ブチハイエナ

Last-modified: 2019-05-15 (水) 22:50:48
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名称:ブチハイエナ(斑鬣犬)、Spotted Hyena
学名:Crocuta crocuta
保全状況評価:LC 低危険種 (IUCN, 01 October 2016)

 
哺乳綱
ネコ目
ハイエナ科
ブチハイエナ属
 

ブチハイエナは体の大部分に黒い斑点のある、黄色味がかった砂色の被毛をしており、黒い斑点は年齢とともに薄くなる傾向があります。また、メスの方が大きくなり、オスよりも約6.6kgほど大きくなります[1]。
全哺乳類で最も強い顎を持つとされており、キリンやゾウの骨も砕くことができます。[2]
外見から性別が判別しずらい容姿をしていますが、これにはメス同士の争いを避ける効果があるとも考えられています[1]。

 
  • 生態

食性はスカベンジャーではなく、カラハリ砂漠での研究では70%を自ら狩りで手に入れているという結果が出ています。通常は2~5頭ほどのグループで狩りをしていますが、シマウマの場合はより大勢で狩りをします[1]。
また持久力に富み、エランドを24km追跡した例もあるほか、獲物となる動物の移動に合わせて平均で往復80kmを旅します。この旅は年間40~50回にもなり、授乳中のメスの例でも年間合計2800km~3600km移動します[1]。

クランと呼ばれる集まりを作って生活していますが、クランは狩りの時、なわばりを守る時、共有する巣でのみ見られます。最大で130頭になったクランもあります[1][2]。
女性上位の社会を形成しており、お互いに足を上げてにおいを嗅ぎあう挨拶を行いますが、通常メスはオスに対してこの形での挨拶をせず、するとしても最高位のオスに対してだけです[1]。
群れでの順位は親から子に引き継がれ、姉妹間の繋がりも強いため安定しています[2]。そのため、順位は体格や体調、怪我などに左右されません[3]。足が不自由でもリーダーを務めた例もあります[7]。しかし、状況次第では転覆されることもあります[2]。
オスでも社会関係が重視され、他の群れに加わったオスは体格などにかかわらず、最下位となります。ですが、ごく稀に生まれた群れのリーダーに長男しかいなかった場合、オスが群れを率いることもあります[2]。

たいへん頭が良く、上記の社会性に加え、数を数え、創造的に問題を解決する能力を持ち、一部の霊長類に匹敵するとも言われています[4]。
そのため、知性の進化の研究でも重要視されています[5]。
あるブチハイエナは珍しい三つ子を育てた時、乳首は2つしかないものの、子供をそれぞれ別の巣穴にいさせることで、あげ忘れを防止しました[6]。

 
 
  • 出典

[1]https://animaldiversity.org/accounts/Crocuta_crocuta/より
[2]https://hyena-project.com/hyenas/ より
[3]https://www.scientificamerican.com/podcast/episode/hyena-society-stability-has-last-laugh/ より
[4] https://www.telegraph.co.uk/news/earth/wildlife/9530134/Hyenas-are-as-bright-as-primates-research-shows.html より
[5]https://bioone.org/journals/journal-of-mammalogy/volume-88/issue-3/06-MAMM-S-361R1.1/The-Spotted-Hyena-span-classgenus-speciesCrocuta-crocuta-span-as-a/10.1644/06-MAMM-S-361R1.1.short より
[6]https://hyena-project.com/the-clans/ngoitokitok-the-chubbies/ より
[7]https://hyena-project.com/the-clans/munge-the-revolutionists/ より