ができなくなり、感情にかられた行動をとるようになってしまった状態」ではあるのだが、こちらは感情のベクトルが相手ではなく自分自身に向けられてしまったことで「キルされたり失敗を恐れて満足に動けなくなってしまった状態」を指す。
自分の弱さから目を反らす為に無謀な行動に走るティルト状態とは対照的な関係で、簡単にいえば負け続けて自信を喪失している状態である。

(正確にいうと反ティルトという区分はなく、どちらもティルト状態という扱いである。やりきれない感情のベクトルが他人に向かうか、それが反転して自分に向かうかの違いでしかない。ここでは分かりやすくするために反ティルトと記述しておく。*4)

 

この状態は、
・人数有利が作れていても自分の失敗のせいで負けるのが怖くて前線に移動できない、あるいは自陣塗りだけに固執してしまう
・通常の戦闘行動は勿論、支援行動すら放棄して逃走する*5など、状況を問わず「リザルトの見映えで責められない事」を常に最優先にして動く
・自分の行動に自信が持てないせいでホコやヤグラなどのオブジェクトに干渉していいのか終始迷ってしまう。
・カウントリードされた瞬間に「もうダメだ…」と諦めてしまう。*6
・もっと上を目指したいのにそれ以上降格することが怖くて挑戦出来ない。
といった消極性を引き起こす。

より正確にいうと「自分のせいで負ける」ことを極度に恐れるようになる。
負けたときに反省や悔しさよりも先に自分よりリザルトの見映えが悪いプレイヤーを探そうとしているのなら注意信号だと思っておこう。
通常のティルト状態と足して二で割ればちょうど良い。

ちなみにティルト状態のイカと反ティルト状態のイカが同時にチームにいた場合はチームワークもへったくれもなくなるため、試合中に最低でもどちらか片方の状態が改善しなければ事態は泥沼化し、満足な勝負にすらならなくなる。

さらに反ティルトの症状が酷い時には、ニックネームを「よわいです」等の自虐的な名前にするプレイヤーもいる。
こういった名前のプレイヤーは少なくとも「その自虐的な名前にやられた場合の相手の視点に立つ心の余裕がない、あるいは立つつもりがない」ということがわかるため、こういった名前にしているイカは反ティルト予備軍か、あるいは相手のココロを傷付けることに躊躇いのない無法者ということになるので注意が必要になるだろう。

本当に練習中だったり「自信が無くても精一杯頑張ります!」という意図であるにせよ、そもそもこういった名前を匿名の人間が集うオンライン対戦ゲームで付けるのはおすすめしない。
もし実力に自信はなくとも、最大限頑張りたいという決意表明のつもりなら、「せいいっぱいがんばる」「あきらめない」など、ポジティブな意味合いの言葉を選ぶと良いぞ。相手も味方も暖かく見守ってくれるはずだ。
また、自分の名前は目につくワードゆえに、自身のメンタルに結構影響力もあったりする。つまりポジティブな名前にすると必然的にそういう気分になる効果があるのだ。

 

通常のティルト状態の改善策が「強さを過信せず、自分の間違いと向き合う」ことなのだが、反ティルト状態の場合、自分自身を見つめなおすことではなく「誰かから認めてもらう事、成功体験を積むこと」であるため、通常のティルト状態よりも治りにくいという点が非常に厄介。
実は「ナイス」のシグナルはこういう人に役に立つものであったりする。
自信の喪失のせいでとにかく自己判断が難しい状態であり、カモンの意図を汲むこと等が出来ていない状態であるが、積極的に肯定してもらえることで自信を回復し本来の実力を出してもらえるようになるのである。余裕がある時には積極的に押すとチームの中に反ティルト状態の人がいた時に役に立つだろう。
味方がキルしたりだけでなく塗ってくれてたりサポートしてくれたら、バンバンナイスしちゃおう。

自分自身が反ティルト状態の時には多少味方のせいにしてしまおう。敗北の責任も逆転の原因も4人の中の誰か一人にあるものではない。
「あの時自分が〇〇していれば…」という気持ちになることも多々あるかもしれないが、それは他3人も同じである。必要以上に自分だけを責めるのは逆に自分自身の過大評価であり、他3人の実力の過小評価の裏返しでもある失礼な行為だ。

ティルト状態診断

  • 自分にとって「味方は足を引っ張る存在」であり、バトルは強え奴が一人いれば勝てるものであると信じている。
  • 自分は1番強いと思う。
  • 連勝してきたのは「自分が強かったから」だと思う。
  • 「ウデマエ」という「看板」や「勲章」だけが全てで、自分の実力や立ち回りはどうでもいい。
  • 味方や相手の動きには一切興味がないし、味方との連携は全く意識しない。
  • せっかく自分が注意を引いたのに味方がフォローしてくれないせいで水の泡になることが多い気がする。
  • 水の泡になったと感じたとき、「あいつ地雷だ」と思う。
  • 何度も同じ相手に倒されるとイライラして、逆にこっちが連キルして復讐してやろうと思う。
  • やられた際、煽りイカをされて腹を立ててしまい、その煽ってきたプレイヤーを絶対倒して煽り返そうとする。
  • 負けた際、勝利したチームの中にキルレの高いプレイヤーがいるとイライラしてしまう。
  • 負けた際、敗北チームのリザルトが芳しくないメンバーがいた時にはそのプレイヤーのせいで負けたと確信する。
  • 特定のブキが敵または味方にいるとそれだけで戦意喪失して、「もうこの試合負けるから適当にやろう」と考えてしまう。
  • 特定のブキが味方にいるとイライラして、「〇〇じゃなくて××使ってよ」と思ってしまう。
  • 「地雷」や「戦犯」など、敗北の責任を誰かに押し付けるような悪態をつく癖がついてしまっている。

この中に一つでも当てはまるものがあればあなたはティルト状態、もしくはその予備軍である。
当てはまる数が少ないほどに症状は軽度になるが、それでも油断が出来るものではない。
こういった感情に追い込まれることは誰しもある。少しずつでいいので、このような考え方を改めていこう。

 

また、ガチマッチで連敗している時に、

  • 試合中に今自分が何をしたらいいかが分からなくなり、じわじわカウントを取られてじわじわ負ける試合が連発している。
  • スプラッシュボムキューバンボム見えてなくてデスしていることが複数回あった。
  • 敵の位置が分かっており、有効手段も把握しているのにそれが何故か出来なかったことが何度もあった。
  • 負けた直後にイライラした気持ちのまま次の試合に進むためにボタン連打してしまっている。
  • 試合を振り返った時に頭の中にあるのが仲間への悪態しかなかった。
  • キルする、される直前に「煽りイカ」という言葉が頭をよぎる。
  • 「負けた原因」と思った敵or味方に対し、煽りイカをする目的でフレンド申請をした。
  • 放置などの迷惑行為を行っていなくとも、使用ブキや立ち回りが気に入らなかったり、リザルトが芳しくなく活躍出来なかっただけのプレイヤーを通報する。
  • 負けた際に自分の反省点ではなく、「味方の〇〇が××してたから、あるいは敵の△△が▼▼を使ってる奴だったから負けた。だから負けたのは自分のせいじゃない。仮に非があるにしても、他の奴らに比べたらほんの僅かなものだ」という言い訳が真っ先に頭に浮かぶ。
     
    という状況であるなら、もはや完全にティルト状態に突入している。
    一旦気分転換に軽くストレッチするなり紅茶やコーヒーなどを飲むなりでもして、メンタルの状況を元に戻そう。そうでなければどんな実力者であっても連敗しやすくなってしまうだろう。

ティルト状態への対策

上記の2種類のティルト状態は共に「悔しさやイラつき、辛さや申し訳なさ、焦りなどのやりきれない感情が暴走している」ことが原因である。
それが他人に向けられるか自分に向けられるかの違いでしかない。
こういった負の感情を押さえておけるココロの容量に限界が訪れると余裕がなくなり、ティルトが発生するのである。

なのでもし「ティルトになりやすいかも」と思った場合、以下の一例を試してみよう。

 

・スプラトゥーン2起動時のニュースをポチポチと飛ばしていくついでに「ココロの中に既に負の感情が沢山溜まってるな」と感じたら、その日は早めに切り上げるようにしてみる。
ヒーローモードオクト・エキスパンションでまったり遊ぶ。
・タコツボキャニオンや深海メトロ実験施設をひたすら塗りたくってみる。
・普段はあまり見ないであろうオクタリアンをじっくり観察してみる。
・クマサン商会でアルバイトしシャケと戦って、味方との協調性を思い出す。
・友人と一緒にプライベートマッチリーグマッチでのんびり遊んでみる。
・起動前に、ストレス解消のストレッチをしておく
・早寝早起きや食事のバランス等を整えて適度な運動をするなど、生活習慣を整えてストレスが溜まりにくいようにする。
・キルばかりや煽り行為をしたりティルト状態などの相手を見て「リアルでメチャつらい生活をしている」「今日、仕事やバイトですごく嫌なことがあった」などの外的要因を考察する

 

…といった具合に、ココロのなかの負の感情が溢れないように管理したり、減らすようにしてみよう。
あと、リングフィットアドベンチャーなどで運動してみるのもいい。カラダを動かすことで血流が良くなり、そこから考え方も良い方向になりやすい。心身共にケアをするにふさわしい。
愚痴を言える仲など友人がいる場合は、相手にやつあたりしない程度に吐き出して支えてもらうのもいい。

どうしても、敵にムカつく奴がいるというのなら、試合後にその人をブロックするのも手である。
ブロック機能は「この人と遊びたくないです」という意思表示なだけであり、これ自体は誰にも迷惑をかけるようなモノではない。割と積極的に使っていって問題ない。その操作中に少しは冷静になるための時間も取れるだろう。
ただし、ブロック機能ではなく通報機能は気軽に使うようなものではないので注意が必要だ。放置、チートなどの不正行為でならいいのだが、そうでない場合に乱用すると自分がペナルティを食らってしまうため危険。

あなたのココロの回復方法はあなた自身か、あなたの親しい人しか分からないので一概には言えないが…もし自分はティルト状態に突入しやすいと感じて辛いときには、


・負けたときには冷やしたお茶や甘いジュースをコップに注いで、ゆっくり時間をかけて飲んでみる。
・試合後に悔しいときには枕に顔を埋めてうめきながら足をバタバタさせてみる。
・試合中にティルトに陥りそうになったときには、やられたときにマップボタンを連打してささやかで誰にも迷惑のかからない憂さ晴らしをする。
・近隣のことを考えつつ、大声を出したり、叩いてもいいものを叩く。
・風呂場へ行き、頭から冷たいシャワーをかける


…など、内容は何でもいいので自分のメンタル回復ルーチンを構築しておこう。
もし物に当たる場合はモニターやテレビ、コントローラーやSwitchなどではなく、まくらやふとん、サンドバッグなど柔らかかったり頑丈なものにしよう。もしテレビなどが壊れてしまった場合の後悔と喪失感は、さらなる状況やココロのメンタル悪化を招いてしまう。お財布にもやさしくない

また「嫌な相手の環境を推察する」という効果はかなり高い。
塗りをせず執拗にキルばっかりしてきたり煽ってきたり、あるいはスマーフィング(サブ垢作って初心者を狩る行為。)したりなど様々なタイプの嫌な相手は存在する。
しかしその手の人は、生まれ育った境遇の悪さ、現時点での環境のつらさや、対人関係のトラブルがあったりとか、今日は仕事がうまく行かなかったり暑さや空腹などの環境要因でイラついていたり、はたまた今日の仕事で迷惑なクレーマーに絡まれてしまったり…などのせいで荒んでいるというケースもあるのだ。

もちろん必ずそうであると決めつけることはできない。
だがそういう相手を見て「なんか嫌なことあったのかな」「これで気分が良くなってくれればいいな」と自分の中で思っておくと、ココロが優しくなれるぞ。
これはSplatoonにかぎらず、様々なシーンで有効な心理的テクニックでもあるのだ。

そして、SNSや攻略wikiコメント欄にて誹謗中傷したりといった、モラルを欠いた行動は慎もう。
あなたの周りの友達、家族や、試合中一緒になった味方、相対する敵さえも、あなたが破滅してしまう悲しい結末なんて望んじゃあいないのだ。
人類としての誇りは忘れないようにしよう。タルタル総帥が泣くぞ。


野良試合でのムードメーカーの重要性

今更な話であるが、リーグマッチプライベートマッチなどの通話可能な環境を除いた場合、このゲームは基本的に味方と意思疎通をすることは難しい。
しかしキルされてしまった味方がティルトに陥ったか、あるいは開始時点でもう既にティルト状態に陥ってしまっているどうか、ある程度アタリを付けておかないといざというときにマズいことにもなりかねない。
なので、まずバトル中に起こりうるチームのムードが悪くなりそうな要素を軽く頭に入れておこう。
たとえ君が不利な戦況の中でも冷静になることが出来ていたとしても、ティルト状態に陥ったメンバーが出てしまった場合は早めのメンタルケアが必要になる。
味方のメンタルが不安定になりかねない状況を予想し、そうならないように、あるいはそうなった場合、適切に協力できるムードを作っていこう。

 

1.試合開始後、自分のチームメンバーが一番最初の接敵でキルされてしまった

対戦ゲームなので遭遇戦が発生した時、どちらかにキルorデスが発生するのは当たり前の話であり、そのデスの是非などについては状況やブキ相性、実力差や事故などケースバイケースなので議論することでも何でもない。
それを前提とした上で、自分のチーム側に最初のデスが発生した場合は軽く注意しておこう。

理由はいくつかあり、
「理屈ではそのデスについて議論する意味がないと分かっていても、つい感情で味方のデスについてイライラしてティルトに突入しそうになるイカ」
「開幕から既にティルト状態な味方がいて、無謀に突っ込んであっさり撃破された可能性」
「一番最初に撃破されてしまったことを過剰に気にしてしまい、反ティルト状態になってしまうタコ」
…など、チーム内部に盤面の塗り状況以上に旗色の悪くなる事態が起きてしまっている可能性があるためだ。*7
この時に注目すべきは一番最初にやられた味方だ。そのメンバーがパニックに陥っていないかをチェックしつつ、その味方のファインプレーやアシストには積極的にナイスを押して鼓舞したり連携したい意思を示していこう。
(…もし、あなた自身が最初にデスしてしまったというのなら、デスを反省しつつも、気にし過ぎないようにしていこう。)

2.極端な連続フィード狙いの動きをしているメンバーがいた場合

Feed(フィード)というのはFPS・TPS界隈の用語の一つであり、スプラトゥーンでいうところの「〇〇〇をたおした!」というキルログのことである。ゲームによっては〇〇連続Feedを出現させることが一種のステータスになっていることもある。
連続でこのFeedを出現させると敵をなぎ倒すスタイリッシュな映像が撮れる上に戦況も良好になり、勝利に貢献しているという充実感も視覚的に分かりやすいので、上級者が投稿した連続キル集的な動画を見て憧れるイカタコも多いのである。

その憧れ自体は悪いものでも何でもなく、適切な付き合い方をすれば自分の向上心やモチベーションを保つ上で良好な動機になってくれるだろう。
…が、その憧れが悪い方向に傾き、勝利条件を満たす事ではなくFeedを出現させることだけに固執してしまった場合はティルトの温床に成り下がってしまう。
このタイプはカウントや塗り状況ではなく、キル・デスのリザルトを何より重視するため、デスした場合にティルトに陥る可能性が非常に高い。
「盤面を完全に無視している上に、とにかくひたすら前に出てキルする事しか考えて無さそうだ」というタイプのメンバーがいた場合は可及的速やかにそのメンバーのキル技術を把握しておこう。

 

a.最低限1:1交換は出来るなど、ある程度以上にキルする技術はあるがルール意識がないタイプ
キルする技術はちゃんと持っていそうならば、自分のブキと相談しつつ削りダメージを入れてあげることを意識しよう。
そのメンバーと素早く協力して敵を排除し、それから改めてエリアやヤグラなどを君が管理した方がいいだろう。ルールごとの立ち回りがどうのこうの以前にチームでの足並みが揃わない方がマズいので、こっちがメンバーに足並みをそろえてあげるのが一番だ。
ある程度協力しながらコミュニケーションをとっていけば、相互にフォローしてくれる可能性も上がる。
取引先の社長を接待するような心持ちでアシストしていこう。

 

b.キルする技術が理想に追いついていないタイプ
ボムなどで牽制もせず敵インクの中に無謀に飛び込んで強襲しようとしたり、正面からひたすら突っ込んでは死ぬを繰り返しているメンバーがいるのなら、もう完全にティルト状態、それもかなり重度だと判断しよう。
この時点であなたのチームの勝利条件に「そのメンバーを正気に戻す」が加わってしまう。ある程度劣勢になってしまうが、とりあえず残りのメンバーと協力して、拮抗状態を保ちながらティルト状態を回復させよう。
具体的にはそのメンバーをキルしているorしようとしている敵を優先的に排除するようにしよう。キルカメラで撃破されている所を見せるだけでも、多少は悔しさが薄まるだろう。
こういった味方に対して「カモン!」はあまり効果がなく、ティルト状態を悪化させかねない。この味方がキルを取った時に「ナイス!」で賞賛する方が効果は期待できる。

ティルトとの付き合い方

敵にせよ味方にせよ、一番ティルト状態に陥りやすいのはある程度プレイヤー自身がスプラトゥーン2に慣れてきて、ある程度試合中に自分自身で勝利に貢献できるようになり、かつウデマエゲージのかかった試合を何度も繰り返して上下運動を繰り返している伸び悩みの時期である。
具体的に言ってしまうとガチマッチである程度勝ち進み、自信を付けた時期に最も酷くなる。*8
特にA+~S+0の帯域はウデマエゲージのシステムの都合で昇格・降格が絡んだ試合が頻繁に起こるため、ティルト状態予備軍のようなピリピリした状態のイカと頻繁に遭遇することになる。そのため、どんなにウデマエの高いイカでも時々無茶をする者も出てくる。
そういった味方や敵と遭遇した時には、せめて自分だけはそういった感情の大きなうねりに飲み込まれないように心を強く持つことが必要になるだろう。もし放置イカや煽りイカに遭遇した際は、試合の最中、試合後では腹が立つにしても、彼らは上にあがれずに悩んでいるだけ、ということを理解し、多少は大目に見てあげてほしい。
(放置に関しては完全完璧に迷惑行為なので試合後にブロック&通報するなりしておこう)
ゲームは楽しむものである。ウデマエを気にしすぎてそれを忘れてしまわないようにしたい。

 

そして、ティルト状態・反ティルト状態共に、発症の根底にあるのは「自分が集まった八人の中で常に一番強い」あるいは「自分は特別なプレイヤーなのだ」という思い上がりである。
連勝して得た自信が、いつの間にか「慢心」へと変化しているのだ。そして、慢心した状態でA帯やS帯のような上級者だらけのガチマッチに臨んで連敗した結果、精神に大ダメージを負うのが反ティルト状態だ。

まずは深呼吸して肩の力を抜こう。そして「この試合になぜ負けたのか?」を徹底的に分析しよう。30秒録画機能を使っても良いし、スマートフォンの録画機能でもいい。
とにかく敗因が分かっていないのならば負ける一方なので、どうにか自分を客観視できる状況を作ってみよう。自分の弱さと向き合い、何が敗因だったのかを分析すれば勝利やウデマエの向上にに繋がり、イカしたプレイヤーに一歩近づけるぞ。

最後に、よく連勝していて調子がいい、なおかつキルレの高い試合が多かった際、よく一人で敵陣へ突っ込む(そしてそのままボコボコにされる)イカタコを見かけるが、決して「俺は最強だからこうしても大丈夫!」などと思わないように。思い出してみよう。今ある高いウデマエ、優秀なキルレ、連勝した功績も、キミの活躍もあったからだろう。それを否定する訳ではないが、ただそれだけでは無いはず。味方のサポート、協力プレイもあってこそ今の強さが発揮できていたはずだ。

用語集の「キル厨」の項目にもあるが、自分一人が無双しているように見えても、実は味方の地味な連携が活きているのだ。それをいつも忘れないようにしよう。
負けた経験を次の試合への糧とする事、そしてお互いの強さを認め合うことが、真のイカしたプレイヤーだ。
ゲームは気楽に、真剣に楽しむようにしたい。

ウデマエXなベテランプレイヤーも、大会に出場しているトッププレイヤーも、みんな連敗や挫折、ウデマエゲージのヒビ割れという苦難を味わい苦しんできたのだ。

敗北との向き合い方と付き合い方

負け試合の振り返りっていわれてもどうしたらいいかわかんないし、気分が落ち込む…というイカ諸兄がいたら、次に挙げることを気を付けてみよう。

 

「今日の敗因ニャんだろう? ハイ!
反省会はじめーっ!
ざっと振り返ってみましょ 今日の戦いを
あそこでああすりゃよかったニャ…ハイ!
反省会おわりーっ!
くよくよタイムなんて 5秒でじゅうぶん
そんなことより 明日のための ごはんです!」

 

これは2001年のとあるアニメソング*9の歌詞の一部であり、
内容としては「強大な敵に何度も挑むけど、そのたびにボッコボコのボコにされている悪役の3人組がそれでも前向きに頑張る」というものである。
この歌詞は解説にとても便利なので一部ずつ引用して紹介していく。


1.ざっと振り返ってみましょ
何度も触れるが、戦いの中で自分が一体どういう動きをしていたか、どこが伸びしろになるのかをハッキリさせるのが敗北から得られる経験値ポイントとなる。
一切振り返らなかった場合は操作技術等の自分の良い所については上がるかもしれないが、自分の改善した方がいい立ち回りなどについては殆ど成長しないままになってしまう。
ナワバリバトルなら3分間、ガチマッチなら各オブジェクト次第ではあるが5分間。これら全てを振り返れるなら勿論それが一番なのだが、全部について反省するのはなかなか骨が折れる。
なので、「ざっと振り返る」のが大事なのだ。
まずは「自分がデスする10秒前の行動と、周囲の敵と味方はその時どうしていたか」や「カウントリードされた時の状況」、「たまったスペシャルを自分がどう使ったか、それで得られたのはどういう結果だったか」…といった具合に、試合中の出来事から一部だけピックアップして考察してみよう。
考察する中で、「何で自分はこんな行動をしたんだ…?」or「なんで今の気が付かなかったんだ…?」という疑問を持つことをしていたら、そこがあなたの伸びしろだ。冷静なあなたなら気が付けたことが、試合中には考慮出来ていなかったということなのだ。
録画して映像に残すのが一番であるが、それが出来ないなら誰かに一緒に見てもらいながらアドバイスを貰うのも手だろう。


2.あそこでああすりゃよかった
先にいっておくと、これが一番大事なポイントである。
ざっと振り返った中から敗北試合の運命の分岐点となっている所を探し出して、自分がどうしていたら勝てていたか、あるいはどうやったらチャンスを掴めていたかをじっくり考えて、自分なりの答えを出す。
次にその答えが今の自分に実現可能かどうかを検討してみて、「可能」or「技量を身につけたりブキを変更すれば可能」のどちらかであればそれを次回から気を付ければいい。現実的ではなかったり、少し無理そうならもう一度答えを探すところから始めてみよう。

ここで注意が必要なのは、「自分があそこでああすりゃよかった」の考察だということ。味方の行動はあなたが複数人分同時に操作でもしていない限り、あなたの思い通りに動いてくれるとは限らない。「味方があそこでああすればよかった」というのは考察した所で何の反省材料にも成長要素にもなりはしない。
「この時自分が〇〇をしていたなら、味方がデスしないで済んだから状況が変わったかも?」など、自分が動くことによって未来を変えることが出来たかもしれないポイントに絞って考察していこう。


3.くよくよタイムなんて 5秒でじゅうぶん
考察する際には「自分が〇〇したせいで負けた」というような考え方を出来るだけ避けるようにしてみよう。
何故ならそういったネガティブな考察からは何も得られないからだ。
「負けた原因がわかった。なら具体的にどうすればいいのか?」というところまで考えるのが考察であり、敗因で止まってしまうのではただの自虐で終わってしまう。
もう負けてしまった事実は消せないし、敗北を引きずってくよくよした所で強くなれるわけではない。それなら晩御飯のメニューを考える方がまだ建設的である。
「あそこで××したせいで…」というマイナス思考を、「あそこで〇〇すればよい」というプラス思考に持っていくように気を付けてみよう。

とはいえ、負けて悔しいのは当然のことである。そのマイナス感情そのものを否定すると、逆に自分のココロに強く負担がかかってしまい、それが溢れ出した時にティルト状態になってしまう。
負けた後は少しだけくよくよタイムを設けておくとよい。そのくよくよタイム中にマイナス感情を口に出して思いっきり吐き出したり、枕をサンドバックにしたり、誰かに甘えてみたりなど、スッキリすることをしてみよう。
最初は1分ほど時間を取っておき、感情の制御が上手くいくようになってきたら段々と短くしていってみよう。目指せ5秒。


これら3点に気を付けつつ、自分の負け試合を成長の糧にしていってみよう。
大事なのは負けた時に意味を求めてはいけないこと負けた時に求めるのは理由、というか具体的な改善策なのだ。
例えば、負けた時に「あそこでボム投げなければローラー対面でインク切れにならなかったかな?あの場面でもうちょっと引き付ければチャージャー逃がさなかったかな?」という、敗北に関わった理由を探すのは貴方の上達に大いに貢献してくれるだろう。
こういったときに「相手のローラーチャージャーも上手かったな…でも相手が上手かったからこの試合は負けても仕方ない試合だったんだ。」というように、勝手にその試合を「負けて当然の試合」として意味付けして終わってしまうと非常にもったいない経験値の喪失となっていく。

その他のティルト状態

スプラトゥーンのメンタル指南としてはあまり関係がない&話の軸がブレるのでメインとして記述はしていないが、実はポーカーにおけるティルト状態は全部で4つある。

上記で紹介した「ティルト」「反ティルト」の2つに比べ、以下の2つは色々な意味でタチが悪いが、頻繁に遭遇する訳ではない(…と思いたい)ので話半分に覚えておく程度で良いだろう、一応余談として記述しておく。(文章として記事内にまとめられる方がいたらお願いします)
なお、この二つに共通するのは「自分の力だけが勝敗に直結している」という思い込みである。

第3のティルト「常勝型」

「常勝型」と呼ばれるティルト。
これも「プレイヤーが合理的な判断ができなくなり、感情にかられた行動をとるようになってしまった状態」である。
これは無敗・大勝などを一気に経験したことで万能感を感じすぎてしまい、「今日の俺はツイてる!自分こそ最強!俺が正しい!今の私ならどんな無茶でもドンとこい!!」という思考パターンに固定されてしまった状態である。要するに「勝ちすぎて調子に乗りすぎた」状態である。

この状態のプレイヤーは自分が負けることをそもそも想定していないので、どんな手札だろうと勝負から降りたりせず、それどころか嬉々として掛け金を吊り上げるような真似をするようになる。
スプラトゥーン的にいうと突然ガチマッチでブキ縛りやギア縛りをしたり、リッターやエクスプロッシャーデュアルスイーパーなどに積極的に近接戦を挑むような真似をやったり、あまりにも強引でハイリスクな攻め方を好んで選ぶような状態である。

 

第一のティルト(この項目で主に取り上げているティルト)とよく似ているがあちらは「心が敗北の経験を処理できなかったこと」による暴走であり、こちらは「成功体験による快楽が気持ち良すぎて」暴走しているという違いがある。ドーパミンがドクドク出ている状態。
成功体験を積むこと自体はたいへん喜ばしいことなのだが、短射程で遠くにいるスピナー等に正面から突っ込む行為が偶然うまくいったり、ホコ放置を盗んで大量リード等の敵のうっかりミスで大幅貢献できた時など、超ハイリスクな行動で超ハイリターンが得られた時は、試合後で良いので脳内反省会を開こう。
「結果的に上手く行ったからオッケー」で済ませて終わるのはちょっと危ない。その行動がクセになるのはもっと危険

(この傾向が一番わかりやすいのがボールドマーカー。本来であれば相当に習熟した技術と戦局眼を必要とするコレを使って、常に裏抜け狙いだったり敵前衛への無茶苦茶な突撃をするユーザーが多いのは「初心者同士の戦いならそれで勝てていた」という成功体験が染み付いてしまっているためである。そこからきちんとボールドの技術を身に付けるか、敗北をボールドのせいにするか、勝つまでその立ち回りを続けるかはその人次第。)

しかもタチが悪いことに、この状態は一回二回負けた程度では回復しない。
そばにいる誰かに強制的に止めてもらうか、とんでもなく派手に負けるか、取り返しのつかないところまで損失が起きなければ「今は負けてるけど、最終的には絶対勝てる」という万能感の妄想に囚われ続けるのである。(別名:カジノの養分)
これの何がマズいかというと、同じ試合に参加している他の3人では症状が緩和できないのである。最高にハイって奴になってしまっているため、ナイスを押そうがカモンを押そうがどんなに危険な状態だろうが、それら全てを自分の都合のいいように解釈してしまい、暴走が止められないのである。こうなるとこのプレイヤーの行動が上手くいった隙にどうにか他3人が合わせて短期決戦にする他なく、立ち回りがとても窮屈になる。

なお、対策方法は単純。いつも謙虚でいること、対戦相手へのリスペクトを忘れないことだ。
あなたの分身であるヒーロー4号や8号はヒーローモードなどの主人公であるが、ナワバリバトルガチマッチの主人公ではない。いつもいつでも上手くいくなんて、そんな特別なプレイヤーは心の中の妄想にしか存在しないのだ。
???「そりゃそうじゃ」

第4のティルト「絶望型」

こちらは通称「絶望型」あるいは「常敗型」と呼ばれる。第三のティルトと鏡合わせのティルト。
おそらく全ティルトで一番タチが悪く悲しいもの。

これも「プレイヤーが合理的な判断ができなくなり、感情にかられた行動をとるようになってしまった状態」である。
負けに負けが続いてしまったり、凄まじいほどの大敗北を経験したり、積み上げた貯金が開始時点よりも大幅に減ってしまったりしたせいで、自信を失うというレベルを通り越して「何をやったって自分は勝てないんだ」という絶望感に囚われてしまった状態である。

どれだけ有利な手札だろうと、「また負ける」という強迫観念や被害妄想に囚われてしまい勝負から降りたり、常に最悪の事態「だけ」が起こると考えてしまい、端から見れば自分から負けるような行動を取るようになってしまう。

そこまではいいのだが、それでいてプライドだけはしっかり残っている状態なので勝負をしないという選択肢はなく、誰かに止めてもらわない限り破滅するまで延々と美味しくカモにされてしまう。こちらもカジノの養分である。
スプラトゥーン的に言うと開幕から放置していたり、何度もキルされるとリザルトを見る前に回線を切断したり、ずっとビチビチと慣れ合い行為をすることで負けることの言い訳を作ろうとする状況が近いか。

 

第二のティルト(反ティルト)に似ているがそれよりもタチが悪く、こちらは最初から勝つ気がない。「自分のせいで負ける」ことを恐れるのではなく、「自分の実力が他人に分からない様に負けることで弱い自分を隠す」ような状態だ。

また、この状態のプレイヤーは一般的に「強い」とされているブキというのを毛嫌いし、絶対に自分で使おうとはしなくなる。もしそのブキを使って負けてしまったとき、自分の実力への言い訳が一切できなくなるからだ。
ようするに、「自分が本気出したら勝てるんだけど、あえてふざけてるだけなんだよ」という言い訳で自分のココロを守ろうとしているわけである。

この絶望型への対策方法は単純。一旦スプラトゥーンと距離を置くこと。
一時的に距離を置くことで冷静になったり絶望から復帰できる可能性が見込める。「スプラトゥーンをやめろ」というわけではない。

勝てなくなっている原因が何かしらココロの中に出てきてしまっており、それが解決しない限りはどれだけ挑んでも勝つことはかなわない。どうしても続けたいのであれば、まずは自分の弱さの根底と向き合う必要が出てくる。
「自分は弱いです」と軽く言うことは誰でも出来ることなのだが、弱さと本気で向き合うというのは簡単なことではない。
「自分はどのように負けることが多いのか、どういった状況で満足に動けないのか、試合中に気が付けないことはどの程度あるのか、持っているブキと自分の立ち回りはどこがどのように合わないのか、自分は何故ルールに向き合おうとしないのか」
…といった具合に、一つ一つ自分が勝つ気になれていない理由を自分に説明する必要が出てくる。

絶望型のティルトになるプレイヤーはプライドが高い傾向があるため、自分の弱さに目を背けずに直視することは非常に険しく大変。
しかしそれでも、勝てない理由を一つ一つ分析して、少しでも敗北の原因を取り除いていくしか道はないのである。

だが、そこを乗り越えられれば、確実にあなたは大きく成長しているだろう。
負けたことがあるという事が、いつか大きな財産になる。負けることは恥ずかしいことではないのだ。

終わりに

「色々書いてあったけど、ティルトって結局どうしたらいいの?」という疑問があるかもしれないので、一番大事な事を覚えていてほしい。

 

「ティルト状態にならない」というのは不可能であるが
「今自分はティルトになっている」と試合中に自覚する事は可能である。

 

あれだけ記述はしたが、実は上記のティルト診断で一つも当てはまらなかったプレイヤーのほうが極稀なのだ。
人間だれしも多少はイラつきや怒り、妬みや慢心などを抱えているものである。それを減らすことは出来ても、完全になくすことなどできない。
ガチマッチでゲージのひび割れが三つになった時、OKラインを越えるための試合に臨む時、昇格が見えた時など、賭けるモノが大きければ大きいほど感情が思考に介入するのは自明の理なのである。

 

それでもなおティルトを乗り越えて勝ち進んでいけるプレイヤーは2パターンに分かれる。そもそもティルトになりにくいほどにメンタルがとんでもなく強いか、人並みにティルトになってしまっても素早く冷静になりメンタルを回復させていくことが出来るかだ。
もしもあなたがティルトになりやすい人間であるのなら、目指すべきは後者のパターンだ。そのためには「正確な自己評価」をしよう。

「自分の実力ってどの程度?漠然としたウデマエ〇〇帯って言葉ではなく、自分はどんな行動をするスタイルが得意で、どのブキにやられる事が多くて、どの場所にいるときに一番やられて、どういう試合なら勝てていて、焦ってる自分はどんな動きをする事が多い?」
…これらを自分の言葉で自分に説明してみよう。冷静な自分とティルトの自分の違いを自覚するようになることが第一歩だ。

 

自分のココロと向き合って、自分のプレイスタイルを研究して、もしティルトになったらどうするかという対策を考えておく。
ブキやギア、カメラの感度調整などだけではなく、こういったことも試合前の準備に含まれるのだ。
そして、昇格・降格がかかっている時に「今の自分のメンタル状況ではティルト状態になってしまうかもしれない」と判断したならガチマッチにはいかないことも大事。
負けそうな手札を抱えた状態で勝負から降りないギャンブラーはまだまだ三流である。
自分のウデマエを賭ける大一番に臨むのであれば、手札(もといメンタル)をキチンと整えた状態で挑むべきだ。
そうすれば、一流のギャンブラー、いやプレイヤーになれること間違いなし。
迷えるあなたが救われ、イカしたプレイヤーになれることを祈っています。

余談

ティルトの語源

「ティルト状態」の語源にもなった「tilt」とは、本来は「傾き」を意味する英単語。
それが何故このような使われ方になったかというと、実はポーカーとは全く関係のない「ピンボール」が関係している。
ピンボールにはピンボール台そのものをガタガタと揺らすことで傾きを変化させボールを別の場所に動かそうとする反則行為があり、これをティルト行為と呼んでいる。
コレを行う事で無理矢理高得点を狙うことも出来るが、当然ながら台自体が破損する迷惑行為である。
かつてはこれを行ったらフリッパーが動作不能になり、敗北が確定するシステムが搭載されていることが多かった*10

その行為が「自分本位で周りのことを省みない挑戦者」が台に八つ当たりをしているかのように映り、次第にポーカーの場で「てめえは自分の感情の抑制もできないバカ」と対戦相手を煽るために「ティルト野郎」というスラングが産まれていった…というのがティルト状態の語源ではないかという説がある(諸説あり)。

ティルト状態と取り返しのつかない事態

ティルト状態は一旦波が来た時、復讐完遂や勝利、気分転換など何らかの形でそのストレスを解消することで一度鳴りを潜める性質がある。
だが一切ティルトが改善しないまま鬱屈した状態が超長期間に渡って続いており、かつ何らかのきっかけでそのストレスが限界に達してしまった時暴力的な手段、罵倒などの普段はありえないような暴虐性が現れ、爆発する危険性が極めて高い。
古来よりゲームセンターでの筐体型アーケードゲームでの罵り合いや、オフラインでの家庭用パーティゲームやカードゲームでのリアルファイト、すごろくや人生ゲームでの兄弟ゲンカなど、過去よりティルトによって狂ってしまうこともしばしば起こりうる。

 

それだけならまだいいのだが、FPS・TPSゲームの場合シャレにならない事態を招くことがある。
冒頭で解説した通り、これらは「元々銃撃で相手の息の根を止め合うということを主目的にすることの多いジャンル」であり、「各個人の感覚と経験、そしてゲームのセンスと操作技術をぶつけ合うゲーム」でもあり、「直感的に操作して没入感を与えた上で勝敗を明確にするため煽り煽られが横行しやすい」ゲームである。
しかも、相手に対し匿名で戦えるオンラインゲームでもあるので匿名だからこそ出来る悪意の応酬も起きやすかったり、相手の顔が見えないのでやり過ぎているかの判断などが難しかったり…など、ネガティブな感情のうねりが起こりやすく悪質化しやすい土壌が出来上がってしまっている。
これらにより最悪の場合、ティルト状態が殺意に変化してしまうというケースも存在するのだ。


実際「コールオブデューティ」というFPSシリーズでは、2020年8月18日、ボコボコにされた上に煽られたという理由で、煽ってきたプレイヤーの住所を調べ上げ、車で長距離を移動したのちに放火&殺害したという痛ましい事件も起きている。
https://www.nzherald.co.nz/world/news/article.cfm?c_id=2&objectid=12358723)本文
http://yurukuyaru.com/archives/83729240.html)日本語訳したブログ


これを「あくまで海外だから」という対岸の火事で済ませるのは危険きわまりない。自分の住む場所であってもそうならない確証はないのだ。
勿論FPS・TPSゲームが悪いという訳では決してない。ただ、万が一があってからでは遅いので、ティルト状態になったときに平常状態に戻る方法はしっかりと確立しておこう。
そして、画面の向こうの人がどのような人か分からないということをちゃんと把握しておこう。ビチビチふざけるのは仲間内だけにしたほうがいい。

コメント

※編集内容を議論するためのコメント欄です。愚痴などの本ページと関連しないコメントはお止めください。

  • ↑汚かろうと、このページを作成してくれたその行動力のおかげで救われている人だって大勢いるんだぜ、ホントありがとな -- 2022-07-08 (金) 21:55:05
  • すごく良い記事。スプラトゥーンだけでなく、あらゆるゲームに通じると思った。 -- 2022-07-16 (土) 07:41:40
  • ガチマでストレス溜めすぎてまじめにやるだけ無駄だと悟った。このページのおかげでそれに気づけたし、今後はスペシャル回すことに命を賭ける事にする。勝っても負けても自分さえ楽しけりゃそれでいいや -- 2022-08-06 (土) 12:46:14
  • ↑戦況一切見ずひたすらワンパターン戦法って普通に考えたらすぐ飽きそうなもんだけど、飽きないのはスプラトゥーンの凄いところよな。ホント、素材は良いのになあ・・・ -- 2022-08-08 (月) 22:43:18
  • ↑↑向上心を忘れるどころか利敵行為しか考えてない屑は二度と来ないでね、こっちも関わらないようにするから -- 2022-08-10 (水) 00:41:44
  • ↑↑↑みたいな弱い癖に上達する気のない奴が味方の足を引っ張ったり馴れ合いや放置に走るんだよな、嫌だねぇ -- 2022-08-10 (水) 13:01:03
  • ↑↑↑↑スペシャル特化の立ち回りも極めるつもりがあるのなら十分な戦力になるよ。だけど、このページは決して「真面目にやるなんて馬鹿馬鹿しいから自分勝手にやれ」なんて情報は一切書いてない。どうやって心を整理して真面目に戦うかを書いてあるページなんだ。君がその結論に至ったことは責めるつもりはないが、それをこのページのせいにはしないでくれ。 -- 2022-08-10 (水) 16:29:18
  • 海外のCoDの殺人事件の話載ってるけど、日本でもTPSでの口論が発展して傷害事件起きてるんよね。(ガンオン リアルD格事件) こっちのは殺意こそなかった(らしい)ものの、記事の通り日本でもこういう事あってもおかしくない。怖い話だけどね。 -- 2022-08-10 (水) 19:02:25
  • 自陣が崩壊していて常に敵が飛んできてる状態なのに敵リス付近で謎潜伏してるローラーに味方撃ちされて心が折れそうになった そいつ含めて0キルが二人 どうすればよかったんだよ -- 2022-08-12 (金) 01:17:08
  • 発売から何年も経ってるから当然なんだろうけど動画も掲示板もSNSも全部Xランク前提の会話しかしてないから自分と比べて感覚狂うんだよな。本当に1%しかいないのかよX帯って -- 2022-08-20 (土) 07:07:08

*1 実際にその対戦相手を倒せた原因が本人の技術なのかただの偶然なのか、あるいは他の仲間の奮闘のおこぼれなのかはさておく。
*2 例えば敵から集中砲火を受けるリスクを無視してホコを奪う事しか考えない、自軍ゴールが開けられているのに敵ゴール前にガチアサリを持って待機するなど
*3 現在はある程度落ち着いているが、発売当初のスプラシューターヒッセンなどもこういった扱いを受けていた。
*4 記事初期案の筆者の造語であり、正式にそういう単語があるわけではないです。これを引用する場合はそこには注意してください。
*5 支援といっても色々あり、カバーキルだけでなくサブ投擲での足止めだったり継続射撃での時間稼ぎだったり、敵陣で攪乱するための裏取りだったりと様々。ここでいう「逃走」とは、その行動に自分が失敗することで「自分の弱さが露呈すること」を恐れるがゆえに、試合の勝敗よりも高塗りポイントやノーデスなどの「負けたとしても自分のせいではない、と自己弁護するための理由を作る」ようにするための行動を優先して行うことを指す。
*6 やけになってプレイが雑になるのとは全くの別物。
*7 勿論、あなた自身のメンタル状況も含む。開幕の味方デスでも冷静になろう。
*8 ナワバリバトルだけやっているユーザーでも、ブキがある程度出揃ってきて、お気に入りのブキが出来て、自分の思い通りの動きが出来るようになってくると少しずつこの傾向が出てくるようになる。
*9 参考資料:前向きロケット団!→https://www.nicovideo.jp/watch/sm12039905
*10 昔Windowsに搭載されていた3Dピンボールというゲームで、台を揺らしちゃった結果ビープ音と共にTILT!!になってしまった方もいるかも