本日は1959年に南極大陸で1年間置き去りにされた樺太犬、
「タロ」と「ジロ」の生存が確認された日であります。
タロとジロは、1957年の日本の南極地域観測隊第1次越冬隊にて、
物資輸送で犬ぞりをひくために派遣された22頭のうちの2頭で、
南極の東オングル島にある昭和基地に派遣されました。
1958年2月、第2次越冬隊は悪天候のため昭和基地への上陸を断念せざるを得ず、
滞在中であった第1次越冬隊は小型飛行機で宗谷へと撤退されました。
この時に第2次越冬隊と対面するはずの15頭の樺太犬は、飛行機の離陸重量を
超えてしまうために、鎖に繋がれたまま基地に取り残さざるを得なくなりました。
翌年1月に第3次越冬隊は15頭のうちタロとジロの生存を確認しましたが、
他の7頭は鎖に繋がれたまま亡くなっており、6頭は行方不明でありました。
このエピソードは1983年に「南極物語」として映画化、
2011年に「南極大陸」としてテレビドラマ化されました。
また、1984年に放送されたアニメ「宗谷物語」でも映像化されている他、
何人かの著者によって伝記化されております。
そして、現在はタロとジロの剥製が保存されております。
犬たちを鎖につないだまま置き去りにしたという事で、当時や後の映画公開時には、
当時の南極観測に関わった方々への激しい批判が起こりました。
1991年に「環境保護に関する南極条約議定書」が採択され、
その「附属書II」の規定に伴い、そり犬を含め一切の動物の南極への渡航が禁止され、
南極越冬隊の交通手段も犬ぞりからスノーモービル等に主力が移行した結果、
21世紀に入る前にはその全ての動物達は日本に帰国しております。
そのため、現在な一切の越冬犬を含めた越冬動物は存在しておりません。
「感動の再会」という事もあって美談として扱われがちなエピソードですが、
雑食性の動物を放置した事は南極の生態系に悪影響を与える事にも繋がり、
事実、ペンギンやアザラシが被害に遭っております。
この事からも、人間と動物の関係を改めて考える必要があると言えます。
けものフレンズにおいて樺太犬やエスキモー犬の類いのフレンズはおりませんが、
三次創作のイラスト等で確認する事ができます。
ぜひとも正式に仲間入りしてほしく思います。
樺太犬を含め、動物達は決して人間の道具であってはなりません。
大切な仲間であるからこそ、時には慎重に接する必要もございます。
タロとジロのエピソードは、それを改めて考えさせられます。
本日もお祈りいたします、みんみー。