レベル100と101の間にある分厚い“才能”と“経験値”の壁を超えた規格外の<UBM>の内、管理AIが制御できるもので、<UBM>のランクでは最上級に位置する。
もともと、レベルが101を超えるような<UBM>は、管理AIでも制御できない場合がほとんどで、制御できるものはとても数が少なく貴重なため、管理AIが<Infinite Dendrogram>開始前から回収して少しずつ集め、<Infinite Dendrogram>開始後に“災害”として放っている。
<SUBM>に至るには、以下の3つのパターンがある。
①元々<SUBM>になれる才能があってリソースを貯めたパターン
②元々は<SUBM>になれる才能はなかったが神話級<UBM>時代に<イレギュラー>を討伐し、才能の上限が上昇し、リソースも貯まったパターン
③何らかのバグがおこってリソース量が<SUBM>に至ったパターン
いずれも単騎で世界を滅ぼしうるほど強大な怪物であり、討伐には前提として<超級>が複数人必要とされる。
<UBM>の中でも特別扱いであり、『その<SUBM>が持つエネルギー量』と『討伐戦で飛び抜けて貢献度が高い人の人数』でMVPの人数が決まり、各々に超級武具を配られる。
神話級<UBM>を超える存在として、ティアンの歴史の中に喧伝されながら、ドライフ皇国に登場するまで、実物を見た者はいなかった。
投下済み地は、ドライフ皇国・グランバロア・アルター王国・黄河帝国・天地である。
【一騎当千 グレイテスト・ワン】
種族:エレメンタル
主な能力:全身超級金属,魔法攻撃完全耐性,熱量変化完全耐性,分子振動熱線砲,超振動攻撃,無重力飛行
最終到達レベル:???
討伐MVP:【獣王】ベヘモット
【冥王】ベネトナシュ
MVP特典:【半騎天下 グレイテスト・トップ】
【半騎地上 グレイテスト・ボトム】
発生:認定型
作成者:レオナルド・フィリップス
備考:ドライフ皇国に来襲した史上初の<SUBM>。金と銀のどちらとも言えぬ光沢を放つ“超級金属”で出来た躯体を持つ、全長100メートルを超す偉容を誇る巨大悪魔像。
己の素質で<SUBM>に至った*1。
特殊能力を極めて最強の<SUBM>となった【三極竜 グローリア】とは逆に、純粋戦闘能力を極めて最高の<SUBM>となった“純粋性能型”の極致とも言える存在。
《真・絶死結界》を使用させなければ【三極竜 グローリア】にも勝利しうる高い戦闘能力を誇る。
全身を構成する神話級金属をも上回る超硬度の超級金属によってあらゆる物理攻撃が意味を持たず、あらゆる熱変化を遮断する熱量変化完全耐性とあらゆる攻撃魔法を無効化する魔法攻撃完全耐性を持つ。さらに重力のくびきから解き放たれた翼で空を翔け、超振動の尾を振るって万物を粉砕する上、その口腔にはあらゆる生物を焼き尽くす分子振動熱線砲が仕込まれ、【レヴィアタン】と殴り合えるほどのステータスを誇っていた。
元々は二千年ほど前、先々期文明末期に、不出世の大天才レオナルド・フィリップスが、自身の最後の作品として、フラグマンの“機械型”の手法ではなく、従来通りの“魔法型”でガーゴイルを作成し、自ら『最高』と銘打った最高傑作。完成当初はあまりの消費魔力量のためまともに起動せず、彼のアトリエに放置されていたが、数百年かけて地脈から自動で魔力を集めて溜め込み、“動力炉”を自力で造り上げ、自我を持つまでに至った。
それでもその場を動かず、何時しかある村の守り神として祀られたりしていたが、ある時、【地竜王】事件の報復で攻めてきた純竜軍団を前に、村人の願いを受け起動し、千体以上もの地竜種のドラゴンの群れを殲滅、それどころか神話級<UBM>である【金竜王 ドラグメタル】すらも討伐し、村を滅亡の危機から救った。
その直後、村の安寧を引き換えに管理AI4号によって<SUBM>に認定され、その地から立ち去った。*2
その後、遥かな時を経て<Infinite Dendrogram>サービス開始一周年記念の最中にドライフ皇国北東へと投下され、皇都へと進撃を開始するも、当時既に<超級>であった【冥王】の必殺スキルにより蘇生された【■■】■■■■*3によって動きと攻撃を封じられ、必殺スキルを使用した【獣王】によって早々に討伐された。
<SUBM>の中で唯一、誰一人倒さぬうちに、誰一人試さぬうちに討伐された。その後【機皇】の指示で公表されなかったため、一般には知られていなかったが【獣王】【冥王】共に特典武具を使用した映像が出回り、討伐が周知された。
【双胴白鯨 モビーディック・ツイン】
種族:魔獣
主な能力:液体艤装化,液体再生,液状化,気体化
最終到達レベル:???
討伐MVP:【大提督】醤油抗菌
【盗賊王】ゼタ
MVP特典:【鯨嗣鋼 モビーディック・ライト】
【??? モビーディック・レフト】
発生:認定型
作成者:なし
備考:グランバロアに襲来した、史上二体目の<SUBM>。背中に無数の砲台を備えた双胴船のような巨大な白クジラ。
海上・海中特化の“条件特化型”<UBM>。
かつて存在した<イレギュラー>を討伐したことによりレベル上限が上昇し、<イレギュラー>に至り、<SUBM>に認定された。
背中の無数の大砲からの一斉砲撃による広域殲滅能力を持ち、ダメージを受けても水で体と艤装を再構成して復活する。更に、自分の流した体液を気化させ、吸い込んだものを逆に液状化する能力も持つ。
投下先のグランバロアのような水に囲まれた環境では無類の強さを発揮する一方、カルディナのような砂漠の環境では文字通り“陸に打ち上げられた鯨”にしかなれない非常にピーキーな<UBM>。
元々は先々期文明時代に当時の最新戦艦【アヴァン・ドーラ】に全滅させられた【エンペラー・ホエール】の群れの生き残りで、アルビノで二頭が並んでくっついたような畸形の特異個体*4。
群れが全滅させられた後、自分達を滅ぼした艦隊の砲や自己修復する【ドーラ】を目撃し、最終的にそれらを自ら獲得して<SUBM>に至った。
そして600年前にグランバロア号を襲撃しようとした際に管理AI4号に敗北し、サービス開始まで封印されていた。*5
投下されるとグランバロア号目指して再び進撃を開始し、先代の【大提督】と醤油抗菌に多数の<マスター>、【三〇〇メテル級戦艦】を含む艦隊を全滅させた。
その後、【大提督】を引き継ぎ、<超級>に進化した醤油抗菌と既に<超級>であった【盗賊王】に加え、軍事船団が共に戦闘し、最終的に【大提督】が海域ごと爆破して周囲の海水を排した上で、【盗賊王】に全てのスキルを封殺され、軍事船団の総火力によって討伐された。
【三極竜 グローリア】
種族:ドラゴン
主な能力:絶死結界,極光ブレス,極光操作,ステータス上昇,バックアップ,スキル創造
最終到達レベル:???
討伐MVP:【超闘士】フィガロ
【女教皇】扶桑月夜
【破壊王】シュウ・スターリング
【犯罪王】ゼクス・ヴュルフェル
MVP特典:【極竜光牙剣 グローリアα】
【絶死邪眼 グローリアβ】
【臨終機関 グローリアγ】
【再誕器官 グローリアδ】
発生:認定・デザイン型
作成者:なし
備考:アルター王国に襲来した、史上三体目の<SUBM>。管理AI4号曰く“最も完成されたモンスター”。
コードネーム“The Glory Select.E.R”。
三つの首を持つ黄金のドラゴンで、性別はオス。
今は亡き古代伝説級<UBM>【死竜王】と【光竜王】の子であり、天竜種の<UBM>だが、【竜王】ではない。
それぞれの首が独立した個性を持ち、“一本角”は己の光で他者を蹂躙することを望み、“二本角”はその臆病さ故、己の身を守るために他生物を悉く抹殺し、“三本角”はただ純粋に力を高め、力を振るい、そして、力を証明することのみを望んでいた。
“純粋性能型”にして“多重技巧型”にして“条件特化型”という、純粋戦闘能力を極めた最高の<SUBM>【一騎当千 グレイテスト・ワン】とは真逆の、特殊能力を極めて最強の<SUBM>となった存在であり、今のところ最強と目されるモンスターの一体*6。
両親の力と自身の固有の力を併せ持っており、複数回の■■■■■による改造に耐えて力を得て、その力で数多のモンスターや<UBM>を屠ってきた。
そして千年ほど前、<イレギュラー>を討伐して才能の上限が上昇し、得たリソースによって、レベル100の限界を超え、<イレギュラー>となり、その後<SUBM>に認定された。
なお<SUBM>になるにあたり、管理AI4号と“契約”を交わしており、その対価として『直進して目的地へと到達する』及び『敵と戦う』という命が課せられていた。
<SUBM>としては“選別”に特化し、レベルの足りない弱者を“選別”し排除する結界、光が差してから“極光”に切り替わるまでに逃げ切れないような足と判断の遅い者を“選別”し殲滅する極光のブレス、“真の強者”以外の強者をふるい分ける最終スキルをそれぞれ有する。
なお王国襲来当初は、HPは七千万程度、AGIは一万以下*7、その他のステータスも五万未満とHP以外は<SUBM>としては低めであったため、最初の時点ではスキル特化でタフなだけだと考えられていた。
結界の能力ゆえか対象のレベルを図る能力にも優れ、特典武具などの持つリソース量もある程度感知でき、個人としても敵の能力を判断した上で戦闘にあたる。
それらにより弱者は前に立つことすらできず、数に頼る中途半端な強者は勿論のこと、“真の強者”たり得ぬ強者止まりの者すらも容易く殲滅し、<超級>こそを眼前に炙り出す。
そして<超級>との戦闘においては、管理AIからの枷すらも自力で排除し、本来の神話級相当のステータスを解放した上で、自身の金鱗に極光を纏う攻防一体の無敵化能力を発動し、外側からの攻撃を完全遮断する。
また、戦闘中に急速にHPが回復することはないが、傷などの不調を瞬時に解消するため、どれほどHPが減ろうと最高の戦闘状態を維持することが可能。
さらに、HP残量が50%を下回るとレベルによる“選別”の基準が上昇するという罠さえも完備しており、二本角を最後に残してしまった場合には、高レベルの超級職の者から果ては<SUBM>や<イレギュラー>までも即死させる、完全なる死の災害と化す*8。
その真なる姿は、“The Glory Select.Endless.Routine”。
即ち、【グローリア】を倒す前に“バックアップ”を討伐しない限り、何度でも蘇り、何度でも<マスター>に試練を課す、“100の<超級>が揃うその時まで、終わりなく選別を繰り返す存在”。
自ら分離して*9どこかに隠れ、本体のコアが倒されるごとに身体を再生し、最終的には完全復活を果たす四本目の首たる“尾”こそが真価にして本質であり、またそちらも必要に応じて自ら新たなスキルを創造し、常に成長し続ける性質を秘めている。
本来はもっと後に投下される予定の<SUBM>だったが、管理AI4号が「逸材*10の多いアルター王国に普通の<SUBM>を投下しても何も起こらない」と投下を決定し、更に万全を期すため、単独で【グローリア】を討伐、ないしは追い詰め、その仕様を詳らかにしてしまうであろう【破壊王】がカルディナに行っていて、戻って来るのに最低でも1週間は掛かるタイミングを見計らい投下された。
投下時期は現実日程で2044年11月頃であり、サービス開始から現実時間で1年4ヶ月後である。
あまりにも強すぎたがため、限界まで追い詰められたことが無く、【破壊王】との最終決戦では上がり過ぎたステータスを扱い切れず、最終的に【破壊王】の切り札の腕大砲による砲撃が決め手となり、またその直前に【犯罪王】によって“尾”を撃破されていたことで、再生することなく“一度目”にして討伐された。
なお、実際の討伐MVPは四人だが、【超闘士】と【女教皇】(+<月世の会>)はデスペナルティとなり、【破壊王】も気絶していたため、アナウンスを聞いていたのは【犯罪王】だけであるが、当人は【グローリア】討伐のことを特に吹聴していない。
一般には尾のことも知られていないため、【グローリア】を討伐したのは表向きには【超闘士】【女教皇】【破壊王】の三人であるとされ、また後に彼らは<アルター王国三巨頭>と称えられるようになった。
【四霊万象 スーリン】
種族:???
主な能力:分裂,龍神装,攻撃,状態変化,防御,回復
最終到達レベル:???
討伐MVP:【尸解仙】迅羽
【舞姫】輝麗
【総司令官】グレイ・α・ケンタウリ
【武神】名捨
MVP特典:【応龍牙 スーリン・イー】
【鳳凰翼 スーリン・アル】
【霊亀甲 スーリン・サン】
【麒麟■ スーリン・スー】
発生:認定型
作成者:なし
備考:黄河帝国に襲来した史上四体目の<SUBM>。
元は先々代【龍帝】の使う四種類の《龍神装》に憧れ、それを得るために研鑽を積んだものの、それでも至るに足りないと感じた四体の神話級<UBM>*11が、それに至らんとして合体したもの。
本来は<SUBM>になれる才能はなかったが、四体の神話級<UBM>が合体と再構成をしたことで器が変質し、<イレギュラー>に至り、<SUBM>に認定された。管理AI4号との“契約”はそれぞれの《神装》が完成まで外部から邪魔されない空間への移動。
融合体である巨大な球形の大岩型の怪物として投下され、破壊されるとそれぞれが再び自らの肉体を得て黄河の各地へと散開した。
分裂した四体各々が《竜神装》の亜種を扱う"多重技巧型”<UBM>。
【スーリン・イー】は、《龍神装・雲外蒼天》により超々音速で飛び回り、衝突した山などを貫通していたらしい。
元々【武神】は【スーリン】の討伐には参加していなかったが分体の一体【スーリン・スー】が修業していた地域に飛んできたため、これを撃破した模様。
討伐した四人の<超級>は<黄河四霊>と言われている。
【五行滅尽 ホロビマル】
種族:エレメンタル?
主な能力:武具製造,防御無効,隠蔽無効,回避無効,攻撃無効,スキル無効
最終到達レベル:---
討伐MVP:-
MVP特典:-
発生:?
作成者:滅丸
武具獲得者:【抜刀神】カシミヤ
【勇者】草薙刀理
【山賊王】ビッグマン
【銃神】ザウエル・ウルガウル
【抜忍】アルト
獲得武具:【試製滅丸星刀】
【試製滅丸星兜】
【試製滅丸星薙刀】
【試製滅丸星弓】
【試製滅丸星鎧】
備考:天地にて確認された、史上五体目の<SUBM>。
第一次騎鋼戦争のすぐ後に天地西側のとある漁村に打ち上げられた。
その前に【抜刀神】に敗れ、海上で【勇者】にも敗れていたため、すでに二つの武具*12がない、三メートル近い立派な大きさの、中身のない首無しの鎧武者の姿で登場した。
<SUBM>の中でも奇特さでは一、二を争う“おかしな<SUBM>”であり、自ら名前を名乗り、さらに挑戦者求むとばかりにその場に立ち続け、挑んでくる者達を次々と返り討ちにしていた。
また、挑戦者以外には手を出さず、現地の漁民にも一切危害を加えなかった(それどころか、挑戦者への宿や食事の提供によって間接的に漁村の村興しにも協力している)。*13
素質?によって<SUBM>に至った。
その他にも“一度討伐されても元通りになって立ち上がる”、“己を斃した者に自身が持っていた武具を直接手渡す*14”、“その武具は、特典武具の命名規則に則っておらず、獲得者にアジャストもしない”、“一度武具を貰った者はそれ以降、全くダメージを与えられなくなる”、“武具の所有者が殺された場合*15は殺害した者に所有権が移る*16”など、通常の<UBM>とは異なる奇妙な生態・仕様が多く見られた。
倒されて武具を譲るたびにより強くなっていく特性により、最終的に大鎧のみとなった際には<超級>でさえも連敗するほどの強さとなっていた。
その状態では特に防御力と耐久が耐久型超級職と比べても桁違いに高く、超級職の奥義を食らっても膨大な耐久度はごくわずかしか削れないほど。デバフ耐性や魔法耐性も【グレイテスト・ワン】に次ぐほどに高い上、接触で武具や本人のスキルを封じるスキルまで持っていたため、長い間倒されなかった模様。【キムンカムイ】状態のクマニーサンであっても、直接の殴り合いでは勝つことができるとのこと。
最後は、ルーキーであるアルトの<エンブリオ>【複雑回機 ゴルディアン・ノット】によって<Infinite Dendrogram>世界の存在の大半が絶対に正解できない*17だろう『日本の首都』を問われ、一切行動できなくなったため、敗けを認めてアルトのテイムモンスターとなった。
結果として完全討伐までには約5ヶ月程かかり、最後に残った大鎧がアルトに敗北を認めて完全討伐が果たされた際には、【征夷大将軍】によって記念のお花見が大々的に催されている。
実際には、討伐されたのは謎の“陽炎”の造った武具であり、渡された武具も特典武具ではない。
現在も“陽炎”は自身の造った武具で、超級職同士が戦い、そのデータが充分に集まるのを待っている模様。
【六門開口 ゲート・オブ・シックス】
種族:???
主な能力:???
最終到達レベル:---
討伐MVP:-
MVP特典:-
発生:認定型
作成者:???
備考:カルディナに襲来した*18、史上六体目の<SUBM>。*19
空中に浮かぶ巨大な六面体。各面にはサイコロのように一つから六つの丸い穴がついており、それぞれの穴にはシャッターのような封がされている。
第三部以降の章ボス枠の一体(予定)。*20
本来は<SUBM>になれる才能はなかったが、レジェンダリアでかつて吸血氏族の領地の近くで起きた地脈利用特殊魔法兵器開発実験の失敗による『六門事件』により、自然リソースが過剰流入したことによって器が変質し、<イレギュラー>に至り、<SUBM>に認定された。
存在自体がアクシデントサークルである模様。
【七曜統率 エレメンタル・オーダー】
種族:?
主な能力:???
最終到達レベル:---
討伐MVP:-
MVP特典:-
発生:?
作成者:???
備考:未投下。生物型。消去法で最後の未投下国家であるレジェンダリアに投下されると思われる。
先々期文明時代以前から存在しているモンスター。
同じ生物由来の<SUBM>であった【双胴白鯨 モビーディック・ツイン】と【三極竜 グローリア】が生来の畸形種だったのに対し、畸形ではない。
素質、撃破、バグの全ての要因によって<SUBM>に至った。