真昼の迫真ランド

【SS】Requiem:channel / 62

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ちゃむがめ 2021/07/04 (日) 16:10:56 修正

「…これは本国ミーバネルチャの極秘事項だったが、我々政府機関は以前より国の公認した断片者(フラグメンター)に限り対テロ作戦や組織的な犯行や強力な武器が使用される犯罪に対する"秘密兵器"として運用する方針を固めていた、謂わば断片者(フラグメンター)の兵器転用だ。今回の水際作戦はそれらの有用性を国内に留まらず同ミーバース連邦内諸国へとアピールする絶好の機会という訳だ、君達の中の"国家公認断片者(フラグメンター)"諸君には通達の際に『本作戦に限り特別に断片(フラグメント)の使用を認める』と伝えた。」

米田の語った衝撃的な事実に会議室の中はどよめく、おれもその例外では無かった。
(…それじゃあおれは"国家非公認の断片者(フラグメンター)"で回収対象じゃねーか…)という他の者とは別の理由だったが。

「…つまり、通達通り我々国家公認断片者(フラグメンター)は本作戦に限り断片(フラグメント)を使用して良い、と受け取って良いのですね、上官殿。」

会議室内のどよめきを他所にレミートは冷静に米田に問い返す。

「あぁ、要はそういうことだ。ちなみに言い忘れていたが、本作戦で特に成果を上げた者には勲章の授与、階級の昇進も約束する、そして…己の有用性を示した国家公認断片者(フラグメンター)の者達には公安対断片者対策課(こうあんたいフラグメンターたいさくか)(通称:公安対断課(こうあんたいだんか))への移籍も検討する。」

公安対断課!?その存在の噂は聞いていたが本当に実在していたのか…。

「レミート、他に質問は?」

「いえ、もう結構です。ご衍義(えんぎ)頂き感謝致します上官殿。」

「…よろしい、他に質問のある者は?」

次々と開示される断片(フラグメント)に纏わる情報群に未だ混乱の色を隠せていない会議室内の者達は返って冷静に努めるように静まりかえっていた。

「…それでは本日の緊急治安管理会議はこれにて終了する、明日は水際作戦決行前に一度またここに集まってくれ、以上だ、解散!!」

水際作戦に参加する者達の表情の明暗は
国家公認断片者(力を持つ者)非断片者(持たざる者)とでハッキリと別れていた、国家非公認断片者(望まなかった力を持つ者)の俺を唯一人(ただひとり)を除いて。

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