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入社式に親同伴、背景に企業戦略 新卒獲得へ影響力配慮

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新卒人材の獲得競争が激化する中、新入社員や内定者だけでなく、その親にも気を配る企業が増えている。入社式に招いたり、採用内定を連絡したりするケースがある。就職における親の影響力が強まっていることが背景にあるようだ。  ■家族のように付き合い 新年度が始まった1日、八ツ橋メーカー聖護院八ッ橋総本店(京都市左京区)が近くの吉田神社境内にある菓祖神社で開いた入社式には、スーツ姿の新入社員9人に交じり、母親や祖母ら5人が参加した。神職が祝詞を読み上げた後、役員と新入社員に続いて保護者代表も玉串を奉納した。入社式への保護者の招待は約50年前から。地元雇用が多く、「従業員と家族のように付き合うことで地域とともに発展してきた歴史がある」(鈴鹿且久社長)ためだ。娘の晴れ姿を見守った東山区の女性は「娘がどんな人たちと働くのかよく分かり、とても良かった」と喜んだ。同社のように、保護者も参加できる入社式は徐々に増えている。京都府北部が地盤の大手スーパーさとう(福知山市)は2年前の春に始めた。新卒採用の内定後には親に手紙も郵送し、会社や職場の姿を伝えるように努める。  ■自社商品手渡し 中華料理チェーン「餃子の王将」を展開する王将フードサービス(京都市山科区)は、出席した保護者にラーメンなどの自社商品を手渡す。会社を身近に感じてもらう狙いで、「新入社員をしっかり育てるという思いを伝える目的もある」(広報担当)という。各社に共通するのは、新人を大切に迎え入れる姿勢を示すことで、保護者にも安心してもらおうという考えだ。こうした傾向は、採用活動の段階においても表れている。  ■親の意向で内定辞退も 全国310社のうち新卒採用活動で「親対策」が必要と考える割合は58・4%だった。就活において「親の関与が高まっている」との回答は6割近くに達しており、親の意向によって内定を辞退されたことがある企業も半数以上あった。労力をかけて選考した内定者が親の一言で去れば、企業の人員計画は狂いかねない。このため、内定承諾の確認やあいさつの電話を親に入れたり、パンフレットなどを親に送付して認知度向上に努めたりする企業もあるという。「少子化で子どもに関わる親が増えたことも要因の一つ」と分析。学生優位の「売り手市場」が続く中、企業は学生のみならず親にも魅力をアピールする必要に迫られている。  (2018.4.7 京都新聞)

オフィスタ
作成: 2019/03/21 (木) 17:55:26
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