続・野球との関わり(高校生・その2)
僕が転校してくる以前から、野球部主将のマコっちゃんと、テニス部主将のジュン君はコンビのような関係だった模様。
そこに僕が加わる格好でトリオのような間柄となり、3人で年がら年中つるんでいた。
そうこうしてるうちに3年生に進級したが、クラス替えはなくトリオは卒業まで継続した。
3年生になると体育にソフトボールの時間が組み込まれた。
高3にもなると、体育の時間はただの「お遊び」の時間でしかなかった。
体育教師は出欠の確認をするだけで、あとは野球部のキャプテンであるマコっちゃんに、仕切りのすべてを任せていた。
体育は2クラス合同だったので、クラス対抗の形で、ただ延々と体育の時間いっぱい試合をするだけだった。
クラス対抗。
にわかに小学生時代の草野球の記憶が蘇ってきた。
バットやグローブに触れるのも、小学生以来だった。
「楽しい!楽しすぎる!」
ちょいちょい授業をサボりがちだった僕だが、このソフトボールの時間だけは皆勤だった。
マコっちゃんは、打順も守備位置もくじ引きで決めていた。
人数的にクラス全員がいっぺんに出場はできないので、途中で適当に入れ替えていって、
年間トータルで全員がほぼ同じ打席数になるように調整していた。
そしてマコっちゃんは教室の後ろの黒板に「現在の首位打者」とか「打点王」とかを記して遊んでいた。
するとジュン君がそこに、「打率最下位○○君。頑張れ!」などと書き加えたりしていた。
最下位になると、黒板を見たクラスの女子に冷やかされるので、みんな必死こいてやっていたw
守備位置は毎回くじ引きなので、僕もどこでも守った。
ファーストを守ったときは「小学3年の草チームでは、ずっとファーストだったなー」と懐かしんだ。
また小学生の頃は外野とは無縁だったので、センターを守ったときは「こんなに楽しいのか!」と新発見だった。
ある日、マコっちゃんに「お前、野球やってたの?」と聞かれた。
僕は当然、中学または転校してくる以前の高校での部活の話だと思い「やってないよ」と答えた。
数週間後、また同じことを聞かれた。
マコ「本当に野球やってなかったの?」
僕「うん、やってないよ」
マコ「ジュンのやつ、打っても守っても上手いだろ?」
僕「うん、あいつは運動神経いいから、何やらせても上手いよな」
マコ「ジュンは小学生の頃、ショートやってたんだってさ」
僕「え、小学生?だったら俺もやってたよ。セカンドだった」
マコ「なんだ、やっぱりやってたんじゃん。そうだと思った。見たら分かるよ」
そんな感じのやり取りをした次のソフトボールの時間、
偶然にもくじ引きで、僕がセカンド、ジュン君がショートを守る機会が訪れた。
僕とジュン君はいくつも併殺を完成させ、そのたびに「ううぇぇ~~い!」と声を掛け合いハイタッチを交わした。
それを見ていたマコっちゃんが、
「お前ら、今日の帰りのホームルームが終わったら、ソッコーでグラウンド来いよ」と言った。
そしてこの日の放課後、僕は初めて硬球に触れることとなった。
(次回、地獄のノックを受ける・・の巻)