クロ「…?」
サーバル「なに!何を思い出したの?」
セーバン「私は、私は…!」
セーバンが、記憶を引き摺り出そうとした刹那。
キンシコウ「皆さん、大丈夫ですか!」
かばん「キンシコウさんにリカオンさん!無事だったんですね」
リカオン「はい、お陰様で…あ、そのメモリを持っているって事は倒したんですね!」
クロ「グルラ!」
サーバル「良かった…あ、ごめんねセーバンちゃん。話を切っちゃって」
セーバン「ううん、大丈…あれ?」
先程まで出かかっていた記憶が、今では再び靄に掛かったように不明瞭になってしまっていた。
セーバン「…忘れちゃった」
キンシコウ「もしかして、私達のせいですか…?」
セーバン「ううん。この早さで忘れちゃったんだもん、きっと途切れなくても途中でまでしか話せなかったよ」
かばん「残念ですね…しかし、仕方がありません。分かった事を部分的にでも話して頂けませんか?」
「うん。多分私は…未来から、来たんだと思う。詳しい事までは覚えてないけど、何か悲しい事があったから、それを変える為に」
サーバル「未来?すっごーい!」
リカオン「悲しい事…それを避けるのが、メモリ破壊と同時に目下の目標になりそうですね」
???「パークの危機なのだ〜!!」
唐突に聞こえて来た大声に振り向いて見れば、そこには駆け寄って来るアライグマと彼女に背負われたフェネックの姿が。
サーバル「アライグマにフェネッ…って、フェネック、肩から血が!」
フェネック「あはは…してやられちゃったよ」
アライさん「大変なのだ!急に出て来た化け物に襲われて、フェネックが怪我したのだ!その化け物が今、湖畔に巣食っているのだ!ビーバーとプレーリーも危ないのだ〜!!」
かばん「!!!」
キンシコウ「クロちゃん!」
クロ「ガッ!」
キンシコウの指示でクロが尻尾から空へ放ったのは、今度は赤色の光線ではなく青色の光弾。図書館で決めた、湖畔付近に異常が発覚した時の合図だ。
かばん(今僕たちがいる場所よりも、タイガーマスクさん達がいる場所の方が湖畔には近いはず…お願いします!)