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課題本と感想 / 24

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8月12日 例会
『死刑にいたる病』櫛木理宇
86点
・サイコパスや殺人鬼などに興味を持っていた頃に読んだので、調べたことが作中に出てきて楽しく読み進められた。
・作者は普通の精神状態でここまで多くの情報を集めてきたことに感心させられる。
・筧井くんの自意識との戦いにはとても共感した。
・主人公が聞き込みによって真実を明らかにしていく点はなかなかリアリティがあって本格ミステリ然として面白かった。
・榛村の影響力がすごく、描写がなかっただけでもしかしてあの人も…と思わせる終わらせ方はスリリングで良かった。
・終わらせ方や筧井くんの家族はホラーだった。
・日本の伝統的な、雰囲気からじわじわくるホラーだった。
・筧井くんの変化で突発的なところがあったので、もっとじわじわやってほしかった。
・染まるのが早かった気がするのでもっとしっかりと描写しても良かったかもしれない。
・シリアルキラーの心情や殺人に迫る場面が多いので結構重い。
・それぞれのシリアルキラーの場面に重さがある。
・最初のモノローグが誰のものなのか、考えると面白い。
・灯里さんは殺人鬼と絡めない方が良かったかもしれない。
・灯里さんは主人公の変化を追ったり、ストッパーとして働いたりと重要なキャラなのだが、最後のは榛村に全くメリットがないのでなぜ?という思いの方が強く出てしまう。
・主人公が事件を通して変化していくのは好きであるが、今回のはそう仕向けられているので違うと感じた。
・最後に乗り越えるのは今までの主人公がどうなってしまうのかというハラハラ感もあり、爽快であった。
・虐待や壊れかけの家族の問題など社会問題に切り込んでいて良かった。

『早朝始発の殺風景』青崎有吾
89点
・青春密室劇短編集で、語り口も柔らかで読みやすく、青春のみずみずしさのようなものがぎゅっと詰まった感じなのが良い。
・演劇の三一致の法則に則って書かれたワンシチュエーションもの、1幕もので描かれていて構成がとてもしっかりしている。
・その構成の中で失われがちな新鮮さが全く失われていないところに技量を感じさせられる。
・どのキャラクターも魅力的で、その機敏な心の動き、行動といったものがまた推理のロジカルさ、冴えに効いてきているところも上手い。
・どの話にもエモい関係があり、閉じられた場所で生まれる関係性、新たに芽生える感情が生き生きと描かれている。
・青春独特の距離感の書き方が上手い。
・伏線を見事に回収するお手本のような見事な短編集。
・色々なことがやりたいという作者の意思が伝わってくる。
・どの話も綺麗でとても良い。
・表題作は2人ともに謎があり、男の子の方の解決法が読んでいて面白かった。
・どの話も新鮮味を感じ面白いので、青春ものが好きな人に一読の価値ありと胸を張っておすすめできる作品。
・メロンソーダの話の友達関係がとても友達然としていて良かった。これからも関係は続いていく、その中の一事件という感じでとても良い。

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