G・ロードランナー(オオミチバシリ)

Last-modified: 2024-01-30 (火) 21:07:14
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名称:オオミチバシリ(大道走)、Greater Roadrunner
学名:Geococcyx californianus
保全状況評価:LC 低危険種 (IUCN,01 October 2016)

 
鳥綱
カッコウ目
カッコウ科
ミチバシリ属
 

オオミチバシリはアメリカ大陸中央~南西部の砂漠、平原、森林地帯などに生息しているカッコウ科の鳥[2]。
黒くボサボサと逆立った冠羽と、目の後ろに肌が露出して見えている青白い部分が特徴的で[4]、クチバシは長く暗色、尾羽は長く、頭部と背面も暗色である[3]。
細長い尾は地上で走る際にバランスを取る為に役立っている[4]。
頸の前方部分と腹部は青色で、オスのほうがメスよりも大きく、雌雄の羽色は似ている[3]。

 

現地ではオオミチバシリとコミチバシリの2種を合わせてロードランナーと呼ぶ[2]。

 
  • 生態

がっちりした足で地を蹴り、長い尾羽で走行中のバランスを取る[2]。
空を飛ぶこともできるが、渡りは行わず飛行範囲はそれほど広くない[2]。
空を飛べる鳥の中では世界最速の足を持っており[2]、時速36kmのスピードで素早く走る事ができる[4]。
その俊足を生かし、地上で獲物を走って追いかけ狩りをする[2]。

 

昼行性で、夜間はあまり動かず体温を下げてエネルギーを節約する[3]。
日が登ると背中にある黒色の部分に太陽の光を当てて体を温める[3]。

 
  • 生息地

オオミチバシリは草原や背の低い木の多い低木地、半砂漠、農耕地などに生息している[4]。

 
  • 繁殖

卵生で繁殖期を迎えるとサボテンまたは棘のある木などの地上数mの高所に営巣する[4]。
形はカップ型、内側には様々な材料で内貼りがなされる[4]。
一度に3~6個の卵を産卵し、3週間ほど抱卵した後に孵化する[2]。
孵化した雛の羽毛が生えそろうにはおよそ18日間かかる[3]。
また、オオミチバシリはカッコウの仲間だが、托卵は行わずに自分たちでヒナを育て、なわばりもペアで守る[4]。

 
  • 食性

オオミチバシリは肉食寄りの雑食で、昆虫、爬虫類、ネズミ、小鳥の卵、サソリ、果実、はては猛毒を持つガラガラヘビなども食べる[2]。
ガラガラヘビを狩る時は頭をクチバシで咥えて地面に叩きつけて無力化した後にゆっくりと食べる[2]。

 

・ガラガラヘビ捕食の様子。頭部を数度地面に叩きつけて殺す。

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・餌を咥えて道路を動き回る様子。

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  • 鳴き声

 

・鳴き声1。少しうつむき、鳩のように「ホゥー、ホゥー」と鳴く。

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・鳴き声2。遠方に向け「クォクォクォ」と連続して鳴く様子。

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・鳴き声3。「ギリリリ」とギロに似た音を嘴から発している。

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  • 伝承

 

ネイティブアメリカンのホピ族やプエブロ族は、ロードランナーを薬鳥、そして悪霊から身を守ることができる鳥であると信じていた[5]。
ロードランナーの珍しいX字型の足跡は、多くのプエブロ部族の神聖なシンボルとして使われている[5]。
また、ロードランナーの羽は、新生児のための精神的な保護としてゆりかごの飾りとして使われていた[5]。

 

一部のメキシコの部族では、鳥は神聖であるとみなされ決して殺されなかったが、ほとんどのメキシコのインディアンは万病の薬、そして滋養強壮のための民間療法としてロードランナーの肉を使っていた[5]。

 
  • 出典

[1]オオミチバシリの保全遺伝学研究 https://www.hulinks.co.jp/software/chem/aligner/section04/showcase_02
[2]オオミチバシリ|走って飛べる鳥 https://amaru.me/animal/geococcyx-californianus/
[3]鳥類動画図鑑 | オオミチバシリ http://chouruidouga.web.fc2.com/oomichibashiri.html
[4]鳥の図鑑 | オオミチバシリhttps://www.torinozukan.net/oomichibashiri.php
[5]Wikipedia(en) | Roadrunner https://en.wikipedia.org/wiki/Roadrunner