しょぼん「あのネコちゃん、人間になりたいの?」
呟いたちゃむに、無垢なる少年は問いかける。
ちゃむ「うん、いつも願ってるんだよ。むなしく叶わないと思うけど」
しょぼん「いや、叶えられるかもしれないよ!ここにあるもん!」
"ここ"と指差した先には魔道書のページ。みれば変化の魔法とある。
ちゃむ「…これで人間に変身させるの?…できる?」
しょぼん「この範囲ならぼくでもわかったよ!やってみるね!」
そういうのはまず適当な材から試すものだが、まぁ私もちゃむもあのネコのことだからと止めはしなかった。
しょぼんは魔道書を読みながら歩いている。よほど興味深々なのだろう。 そう思っていた時、これまた有名な声が聞こえてきた。
「僕は人間だ!!人間と喋れるのだ!!これを人間と呼ばずしてなんと呼ぶ!!」
例のネコだ。どうしてそこまで人間に執着するのだろう。
ちゃむ「………ネコは最後までネコとして生きる。どんなに強い願望だったとしてもね…」
彼女はまた冷たいことを呟く。 だがその呟きは決して無駄ではなかった。
…金になる本…か。お金はほしい…が、これはもっと必要としている人がいるはずだ。
メル「ねぇ、これあげるよ。私にはいらないし」
しょぼん「いいの!?これ貴重なんだよ!!」
メル「あなたの将来のためにも、これはあなたが持つべきだよ」
未来の魔法使いしょぼんはとても喜んでいる。今回は困った人を助けたわけではないが…まぁこれはこれで清々しい気分になったしいいだろう。
ちゃむ「ほんとどうしちゃったのかなぁメル。いつもはインスタント焼きそばについてるお好みでかける七味すら分けてくれないくらいケチなのに」
こいつをレンジであたためてもらうのを忘れていた。
それに、今どきケチなのは私だけじゃない。みんながみんな自分のことしか考えていないのだ。自分のことで精一杯なのだ。今の社会というものは。
しょぼん「もしかして!!大魔法使いのサヴァーカさんですか!?」
大魔法使い…?どうやら有名な人らしい。
サヴァーカ「大…ってほどでもねぇが…まぁそうだ」
しょぼん「ほ…ほんものだ…!!ぼくのあこがれなんです!!」
サヴァーカ「そ…そうか…うれしいよ」
その後、しょぼんはサインをもらったりしたのちに、我々はサヴァーカさんと別れてコンビニを後にした。
レジで精算を済ませ、コンビニを出たのち、あの男にエビフライ弁当を渡した。 男はすぐに弁当を口にした。
???「う……うまい!初めてだ……こんなうまいものを食べたのは……!」
食材を火で焼くことを覚えた人類のような反応をしている。よほど美味しいのだなそれは。 ……まて、いま考えてみればこのとんかつ弁当の方を渡せば私がエビフライを食べれたじゃないか。まったく、私は本当に機転が効かないな。
???「こんなうまいものを買って頂いて本当に感謝している。どうか礼をさせてくれ」
男はそう言うと、左手で一冊の本を取り出してきた。一方右手でゴムボールをポケットにしまった。ほんとなんなんだそれ。
???「これは魔道書だ。俺が今までに編み出した魔法をここに書き出している。…といっても原本ではなく複製品だがな。販売もしているがとても高額で取引されている。あんたが魔法に興味がなかったとしても、金にはなるぜ」
魔法?こいつは魔法使いだったのか。…と思ったその時隣にいた未来の魔法使いは叫びだした。
レジに向かおうとした時、隣から声が聞こえてきた。
???「あれー?エビフライどこー?」
???「ユミちゃんエビフライ食べたかったの?うーん…売り切れちゃったみたいだねぇ」
ユミ「残念だなぁ…。ここのおいしいのに」
どうやらとても好評らしい。是非とも食べてみたいものだ。しかし今まさに目の前に困っている人がいることにふと気付いた。
メル「あの、こちらお譲りしますよ」
ユミ「ええ!?いいんですか!?」
コンビニは近いところにある。またのちに買いに行けばいいのだ。
???「よかったねぇ…。あ、お姉さんありがとうございます」
メル「いえ、私は他でもよかったので」
私はこのとんかつ弁当でいいか。
リカ「らっしゃいませー」
この時間は友人のルリカケス・ドラフォガンがこのコンビニで仕事をしている。ここまで読めばどーせ気づくであろう、ルリカケスと呼ぶものは少なく、周りからはリカと呼ばれている。
さて、しょぼんが落としたというキャンディと同じものをカゴに入れ、あの男への食料を探すことにしたが、そういえば何が食べたいかを聞き出せていなかった。いや、私が心の中で独り言を言っているうちに聞き流してしまったのだろう。
メル「そういえば、あの人はなにを食べたがってたんだっけ?」
ちゃむ「なんでもいいけど、できれば米があるものがいいって言っていたよ」
米派か。なんでもいいならこのエビフライの入った弁当でいいか。 それにしても美味しそうだな。私もこれにしようか。どうやらこれで最後らしいし。
???「……いや…ただ空腹なだけだ…。なぁ、 済まないが俺を店の横に移してくれないか……?こんなところに居ちゃあ邪魔だろ…?」
その要求に答えるならばノーマルエンド止まりだ。二周目が出来るならばそうしてみたいが、あいにく人生は一回限りだ。ならば目指してやるよトゥルーエンドを。
メル「それはできません。自分の足で動いてください」
???「できればそうしたいんだがな…空腹で動けねぇんだ……」
メル「なら満たせばいいのでしょう。こんな近くにコンビニがあるじゃないですか。何がお好みです?」
???「買ってきてくれるのか?だが俺に金は一文もないぞ……」
ちゃむ「お金も持たずにコンビニに足を運んだわけ?なにを考えたらこうなるのよ…」
メル「私が奢れば済む問題でしょう」
???「…!?お前…見ず知らずの人に奢るだと…?」
メル「お金ならいくらでもありますよ。お金持ちはお金のない人に恵むべきだと考えておりますから」
別にそんなことはない。ただ流れが自然になるように言っただけで本当はお金はそんなたくさんあるわけではない。付け加えた持論も、庶民的な私の富豪への願望にすぎないのだろう。
???「………かたじけない」
そして我々はようやく店内に入った。
その者の腕に指を当てていたしょぼんは 「この人、脈がないよ!!」 と叫ぶに対するちゃむは胸に手を当てて 「でも心臓は動いてるよ」 と告げる。よくわかったな。 あることをすれば生きながらにして脈を止める方法があるのだという。確か脇にゴムボールを挟むことだったか。 しかしまさかゴムボールを挟みながら道端で倒れるなど普通は考えられない。きっと他の原因で脈が止ま───挟んでる。ゴムボール挟んでる。リアルな死体ごっこでもしてるおつもりなのだろうか。
???「………なんだ……お前ら…」
低い声が空気に響いた。ようやくお目覚めのようだ。 突然響いて驚いたのだろう、しょぼんはさっと自らの手を引いた一方でお前はいつまで胸に手を当てているんだ。
メル「こんなところでなにをしているんですか?」
???「なに…してるわけでもない…ただ動けないだけだ…」
ちゃむ「どこか怪我してるの?」
しょぼん「けいさつよんでやるぞ!」
そこは救急車だろう…そう言おうとしたが、こんな黒服の男が自動ドアの前で倒れ込んでいる不審な光景を見たらあながち間違いでもない気がした。
…コンビニに着いた。「ハッピーシェルフ」という名のそれは、この辺りの人々のオアシスだ。
そしてその場所ではじめに見たのは地面に落ちている黒い横長の物体。こういう得体の知れないものは近寄りたがる者と拒む者のふたたつがあるが、コンビニの入口近くにあったがゆえにその選択さえ許してはくれなかった。
ちゃむ「……人だよね、アレ」
私がそれが一体何かようやく理解したと同時に彼女はそう言った。
メル「どうしてこんなところで倒れているのだろう…」
ちゃむ「まさか…声をかけるの?」
メル「馬鹿馬鹿しいかもしれないけど…夢でそう言われたんだ。私は…それに応えてみたい」
だが返る言葉は何も無い。まさに屍のようだ。 やれやれ、急に難易度が跳ね上がるとはな。私の嫌いなゲームのパターンだ。無論、人生はゲームのように上手くは行かないのはわかりきったことだが。あるいはこれは負けイベントとやらか。
ボンレイ・ショロコッドと名乗るその子は我々とともにコンビニに向かうことになった。よくよく考えると知らない人について行ってはいけないと教育されてないのだろうかこの子は。
ボンレイ…そのままでもとても呼びやすい。だが彼は「しょぼん」と呼んでほしいと頼み込んできた。なるほど、名前の頭二文字と苗字の頭二文字を組み合わせたのか。…ぼんしょじゃないのか…。
私は子供が正直苦手だ。夢に言われたとはいえ、よく声をかけれたなと自分を心で賞賛している。幸い、道中のしょぼんの世話はちゃむがしている。
ちゃむ「魔法使い?」
しょぼん「うん!大人になったらすごい魔法を使えるようになって、色んな人の役に立てたいんだ!今はまだ左ポケットに入れたものを右ポケットに移す魔法しか使えないけど…」
見たところ8歳ぐらいだか、意外と立派な夢を持っているんだな。そしてその魔法は一体何に使えるんだ。手品でお金を儲けるくらいには使えるか。
歩みはさらに先へ。すると道の端に泣いている子供がいた。
???「おんびょー!!どべじゅびぼぼー!!んぶぁー!!びぃいぃいいいぃ!!」
つくづく幼子はどうしてあんなに大きな声で泣けるのだろうと疑問を抱くことがある。ただ泣いているということは何か困っていることがあるのだろう。
私は声をかけてみることにした。
メル「ねぇキミ、どうしたの?」
???「いっやぁキャンディをこんなかにおとしちゃったんすよぉ」
最近の子供はそんなしゃべり方をするのか。さっきまでの泣き声はどうした。
しかし側溝に落としてしまうとは、可哀想なものだな。
メル「そうだな…お姉さん達、今からお買い物に行くんだけど、キャンディも買ってきてあげるよ」
???「ほんと!?そいつぁ運がいいことだなぁ!」
ちょっとこいつの親の顔が見てみたくなった。
しばらく歩いていると、隣の塀から何かが聞こえてきた。
「僕はネコじゃない!!」
そう叫ぶのはこの辺りでは有名な野良猫。名前はハルコ。 猫なのにヒトの言葉を話すがゆえに人気を集めているが、本人いわく昔はしゃべるネコなどたくさんいたとのこと。こいつは何年生きてるのだ。 いつも自分はネコではない、人間だと声を張り上げて言うので正直私はうるさくて苦手だ。
ちゃむ「なにを主張しようと、ネコである事実は変わらないのに」
なんて冷たいことを言うのだろう。確かにそれは揺るぎないことだが。コンビニに着いたらこいつも一緒にレンジであたためてもらおうかな。
???「おっ、おはよう!今日は早くない?」
彼女の名前はシャムシリア・ディエスーダ。やはりというか彼女をシャムシリアと呼ぶ者は少ない。
私は彼女をシャムと呼んでいた時期もあったが、出会ったばかりの頃の彼女はサ行の発音が苦手であったようで、名乗った際はちゃむちりあ・でぃえちゅーだと発してしまったために、多くの人は彼女を「ちゃむ」と呼び、私も次第にそう呼ぶようになった。彼女自身も気に入ってるようだから問題はないだろう。
メル「コンビニで朝食を買いに行こうと思ってな」
ちゃむ「ん…めずらしいな、コンビニで買い食いなんて。実はボクもジョギングついでに行こうと思ってたんだ。一緒に行かない?」
お互いどこのコンビニに行くかは一言も口にしなかったが、この近くにあるコンビニはひとつしかないので目的地は同じだろう。
私はうなずき、さっきまでふらついていた足を前へ前へと差し出し始めた。
ようやく見えた上は青色に染まっていた。まるで海のようだ。雲が魚に見える。あの雲はエビにも見えるな…。
…ああ、なんてばかなことをしたのだろう。寝ぼけたせいか、私は視てはいけない光も直に眺めて続けてしまっていた。
はっとした私はすぐに目線をおろした。立ちくらみがする。それでも、こちらにやってくるその姿ははっきりと認知できた。
これの展開今でも覚えてるわ🤔
メル「………おいおい、食パンすらないのかよ」
食べ物がないなら調達するしかない。私は出かける支度をした。 しかしなんだろう、頭に何かよぎるものがあった。そしてそれはすぐに想起された。
メル「…助ける…か。」
この世界ではみんな自分のことばかり考えて、他人のことなど目もくれない。手伝いをしようとすれば笑われることすらもある。だが一応、一応だ。その程度の心持ちで人を助けると胸に刻み、屋根のない世界へ飛び立った。
その部屋は仄かに暗く、しかし感じるのはむしろ明るさで、雀の鳴く音が耳に入りながら、太陽のベールが目を覆った時、私は無意識にまぶたを開いた。
メル「………夢か…」
メル「…まるで…ファンタジーの始まりみたいだったな…」
メレシスト・ガントネル、それが私の名。けれど私を五文字で呼ぶ者は初対面ぐらいで、慣れ親しむ者からは「メル」と呼ばれている。
時計の針が縦に並ぶ時、私は立ち上がり、冷蔵庫から朝食を作って食べて1日が始まる。 だが規則性は完全にはあらず、例外というものは付き物だ。今日がその日である。
――…私の声が聞こえますか…――
???「…今は何も聞きたくないな」
――いいから聞きやがれ焼き鳥にするぞ――
???「そんなに聞いてほしいか。ならば聞くぞ」
――あなたは今日、食を求めて外へ小さな旅に出るでしょう。その時困っている人がいたら積極的に助けてあげてください――
???「変な頼みだな。知らぬ者に手を差し伸べるなど。気は進まないが…出来る限り尽くそう」
――頼みましたよ…メレシスト――
「おいこれ……嘘だろ………」 フクナガの顔はみるみるうちに蒼白としていった。 「いわゆる…心霊現象、かもね、あははは」 「なんでお前は平然としてられんだよ、死ねよ…。」 「買ったテレビが呪われてたのかも、これはまずいね、このままだと僕が貞子とイケない関係になってしまう」 「お前もうマジで死ね……………っておいおいおいこれやべぇぞ…。」
『やはr………ザアッ………論r………………ザアッ……ザアッ………』 気づけば小さかったノイズは画面全体にまで及んでおりもはや『眼鏡の数学講座』をまともに視聴することすらままならない状況へと変貌していた。
「なるほど、もしかして電波ジャックかな」 呆気にとられていた2人だったが先に口を再び開いたのは星野だった。 「ふぅ、そうっぽいな、つーか誰だこいつ(笑)」 教育番組に代わってテレビに映し出されたのは薄暗いコンクリート壁の部屋とそこに佇む赤いフードを身に纏った女。 いつの間にかあれ程激しかったノイズは面影も残さないほど静かに鳴り止んでおり画面には鮮明にそれらが映っていた。
「誰だこの女(笑)」 「不気味だなぁ、何がしたいんだろ」 2人が画面に映し出されたその不気味な光景に対して口々に見解を漏らしたそのときだった。
『…え、ジャック終わった?んじゃあ喋るよ?』
「うわ、喋ったよ」 「…ビビらせんなよこのアバズレが」
『はい、ミーバネルチャの皆さん…はじめまして!✌✌』 『わたしの名前はTyamu_gameでーす、こんにちは🤧』
メガネ…👓
がんばれ、止まるんじゃねぇぞ...
ピッ 『はい、ということではじまりましたー、『眼鏡の数学講座』ー!』 『今日の講師は勿論、私メガネ兄貴です。(メガネクイッ)』
「あ?なんだこの陰気臭ぇメガネは?ブチ殺すぞ?(笑)」 「ふーん、数学講座なんて面白そうじゃないか、見ようよ」 「勝手に見てろよ、俺は見ないぞ(笑)」
『今日、学習する内容は……ザアッ………解の公式n………ザアッ………』 テレビに映し出された教育番組を妨害するように突如画面上に幾つかのノイズが走った。
「ん?なんだこの音?このクソメガネのせいでテレビが壊れたのか?(笑)」 「おかしいね、いろくんに前のが壊されたから買い換えたばかりなんだけどな」 「っざけんなよ、もう壊れちまったのかよ、おい、今からクレーム言いにいく…」 「フクナガくん、待つんだ、ノイズが変だ…」 「だからんなもん知ってん…………なんだよこれ……」 目を凝らすとそのノイズはどこか別の部屋を映し出しているように見えた。 その部屋は恐らく打ちっ放しのコンクリート壁の部屋だろう、明かりがついていないのか薄暗い部屋だった。
ミーバネルチャ中心街(セントラル)ダイスイモ区ウオズマ3丁目付近にけたたましい爆音が鳴り響いたのと同刻
カフェ『Chocola teria』 「はぁ…流石にここまで静かだと気持ちが悪いな(笑)」 「ったく、客が来ないっつうのに律儀にカップ洗いやがってよ、お前は本当に不気味な奴だな(笑)、星野」 星野と呼ばれたその男は名前を呼ばれると蛇口を捻り水を止めると、手元のコーヒーカップを念入りに拭き始めた。 「そうかな?僕からすればフクナガくんの方が充分不気味だと思うけどな、例えばその髪型とかメガネとか、あとは個性的なファッションセンスとか……………」 「…黙れ、殺すぞ(笑)」 「ごめんごめん言い過ぎたねw、あはは」 星野は拭き終えたコーヒーカップを皿立てに立て掛けた。 「ミッキーとホーモォは『宝探し』つってどっかに行っちまうし、レオと松前は『遊び』に行っていねーし、困ったもんだな。」 「そうだね、僕も寂しいな」 「ほかの人達は相変わらず帰ってこないし、今ここに居るのは僕とフクナガくんと安倍くんの3人かな」 星野のその言葉にフクナガが一瞬、ハッとしたような表情を一瞬浮かべた。 「おいアホ(笑)、一応もう一人いるだろうがよ(笑)」 「いっけねー、僕としたことが…うっかり」 「馬鹿が(笑)、にしても暇だな、テレビでも着けるか。」 フクナガが客席のテーブルに置いてあったリモコンを手に取ると壁に備え付けられたテレビに向け電源ボタンを押す。
ありがと💕ぎゅー💕💕💕
「Hmmmm……水柱を防御に使うとは見事だNA」 「へへっ、どうも…」 「…けどYO、足元がお留守ちゃんだぜ兄ちゃん」 「へっ…?」 「Check it out(チェケラ)!『地鳴唄(マグラグ)』ッ!」 突如、ナイヤガラの足元だけがまるでそこだけに稀代の大地震が来たかのようにグラグラと揺れだした。 「っんな!?」 堪らずナイヤガラは膝をついた。 「YO!呆気ねぇ、ここで見せ場は終了 味気ねぇ、手も足も出ず御退場 泣けるねぇ、じゃあなあばよご愁傷」 「うわぁぁぁぁぁぁぁあ!wwww」 彼がナイヤガラを憐れむように笑いながら再び手をかざしたそのときだった。
「 させないよ、『不自由(アン・フリー)』」
「それじゃサヨウナラWWwwwww」 先に動き出したのは、招かれざる刺客たちだった。 自身を松前と名乗った男の隣にいた彼は両手をかざすと 手のひらから球状の物体をナイヤガラに向け高速で発射した。 「これ以上寒い決めゼリフ聞きたくないんでもう死んでいいっすよ?ばくわら。」 ナイヤガラはすんでのところで2つの球を回避したものの球はナイヤガラの背後、7メートルに着弾し 爆発した。 「…っ!『逆滝(スプラッシュ)』ッ!!」 ナイヤガラは自身の背後のすぐ足元から幾つもの水柱を爆風を防ぐ盾を作るように発生させた。 爆風によって弾けた大量の水飛沫がナイヤガラに降りかかった。
はいどうぞ
いんくちゃんのおしっこ飲みたいから飲ませて
~~~~ 後日あの時の場所に行ったが、もう男の姿はなかった。まあまたどこかで誰かにあの"薬"をあげているのだろう。
~end~
謎の男「そうか、じゃあこっちにおいで。」
男は歩み寄った俺の口の中にあの"薬"を落とした。その途端、強い眠気が俺を襲った。
しはこう「......」バタッ
~?~
しはこう「...ん」ムクッ
どれくらい経っただろうか。空はもうすっかり真っ暗になっていて、あの男の姿はもうなかった。起き上がり、その場に座り込んで自分の手を見た。まあ、当然のごとく戻っていたのだが。
しはこう「さてと...帰るかな...帰りたくないけど。まぁいつもの生活も悪くはないかな。」
謎の男「で?どうするんだ?君はヒトに戻ること、いやヒトしての生活に戻ることを望んでいるのだろう?」
しはこう「(まぁ、そうだけど...でもな...)」
俺の考えがまとまらないまま話は進んだ。
謎の男「そうだ、今は喋れないだったね。では選択肢をあげよう。2つしかあげないけどね。」
謎の男「A。このままハシビロコウとして生きる。もしAを選んだ場合は動物園に保護してもらうよ。」
謎の男「B。この"薬"を飲み、ヒトとしての生活に戻る。」
謎の男「A....」
謎の男「B....」
俺はBのタイミングで頷いた。
しはこう「(このまま戻れないなら...)」
しはこう「(いや、そんなこと考えちゃダメだ、考えろ考えろ考えろ生存ルートを...!)」
その時俺の思考に閃光が走った
しはこう「(そうだ、もう1度あの男に会って、あの"薬"を貰うんだ。そしてヒトを想像し、俺はもとの姿に戻る。)」
しはこう「(さて探しにいk...)」
謎の男「どうしたんだい?こんなところで、少年」
男は柔らかい声のトーンでそう言った
しはこう「(何故、何故俺のことが...?)」
謎の男「どうやら君は気がついたようだね、そうだろう?」
しはこう「(何故俺の考えが分かったんだ...?)」
謎の男「まあ、びっくりするのは無理もない。でも今はそんなことはいいんだ」
謎の男「実は君以外にもあの"薬"をたくさんの人達にあげてるんだけど、君が考えたことに気づいたのは200人中たったの3人だったんだよ」
明日から私がんばっちゃうぞ
>> 17 まかせやがれ♡
体調崩さない範囲で無理しろ💕
っしゃ、俺も頼むで。
....
謎の男「あぁ、まただめだったよ。」
そう電話相手にひとり大型鳥類の羽を掴み猫を抱きかかえながら呟き受話器を元の場所に戻した。
あ、あまりイメージがつかない場合は…どうします?
体調崩してミバちゃん来なくなるなー(・ω・`;)
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しょぼん「あのネコちゃん、人間になりたいの?」
呟いたちゃむに、無垢なる少年は問いかける。
ちゃむ「うん、いつも願ってるんだよ。むなしく叶わないと思うけど」
しょぼん「いや、叶えられるかもしれないよ!ここにあるもん!」
"ここ"と指差した先には魔道書のページ。みれば変化の魔法とある。
ちゃむ「…これで人間に変身させるの?…できる?」
しょぼん「この範囲ならぼくでもわかったよ!やってみるね!」
そういうのはまず適当な材から試すものだが、まぁ私もちゃむもあのネコのことだからと止めはしなかった。
しょぼんは魔道書を読みながら歩いている。よほど興味深々なのだろう。
そう思っていた時、これまた有名な声が聞こえてきた。
「僕は人間だ!!人間と喋れるのだ!!これを人間と呼ばずしてなんと呼ぶ!!」
例のネコだ。どうしてそこまで人間に執着するのだろう。
ちゃむ「………ネコは最後までネコとして生きる。どんなに強い願望だったとしてもね…」
彼女はまた冷たいことを呟く。
だがその呟きは決して無駄ではなかった。
…金になる本…か。お金はほしい…が、これはもっと必要としている人がいるはずだ。
メル「ねぇ、これあげるよ。私にはいらないし」
しょぼん「いいの!?これ貴重なんだよ!!」
メル「あなたの将来のためにも、これはあなたが持つべきだよ」
未来の魔法使いしょぼんはとても喜んでいる。今回は困った人を助けたわけではないが…まぁこれはこれで清々しい気分になったしいいだろう。
ちゃむ「ほんとどうしちゃったのかなぁメル。いつもはインスタント焼きそばについてるお好みでかける七味すら分けてくれないくらいケチなのに」
こいつをレンジであたためてもらうのを忘れていた。
それに、今どきケチなのは私だけじゃない。みんながみんな自分のことしか考えていないのだ。自分のことで精一杯なのだ。今の社会というものは。
しょぼん「もしかして!!大魔法使いのサヴァーカさんですか!?」
大魔法使い…?どうやら有名な人らしい。
サヴァーカ「大…ってほどでもねぇが…まぁそうだ」
しょぼん「ほ…ほんものだ…!!ぼくのあこがれなんです!!」
サヴァーカ「そ…そうか…うれしいよ」
その後、しょぼんはサインをもらったりしたのちに、我々はサヴァーカさんと別れてコンビニを後にした。
レジで精算を済ませ、コンビニを出たのち、あの男にエビフライ弁当を渡した。
男はすぐに弁当を口にした。
???「う……うまい!初めてだ……こんなうまいものを食べたのは……!」
食材を火で焼くことを覚えた人類のような反応をしている。よほど美味しいのだなそれは。
……まて、いま考えてみればこのとんかつ弁当の方を渡せば私がエビフライを食べれたじゃないか。まったく、私は本当に機転が効かないな。
???「こんなうまいものを買って頂いて本当に感謝している。どうか礼をさせてくれ」
男はそう言うと、左手で一冊の本を取り出してきた。一方右手でゴムボールをポケットにしまった。ほんとなんなんだそれ。
???「これは魔道書だ。俺が今までに編み出した魔法をここに書き出している。…といっても原本ではなく複製品だがな。販売もしているがとても高額で取引されている。あんたが魔法に興味がなかったとしても、金にはなるぜ」
魔法?こいつは魔法使いだったのか。…と思ったその時隣にいた未来の魔法使いは叫びだした。
レジに向かおうとした時、隣から声が聞こえてきた。
???「あれー?エビフライどこー?」
???「ユミちゃんエビフライ食べたかったの?うーん…売り切れちゃったみたいだねぇ」
ユミ「残念だなぁ…。ここのおいしいのに」
どうやらとても好評らしい。是非とも食べてみたいものだ。しかし今まさに目の前に困っている人がいることにふと気付いた。
メル「あの、こちらお譲りしますよ」
ユミ「ええ!?いいんですか!?」
コンビニは近いところにある。またのちに買いに行けばいいのだ。
???「よかったねぇ…。あ、お姉さんありがとうございます」
メル「いえ、私は他でもよかったので」
私はこのとんかつ弁当でいいか。
リカ「らっしゃいませー」
この時間は友人のルリカケス・ドラフォガンがこのコンビニで仕事をしている。ここまで読めばどーせ気づくであろう、ルリカケスと呼ぶものは少なく、周りからはリカと呼ばれている。
さて、しょぼんが落としたというキャンディと同じものをカゴに入れ、あの男への食料を探すことにしたが、そういえば何が食べたいかを聞き出せていなかった。いや、私が心の中で独り言を言っているうちに聞き流してしまったのだろう。
メル「そういえば、あの人はなにを食べたがってたんだっけ?」
ちゃむ「なんでもいいけど、できれば米があるものがいいって言っていたよ」
米派か。なんでもいいならこのエビフライの入った弁当でいいか。
それにしても美味しそうだな。私もこれにしようか。どうやらこれで最後らしいし。
???「……いや…ただ空腹なだけだ…。なぁ、 済まないが俺を店の横に移してくれないか……?こんなところに居ちゃあ邪魔だろ…?」
その要求に答えるならばノーマルエンド止まりだ。二周目が出来るならばそうしてみたいが、あいにく人生は一回限りだ。ならば目指してやるよトゥルーエンドを。
メル「それはできません。自分の足で動いてください」
???「できればそうしたいんだがな…空腹で動けねぇんだ……」
メル「なら満たせばいいのでしょう。こんな近くにコンビニがあるじゃないですか。何がお好みです?」
???「買ってきてくれるのか?だが俺に金は一文もないぞ……」
ちゃむ「お金も持たずにコンビニに足を運んだわけ?なにを考えたらこうなるのよ…」
メル「私が奢れば済む問題でしょう」
???「…!?お前…見ず知らずの人に奢るだと…?」
メル「お金ならいくらでもありますよ。お金持ちはお金のない人に恵むべきだと考えておりますから」
別にそんなことはない。ただ流れが自然になるように言っただけで本当はお金はそんなたくさんあるわけではない。付け加えた持論も、庶民的な私の富豪への願望にすぎないのだろう。
???「………かたじけない」
そして我々はようやく店内に入った。
その者の腕に指を当てていたしょぼんは
「この人、脈がないよ!!」
と叫ぶに対するちゃむは胸に手を当てて
「でも心臓は動いてるよ」
と告げる。よくわかったな。
あることをすれば生きながらにして脈を止める方法があるのだという。確か脇にゴムボールを挟むことだったか。
しかしまさかゴムボールを挟みながら道端で倒れるなど普通は考えられない。きっと他の原因で脈が止ま───挟んでる。ゴムボール挟んでる。リアルな死体ごっこでもしてるおつもりなのだろうか。
???「………なんだ……お前ら…」
低い声が空気に響いた。ようやくお目覚めのようだ。
突然響いて驚いたのだろう、しょぼんはさっと自らの手を引いた一方でお前はいつまで胸に手を当てているんだ。
メル「こんなところでなにをしているんですか?」
???「なに…してるわけでもない…ただ動けないだけだ…」
ちゃむ「どこか怪我してるの?」
しょぼん「けいさつよんでやるぞ!」
そこは救急車だろう…そう言おうとしたが、こんな黒服の男が自動ドアの前で倒れ込んでいる不審な光景を見たらあながち間違いでもない気がした。
…コンビニに着いた。「ハッピーシェルフ」という名のそれは、この辺りの人々のオアシスだ。
そしてその場所ではじめに見たのは地面に落ちている黒い横長の物体。こういう得体の知れないものは近寄りたがる者と拒む者のふたたつがあるが、コンビニの入口近くにあったがゆえにその選択さえ許してはくれなかった。
ちゃむ「……人だよね、アレ」
私がそれが一体何かようやく理解したと同時に彼女はそう言った。
メル「どうしてこんなところで倒れているのだろう…」
ちゃむ「まさか…声をかけるの?」
メル「馬鹿馬鹿しいかもしれないけど…夢でそう言われたんだ。私は…それに応えてみたい」
だが返る言葉は何も無い。まさに屍のようだ。
やれやれ、急に難易度が跳ね上がるとはな。私の嫌いなゲームのパターンだ。無論、人生はゲームのように上手くは行かないのはわかりきったことだが。あるいはこれは負けイベントとやらか。
ボンレイ・ショロコッドと名乗るその子は我々とともにコンビニに向かうことになった。よくよく考えると知らない人について行ってはいけないと教育されてないのだろうかこの子は。
ボンレイ…そのままでもとても呼びやすい。だが彼は「しょぼん」と呼んでほしいと頼み込んできた。なるほど、名前の頭二文字と苗字の頭二文字を組み合わせたのか。…ぼんしょじゃないのか…。
私は子供が正直苦手だ。夢に言われたとはいえ、よく声をかけれたなと自分を心で賞賛している。幸い、道中のしょぼんの世話はちゃむがしている。
ちゃむ「魔法使い?」
しょぼん「うん!大人になったらすごい魔法を使えるようになって、色んな人の役に立てたいんだ!今はまだ左ポケットに入れたものを右ポケットに移す魔法しか使えないけど…」
見たところ8歳ぐらいだか、意外と立派な夢を持っているんだな。そしてその魔法は一体何に使えるんだ。手品でお金を儲けるくらいには使えるか。
歩みはさらに先へ。すると道の端に泣いている子供がいた。
???「おんびょー!!どべじゅびぼぼー!!んぶぁー!!びぃいぃいいいぃ!!」
つくづく幼子はどうしてあんなに大きな声で泣けるのだろうと疑問を抱くことがある。ただ泣いているということは何か困っていることがあるのだろう。
私は声をかけてみることにした。
メル「ねぇキミ、どうしたの?」
???「いっやぁキャンディをこんなかにおとしちゃったんすよぉ」
最近の子供はそんなしゃべり方をするのか。さっきまでの泣き声はどうした。
しかし側溝に落としてしまうとは、可哀想なものだな。
メル「そうだな…お姉さん達、今からお買い物に行くんだけど、キャンディも買ってきてあげるよ」
???「ほんと!?そいつぁ運がいいことだなぁ!」
ちょっとこいつの親の顔が見てみたくなった。
しばらく歩いていると、隣の塀から何かが聞こえてきた。
「僕はネコじゃない!!」
そう叫ぶのはこの辺りでは有名な野良猫。名前はハルコ。
猫なのにヒトの言葉を話すがゆえに人気を集めているが、本人いわく昔はしゃべるネコなどたくさんいたとのこと。こいつは何年生きてるのだ。
いつも自分はネコではない、人間だと声を張り上げて言うので正直私はうるさくて苦手だ。
ちゃむ「なにを主張しようと、ネコである事実は変わらないのに」
なんて冷たいことを言うのだろう。確かにそれは揺るぎないことだが。コンビニに着いたらこいつも一緒にレンジであたためてもらおうかな。
???「おっ、おはよう!今日は早くない?」
彼女の名前はシャムシリア・ディエスーダ。やはりというか彼女をシャムシリアと呼ぶ者は少ない。
私は彼女をシャムと呼んでいた時期もあったが、出会ったばかりの頃の彼女はサ行の発音が苦手であったようで、名乗った際はちゃむちりあ・でぃえちゅーだと発してしまったために、多くの人は彼女を「ちゃむ」と呼び、私も次第にそう呼ぶようになった。彼女自身も気に入ってるようだから問題はないだろう。
メル「コンビニで朝食を買いに行こうと思ってな」
ちゃむ「ん…めずらしいな、コンビニで買い食いなんて。実はボクもジョギングついでに行こうと思ってたんだ。一緒に行かない?」
お互いどこのコンビニに行くかは一言も口にしなかったが、この近くにあるコンビニはひとつしかないので目的地は同じだろう。
私はうなずき、さっきまでふらついていた足を前へ前へと差し出し始めた。
ようやく見えた上は青色に染まっていた。まるで海のようだ。雲が魚に見える。あの雲はエビにも見えるな…。
…ああ、なんてばかなことをしたのだろう。寝ぼけたせいか、私は視てはいけない光も直に眺めて続けてしまっていた。
はっとした私はすぐに目線をおろした。立ちくらみがする。それでも、こちらにやってくるその姿ははっきりと認知できた。
これの展開今でも覚えてるわ🤔
メル「………おいおい、食パンすらないのかよ」
食べ物がないなら調達するしかない。私は出かける支度をした。
しかしなんだろう、頭に何かよぎるものがあった。そしてそれはすぐに想起された。
メル「…助ける…か。」
この世界ではみんな自分のことばかり考えて、他人のことなど目もくれない。手伝いをしようとすれば笑われることすらもある。だが一応、一応だ。その程度の心持ちで人を助けると胸に刻み、屋根のない世界へ飛び立った。
その部屋は仄かに暗く、しかし感じるのはむしろ明るさで、雀の鳴く音が耳に入りながら、太陽のベールが目を覆った時、私は無意識にまぶたを開いた。
メル「………夢か…」
メル「…まるで…ファンタジーの始まりみたいだったな…」
メレシスト・ガントネル、それが私の名。けれど私を五文字で呼ぶ者は初対面ぐらいで、慣れ親しむ者からは「メル」と呼ばれている。
時計の針が縦に並ぶ時、私は立ち上がり、冷蔵庫から朝食を作って食べて1日が始まる。
だが規則性は完全にはあらず、例外というものは付き物だ。今日がその日である。
――…私の声が聞こえますか…――
???「…今は何も聞きたくないな」
――いいから聞きやがれ焼き鳥にするぞ――
???「そんなに聞いてほしいか。ならば聞くぞ」
――あなたは今日、食を求めて外へ小さな旅に出るでしょう。その時困っている人がいたら積極的に助けてあげてください――
???「変な頼みだな。知らぬ者に手を差し伸べるなど。気は進まないが…出来る限り尽くそう」
――頼みましたよ…メレシスト――
「おいこれ……嘘だろ………」
フクナガの顔はみるみるうちに蒼白としていった。
「いわゆる…心霊現象、かもね、あははは」
「なんでお前は平然としてられんだよ、死ねよ…。」
「買ったテレビが呪われてたのかも、これはまずいね、このままだと僕が貞子とイケない関係になってしまう」
「お前もうマジで死ね……………っておいおいおいこれやべぇぞ…。」
『やはr………ザアッ………論r………………ザアッ……ザアッ………』
気づけば小さかったノイズは画面全体にまで及んでおりもはや『眼鏡の数学講座』をまともに視聴することすらままならない状況へと変貌していた。
「なるほど、もしかして電波ジャックかな」
呆気にとられていた2人だったが先に口を再び開いたのは星野だった。
「ふぅ、そうっぽいな、つーか誰だこいつ(笑)」
教育番組に代わってテレビに映し出されたのは薄暗いコンクリート壁の部屋とそこに佇む赤いフードを身に纏った女。
いつの間にかあれ程激しかったノイズは面影も残さないほど静かに鳴り止んでおり画面には鮮明にそれらが映っていた。
「誰だこの女(笑)」
「不気味だなぁ、何がしたいんだろ」
2人が画面に映し出されたその不気味な光景に対して口々に見解を漏らしたそのときだった。
『…え、ジャック終わった?んじゃあ喋るよ?』
「うわ、喋ったよ」
「…ビビらせんなよこのアバズレが」
『はい、ミーバネルチャの皆さん…はじめまして!✌✌』
『わたしの名前はTyamu_gameでーす、こんにちは🤧』
メガネ…👓
がんばれ、止まるんじゃねぇぞ...
ピッ
『はい、ということではじまりましたー、『眼鏡の数学講座』ー!』
『今日の講師は勿論、私メガネ兄貴です。(メガネクイッ)』
「あ?なんだこの陰気臭ぇメガネは?ブチ殺すぞ?(笑)」
「ふーん、数学講座なんて面白そうじゃないか、見ようよ」
「勝手に見てろよ、俺は見ないぞ(笑)」
『今日、学習する内容は……ザアッ………解の公式n………ザアッ………』
テレビに映し出された教育番組を妨害するように突如画面上に幾つかのノイズが走った。
「ん?なんだこの音?このクソメガネのせいでテレビが壊れたのか?(笑)」
「おかしいね、いろくんに前のが壊されたから買い換えたばかりなんだけどな」
「っざけんなよ、もう壊れちまったのかよ、おい、今からクレーム言いにいく…」
「フクナガくん、待つんだ、ノイズが変だ…」
「だからんなもん知ってん…………なんだよこれ……」
目を凝らすとそのノイズはどこか別の部屋を映し出しているように見えた。
その部屋は恐らく打ちっ放しのコンクリート壁の部屋だろう、明かりがついていないのか薄暗い部屋だった。
ミーバネルチャ中心街 ダイスイモ区ウオズマ3丁目付近にけたたましい爆音が鳴り響いたのと同刻
「はぁ…流石にここまで静かだと気持ちが悪いな(笑)」
「ったく、客が来ないっつうのに律儀にカップ洗いやがってよ、お前は本当に不気味な奴だな(笑)、星野」
星野と呼ばれたその男は名前を呼ばれると蛇口を捻り水を止めると、手元のコーヒーカップを念入りに拭き始めた。
「そうかな?僕からすればフクナガくんの方が充分不気味だと思うけどな、例えばその髪型とかメガネとか、あとは個性的なファッションセンスとか……………」
「…黙れ、殺すぞ(笑)」
「ごめんごめん言い過ぎたねw、あはは」
星野は拭き終えたコーヒーカップを皿立てに立て掛けた。
「ミッキーとホーモォは『宝探し』つってどっかに行っちまうし、レオと松前は『遊び』に行っていねーし、困ったもんだな。」
「そうだね、僕も寂しいな」
「ほかの人達は相変わらず帰ってこないし、今ここに居るのは僕とフクナガくんと安倍くんの3人かな」
星野のその言葉にフクナガが一瞬、ハッとしたような表情を一瞬浮かべた。
「おいアホ(笑)、一応もう一人いるだろうがよ(笑)」
「いっけねー、僕としたことが…うっかり」
「馬鹿が(笑)、にしても暇だな、テレビでも着けるか。」
フクナガが客席のテーブルに置いてあったリモコンを手に取ると壁に備え付けられたテレビに向け電源ボタンを押す。
ありがと💕ぎゅー💕💕💕
「Hmmmm……水柱を防御に使うとは見事だNA」Check it out !『地鳴唄 』ッ!」
「へへっ、どうも…」
「…けどYO、足元がお留守ちゃんだぜ兄ちゃん」
「へっ…?」
「
突如、ナイヤガラの足元だけがまるでそこだけに稀代の大地震が来たかのようにグラグラと揺れだした。
「っんな!?」
堪らずナイヤガラは膝をついた。
「YO!呆気ねぇ、ここで見せ場は終了
味気ねぇ、手も足も出ず御退場
泣けるねぇ、じゃあなあばよご愁傷」
「うわぁぁぁぁぁぁぁあ!wwww」
彼がナイヤガラを憐れむように笑いながら再び手をかざしたそのときだった。
「させないよ、『不自由 』」
「それじゃサヨウナラWWwwwww」逆滝 』ッ!!」
先に動き出したのは、招かれざる刺客たちだった。
自身を松前と名乗った男の隣にいた彼は両手をかざすと
手のひらから球状の物体をナイヤガラに向け高速で発射した。
「これ以上寒い決めゼリフ聞きたくないんでもう死んでいいっすよ?ばくわら。」
ナイヤガラはすんでのところで2つの球を回避したものの球はナイヤガラの背後、7メートルに着弾し
爆発した。
「…っ!『
ナイヤガラは自身の背後のすぐ足元から幾つもの水柱を爆風を防ぐ盾を作るように発生させた。
爆風によって弾けた大量の水飛沫がナイヤガラに降りかかった。
はいどうぞ
いんくちゃんのおしっこ飲みたいから飲ませて
~~~~
後日あの時の場所に行ったが、もう男の姿はなかった。まあまたどこかで誰かにあの"薬"をあげているのだろう。
~end~
謎の男「そうか、じゃあこっちにおいで。」
男は歩み寄った俺の口の中にあの"薬"を落とした。その途端、強い眠気が俺を襲った。
しはこう「......」バタッ
~?~
しはこう「...ん」ムクッ
どれくらい経っただろうか。空はもうすっかり真っ暗になっていて、あの男の姿はもうなかった。起き上がり、その場に座り込んで自分の手を見た。まあ、当然のごとく戻っていたのだが。
しはこう「さてと...帰るかな...帰りたくないけど。まぁいつもの生活も悪くはないかな。」
謎の男「で?どうするんだ?君はヒトに戻ること、いやヒトしての生活に戻ることを望んでいるのだろう?」
しはこう「(まぁ、そうだけど...でもな...)」
俺の考えがまとまらないまま話は進んだ。
謎の男「そうだ、今は喋れないだったね。では選択肢をあげよう。2つしかあげないけどね。」
謎の男「A。このままハシビロコウとして生きる。もしAを選んだ場合は動物園に保護してもらうよ。」
謎の男「B。この"薬"を飲み、ヒトとしての生活に戻る。」
謎の男「A....」
謎の男「B....」
俺はBのタイミングで頷いた。
しはこう「(このまま戻れないなら...)」
しはこう「(いや、そんなこと考えちゃダメだ、考えろ考えろ考えろ生存ルートを...!)」
その時俺の思考に閃光が走った
しはこう「(そうだ、もう1度あの男に会って、あの"薬"を貰うんだ。そしてヒトを想像し、俺はもとの姿に戻る。)」
しはこう「(さて探しにいk...)」
謎の男「どうしたんだい?こんなところで、少年」
男は柔らかい声のトーンでそう言った
しはこう「(何故、何故俺のことが...?)」
謎の男「どうやら君は気がついたようだね、そうだろう?」
しはこう「(何故俺の考えが分かったんだ...?)」
謎の男「まあ、びっくりするのは無理もない。でも今はそんなことはいいんだ」
謎の男「実は君以外にもあの"薬"をたくさんの人達にあげてるんだけど、君が考えたことに気づいたのは200人中たったの3人だったんだよ」
明日から私がんばっちゃうぞ
>> 17
まかせやがれ♡
体調崩さない範囲で無理しろ💕
っしゃ、俺も頼むで。
....
謎の男「あぁ、まただめだったよ。」
そう電話相手にひとり大型鳥類の羽を掴み猫を抱きかかえながら呟き受話器を元の場所に戻した。
あ、あまりイメージがつかない場合は…どうします?
体調崩してミバちゃん来なくなるなー(・ω・`;)