ペナトピ・Deracine版

ヒトフタマルハチ / 10

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USA 2023/05/29 (月) 21:16:57 修正

以前、私はGHQが残した戦後教育に洗脳されていて、自虐史観の持ち主だと批判されたことがある(今、この掲示板にいる人たちからではない)。

私自身が、「これが正しいんじゃないか?」と思う判断の基準は、これまでの人生の縮図であるから、今更変えようもない。他人の意見を聴く柔軟性はまだ失っていないと思いたいが。

その上で、現在のロシアの「窮状」をかつてのWWII(大東亜戦争と呼ばないと、そもそも自虐史観者という説もあるね)前の日本に重ね合わせるのは、確かに合意できるが、だからといって当事者が、自己を正当化するためにその論理を使うのはどうにも居心地がよくない。最近の日本を見ていると、かなり「大東亜戦争自衛説」が独り歩きしているようで、個人的には憂慮する。

ニュートラルな第三者が「あの時のXXXXを囲む状況は過酷だった」「利害の敵対する国家群は、アジェンダ(隠された自分のための目標)で、XXXXをのっぴきならぬ状況に追い込んだ」と評価することはあっても、当事者が正当化の論理で使うのは、控えるべきだと思う。

さて、もちろんここでStandさんは、中立なポジションにいて(と言っても我々の誰しも完全な中立はありえないが)ロシアの立場を説明してくれている。

もしこの紛争が終結すれば、その後、ユクレインのリーダーの発言も変わるだろうし、「正義の味方」の本音も明らかになるだろう。ユクレインのリーダーが、ユクレインの国民を本当に代弁しているか?それは、私たち多くが疑問も感じているだろう。

だが、それと、現在の紛争をどう解決するかは別だと私は思う。

明らかなのは、武力紛争(戦争ともいう)が、ユクレイン国土の上で継続していること。
現在の日本の数少ない声が「ユクレインが抵抗を止めれば、紛争は終結する」と提言しているのは、だから全く同意できない。

「自衛」というレトリックには賛成しない。そういう「判断」「主観」でもって正義を主張すれば、きりがないからだ。そもそも、「正義」というものほど危ういものはない。「異教徒排除」の十字軍、「共産主義封じ込め」のヴェトナム戦争。「世界平和」という「大義のために、自分は行動している」という「欺瞞」には冷めた目を向けねばならない。

物理的に見よう。戦闘は、ロシア内では起こっていない。

ユクレインが戦闘を止めれば、自分たちの国・家・家族は、蹂躙され、独立が失われる。
ロシアが、戦闘を止めたとて、失うものはない。

プーティンが責任を問われ、失脚することはあろう。だが、それはロシアの国内問題。
唯一ロシア外=国際社会にとっての脅威は、プーティンすら生ぬるいという過激派が軍事クーデターを起こし、「強国ロシア再建」というアジェンダのもとに、かつての大戦を引き起こしたHitlerのようなリーダーが支持を得ることだけだろう(今のロシア人が、どれぐらい「自分たちは世界からいわれのない迫害を受けている」と感じているかは、私にはわからない)。

ロシアの今回の姿勢は、周辺国家、特に地理的にロシアと国境を接する国(某日本国も、地理的にはロシアの隣国)を震え上がらせた。カリニングラードというロシアの飛び地が北海沿岸にある以上、ロシアは、カリニングラードを「助ける」という論理(クリミア解放と同じだ)で、ポーランド、あるいはリスエニアに侵攻できる。

ロシアと長年国境を接し、何度も独立を蹂躙されかけたフィンランドが、危機感を覚えるのもこれは当然のこと。NATOへの加入も、これはやむを得ないことだと思う。ロシアが徐々に包囲されているのは、過去のロシアの歴史を見れば、周辺国からみれば、Poetic Justiceであろう。

とにかく一刻も早く、無益な戦闘を終結させること。
戦後処理は、その後の問題。

もちろん考えるなというわけではない。Standさんが指摘していることは、戦後処理が既に始まっているということだ。
G7=ヤルタ会談・ポツダム会談かもしれぬということだ。なるほどねと思わされた。卓見だと思う。

それ以上のことは、G7の内容を詳しく知らぬ(報道されているのは、当然一部だ)私には書けない。

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