真昼の迫真ランド

【SS】Requiem:channel / 20

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ちゃむがめ 2021/06/23 (水) 17:46:42 修正

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「あの灰菜とかいう女の子、あんな"曰く付き"の部屋で眠れるのか、俺だったらァ寒気がして一睡もできやしないな。」

「心配ないよホーモォ、急拵(きゅうごしら)えだったけど、最低限の整理整頓は済ませたし、ベッドメイキングだってバッチリさ。」

「相変わらずの"自信過剰"な"世話焼き"屋だな、お前ってやつは」

「あのねホーモォ、これは僕の持論なんだけれど、(ゲスト)への施しを自分で謙遜し否定することは、施しを受けた(ゲスト)に対する侮辱になると思うんだ。」

「…あぁもう分かった、お前の素晴らしいご高説を聞いていたら欠伸が出てきた…他の奴らも寝たし俺はもう寝床に着くぞ!」

「ははは…君にはこの紳士の機微が分からないか…おやすみホーモォ、あぁそれと、これは忠告だけど。」

「…何だ?」

「…灰菜ちゃんの部屋には行くなよ、君が彼女とここに来てから(よだれ)を垂らさんと必死に文字通り『固唾を飲む』のを僕は見逃さなかった、君は今晩彼女に"手荒なもてなし"をするつもりだったんだろ?」

「ハハッ、バカなジョークはよせよ。俺はもう若い頃とは違う、腹が空いたからといって共食いを始めるネズミのように扱うなッ!」

「そこら辺にしておけ、他の奴らが目を覚ますぞ」

「「…!?」」

「ミッキー…起こしてしまったかい?」

「ハハッ!いいや、俺もホーモォに用事があったんでな」

「…何だよ、俺に用事…って」ガタン

「お前がもし一時の迷いであの娘に手を出すという事があれば、その時俺達は迷わずにお前を殺すぞ。」

「………クソッ」

「腹は空かずとも必要があれば"ネズミ"は同胞を喰らうということ、よく覚えておけ。」

「…分かった、素直に白状する。俺は今日新入りのあの子を"つまみ食い"しようとしていた。腹を満たすだけならあの子に拘る必要はない、一時の食欲に負けて獣に成り下がるところだったのをお前達が目を覚まさせてくれた、感謝する…。」

「…僕の方こそさっきは感情的になりすぎていた、ゴメンよ。」

「ハハッ!それもそこら辺にしといてくれ、湿っぽいのはウチに似合わないだろ、今夜はさっさと寝てろ。」

「ま、そうだな…本当に欠伸が出てきたぜ…おやすみ…ミッキー、星野」

「お休みなさい、僕も明日の店の仕込みに備えて早く寝るとするよ…じゃあまた明日…」

「あぁ、おやすみ。」

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