真昼の迫真ランド

【SS】Requiem:channel / 158

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相原ガガ美 2022/02/11 (金) 16:22:48 修正

「なんや、ワイが今からこの脱獄教唆の犯罪者の正義の"ギロチン"で断罪してあげよーとし思うてたところに、何者やアンタ?どう見てもこっち側の人間には見えんが。」

「そうね…言うなればお熱い絆で固く結ばれた仲間の1人…ってところかしら♡」

「せやったか(てかコイツキモいな…彡(゚)(゚))、ほなアンタも死刑(同罪)や。」
ホモ男(・・・)に性別分からんハッカー、それに気色悪いオカマ…なんやアンタらまるでジェンダーマイノリティの活動家の集まりみたいやなぁ。」

リファエルはともかく、こんな名前のせいで俺まで同類扱いされるのは不本意なんだが。

「…まぁ!?今の発言!私()の乙女の(ハート)にヒビが入ったわ!」
「私、強い男はタイプだけどアンタみたいな無神経な男、死ぬ程嫌い!」

「…とくさんか?すまんけどワイ全然ノンケなんや、LGBTなんかクソくらえや彡(^)(^)」

「そう…救えないわね。でもこれで心置き無くアナタを葬れる。」
「内なる恐怖に怯えなさい、"戦慄の注射器(アズカニズカ)"

ヤテツの片掌から毒々しい紫色をした液体の入った注射器が具現化される。
ヤテツは注射針をソゥメンのいる方向へ向けると、銃の引き金をを引くような仕草で押し子を徐々に押し出す。
不思議なことに、注射器から押し出されたあの毒々しい色の液体が注射針から射出される様子はない。
しかし、注射針を向けられたソゥメンには目に見えて変化が起こり始めた。

「なん、や…?…あ?四肢が…四肢が…!!」
「…こんなん達磨や!乙武(かたわ)や!嫌や…いやだ!!助けてくれ!!お、俺が悪かった!!降参する!!!だから医者を呼んでくれ!!彡()()」

いや、ソゥメンの四肢はしっかりと繋がっている。
ただ、四肢の神経が途切れたように身体が崩れ落ち、陸に揚げられたタコのように床を這いずり回りながら発狂している。
傍目から見れば幻覚に怯えるヤク中にしか見えないが。

「幻覚が見えるのか?お前の断片(フラグメント)の能力は」

「ふふっ、まぁそんなところよ。それも死ぬ程怖いとびっきりの幻覚(トリップ)♡アンタも打ってみる?」

「やるかんなもんふざけんな」
「とりあえず刀は取り上げて、縄で拘束しとくか。万が一コイツがまた正気を取り戻したら厄介だしな…。」

「…流石はホーモォ、ヤテツガナイ…良くやったわ!あなた達が戦っている間、ワタクシ強キャラ感を出す為に優雅に紅茶を飲んでいたのだけれど、恥ずかしながらこのリファエル、闘争の類は門外漢でしてよ!」

「フフッ…リファさんったら相変わらずお茶目な人ね、私達それもう千回ぐらい聞いたわよ。」

この監獄を支配する看守達から差し向けられた刺客達を退け、束の間の平穏が訪れたかに思えた。
だが、本当に恐るべき恐怖の影が、この監獄のその更に地の底の地獄に巣食う腹を空かせた異形の足音が刻一刻と迫っているのを俺達はまだ知らなかった。

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