シジュウカラ

Last-modified: 2019-05-22 (水) 22:20:41
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名称:シジュウカラ(四十雀)、Great Tit
学名:Parus major
保全状況評価:LC 低危険種 (IUCN,01 October 2016)

 
鳥綱
スズメ目
シジュウカラ科
シジュウカラ属
 

生息地はヨーロッパから、北アフリカ、中東、イラン、マレー半島、ジャワ島、小スンダ列島、東は中国、日本[1]。
留鳥であり、極端に過酷な冬を除き移動はしない[2]。
黒い頭と首、はっきりとした白い頬、オリーブ色の背部と黄色の腹部を持つ鳥で、多数の亜種が知られている[2]。
食欲旺盛となる冬季には、小さなコウモリを含むより広い範囲の餌を消費する[2]。

 
  • 繁殖

営巣場所は木や壁、岩の穴の中や、ほかの鳥の巣内や、リスの古巣などである[1]。
卵は、純白の地に赤褐色の多様なしみや斑の模様があり(無地のものもある)、大きさは14~20×11~14mm[1]。
一腹卵数は5~11(まれに12~18) で、抱卵はメスが行い、期間は12~16日[1]。
巣はペアでつくり、内部に獣毛ややわらかな綿羽をたくさん敷き、親鳥が巣を離れるときにはそれで卵をおおう[1]。

 
  • 名称[3]

平安時代には「シジウカラメ」と呼ばれ、室町時代から「シジウカラ」と略された。
「シジウ」は地鳴き、「カラ」は鳥類(下記に詳細)、「ラ」群れ、もしくは鳥の意。

 

カラのカとは侃(カン)のことであって、一音節読みで侃の字はカンと読み「仲がよい、親しくする」の意味であり、ラとは圝(ラン)のことであって「集まる」という意[4]。

 
  • 渡り鳥との抗争[5]

地球温暖化の影響で渡り鳥のマダラヒタキと鉢合わせる機会が増えており、2019年より過去10年分の繁殖データを分析した結果、シジュウカラの巣で殺されるマダラヒタキの個体数が増加したことが発見された。
シジュウカラはマダラヒタキの頭を突いてとどめを刺した後、その脳を食べた形跡があった。

 

シジュウカラは1年中ほぼ同じ地域にとどまる留鳥で、繁殖期は短く、通常は3~4月頃に産卵が始まる。
一方のマダラヒタキは渡り鳥で、西アフリカで越冬後、オランダに渡って春の繁殖期を過ごす。

 

繁殖期が重なれば、餌や巣穴の奪い合いになる。小柄で動きの速いマダラヒタキはシジュウカラの巣を奪い取ろうとする。
マダラヒタキは、巣作りに励むシジュウカラの周りを飛び回って追い払うことはできるが巣に入ろうとすれば、体が大きく強いシジュウカラに殺され、脳を食べられてしまう。

 

脳を食べる行動が発見されたのは2007年のことで、研究者曰く「われわれが設置した巣箱を開けるとマダラヒタキが死んでいた。持ち帰って解剖・検査したら、後頭部の骨が砕かれ、脳が食べられていた。(中略)シジュウカラが脳を食べるのは、それが敵を殺す一番簡単な方法で、栄養補給にもなるからかもしれない」。

 
  • 鳴き声[2]

他のカラ科と同じく"歌鳥"であり、40種の鳴き声を有する。
鳴き声はオスメスにほとんど差はないが、オスの方がはるかに鳴き、メスはめったに鳴かない。
「チッ」「ピッ」「スピッ」などの柔らかい単音は呼びかけ、また"金切り声"は警報または領土紛争において使用され、最も知られているものの一つ「ティーチャー、ティーチャー("teacher, teacher")」はしばしばテリトリーの所有権を宣言するのに使用される。

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  • 出典

[1]山岸哲監修、世界「鳥の卵」図鑑、2006年、P205
[2]wikipedia(en) https://en.wikipedia.org/wiki/Great_tit
[3]ライフ・イン京都植物図鑑 https://blogs.yahoo.co.jp/lifezukan/12064574.html
[4]江副水城著、鳥名源、2010年
[5]Climate Change Has Sparked a War Among Birds https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/01/post-11530_2.php