真昼の迫真ランド

【SS】Requiem:channel / 166

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相原ガガ美 2022/03/07 (月) 22:54:39

「…良いニュースから」

「ハハッ…そうか。じゃあまず、お前の元上司で公安対断片者(フラグメンター)対策課Ⅲ班所属のレミートがお前を国家公認断片者(フラグメンター)に推薦した。教祖の介入が不測の事態だった点とお前が無断で断片(フラグメント)を使ってまで同僚を身の危険から守ったその勇姿を評価して、とのことだ。」
「つまり、もうすぐ晴れて自由の身。再びお前は治安管理局員として、しかも今度は国家公認断片者(フラグメンター)の肩書きも得て、遺憾無く実力を発揮できる訳だ。ハハッ!」

「そう…だったのか…。あのクソアマ元上官、意外と人を見る目あるじゃん…。」

「そして、ここからは悪いニュースだ。これはお前の大嫌いなイェ・バン(元同期)から聞いた話だが。
お前が夜宵エマ(泥棒猫)、そして茗夢遊戯(教祖)と交戦したあの日。突如として介入し、教祖を足止めし、結果としてお前と大水木なんちゃらとかいう名の局員の命を救う事になった"鍵の断片者(フラグメンター)"の存在。ここまでは記憶と相違は無いか?玲羽」

「あの日は怒涛の展開が続き過ぎて正直混乱していたけど、そこまではまぁ…覚えてる。」

「そうか、単刀直入に言う。"鍵の断片者(フラグメンター)"の正体はお前の同僚、大水木あきらだ。正確には既にこの世に存在しない鍵の断片者(フラグメンター)の能力を使役した、大水木が持つ"死者の断片(フラグメント)を使役する断片(フラグメント)"によって。」

「…え、は?はぁ!?いや、いやいやいや…そんな訳ないだろ。大水木は非断片者(フラグメンター)だって本人も言ってたし、それにもしそんなチートな断片(フラグメント)持ってたら…今頃ヤバい奴らに捕まるだろ…。」

「ハハッ!お前は話が早くて助かるよ玲羽、まさにその通り。この事実が広まればヤバい奴らに狙われる。あの日あの時あの瞬間大水木はその力に目覚めた。この事実に気づいているのは今のところ大水木本人と俺とお前、そしてイェ・バンももしかすれば今頃この事実に気づいているかもな。」

「…そうだったのか。…大水木は今無事なのか!?」

「まぁそう息を荒げる前に一先ず落ち着けよ。ハハッ!とりあえずお前が厳罰処分で檻の中にいる間はピンピンしてる、これだけは確かだ。」
「だが、あいつを守れるのはこの事実を知ってるお前ただ一人だけだ。今のヤワなお前にその覚悟はあるのか?」

「覚悟はある…だけどまずそれに見合う強さが無きゃいけないなのは分かってる。だから今の俺のままじゃだめなんだ。」
監獄の外(娑婆)に出たら…次は茗夢やイェ・バン(あのクズ)にも勝てるくらい強くなって、誰よりも強くなって俺自身も、大水木も、俺の班のクソガキ達も…俺の大切な物を全部守れるくらい強くなってやる…!」

「ハハッ!その意気だな、玲羽"少将"。」
「約束通り、それじゃあな。次に会うときには敵同士かもしれないが、その時は期待してるぜ。ハハッ!」


「…ミッキー、らしくないじゃないか。一端の局員にあれだけ肩入れするなんて。一体どういう風の吹き回しなんだい?」

「星野、お前はまだ知らないだろうな。アイツはいつの日か重要な役を担うことになる。」
「この国の始まりから終わりまでの歴史が1つの物語にだとしたら、アイツや灰菜は主役級の登場人物(キャラクター)だよ。」

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