海底スナック『竜宮』では勝特隊エージェントの缶ビ隊員が微妙な面持ちでママの顔をうかがっている。
缶ビ 「朝日杯JF・・あんなに順当に収まっちゃう? 取るには取ったが3連複1,280円か~い!」
ママ 「いいじゃない。いくらかでも浮いたんだから」
エージェント缶ビの顔色が曇った。
缶ビ 「そ、それが・・・どうしても絞り切れずに6頭での3連複BOXにしちゃった。万全策の2,000円投資だよ」
タイ 「え~~っ!ガミったのぉ~?」
ヒラメ 「買う時にオッズが出るじゃないの」
缶ビ 「もっと違うところのデカいところを夢見ていたから、細かいとこまで確認しなかった」
乙姫 「まあ、大雪で疲労が蓄積してたってこともあるのよね」
缶ビ 「そう、それそれ、大雪のせい。それもこれも大雪が悪いんだよ」
乙姫 「弁解は良いとして、いよいよ有馬記念ね。ここはきっちりと締めましょうね」
缶ビ 「うん。そうしたいんだが・・またまた上位が強そうなんだ。
ただ、もしその一角を崩せるとしたら・・そのあとに続くところが大混戦と見る。人気は割れるんじゃないかな」
タイ 「わ~い、大混戦好きぃ~!」
ヒラメ 「いわゆる3強はイクイノックス、エフフォーリア、タイトルホルダーね」
缶ビ 「いや、近走不調のエフフォーリアよりジェラルディーナやヴェラアズールが3・4番人気になっている。
ハッキリ言って上位10番人気くらいまでは甲乙つけがたい」
乙姫 「もう土曜日なんだから全く手を付けてないなんて言わせないわよ。アラーム鳴ったんでしょ?」
缶ビ 「まあ、まあ、そうあわてないで。
中山2500mは6角(3ターン)回って2度の上り坂。しかも最後の直線は310m。
もっぱらスポーツ紙などでは、最後のヨーイドンにはならないと言われている。
スタミナで言ったらタイトルホルダーや、実際に中山実績のあるイクイノックスは問題ないと思うんだ」
タイ 「エフフォーリアは実績はあるけど近走の不調が気になるわね」
ヒラメ 「じゃ末脚勝負の馬は中山向きかどうか要注意ってこと?」
缶ビ 「うん、近10走の馬柱で見ると、ジェラルディーナ、ボルドグフーシュ、ヴェラアズールが
10走中7走が最速上りで末脚勝負のタイプと言える。
どうもジェラルディーナが気にかかる。大丈夫かなぁ」
乙姫 「何でよぉ~? 2走前のオールカマーも問題なく勝ったわよ」
缶ビ 「あれは2200m。外回りコースだ。2000mや2500mの内回りに比べてややコーナーが緩い。
まあ、器用にこなす馬にはさほど気にならないかもしれないが・・・。
ジェラもあの時は後方じゃなく好位の5番手追走だった。騎手だって考えるだろうし。
小回りの小倉の実績もあるし大丈夫だろ、きっと」
タイ 「その言い方は絶対の軸にはしてないわね」
ヒラメ 「ボルドにしても小回り実績はないわ。
ヴェラは3勝クラスで1度3着入選ね。勝つまでは行ってないわ。でも来ないとまでも言えないんでしょ?」
乙姫 「じゃ、アラームは何を指したの?」
缶ビ 「世界に追いつきある・・いや追いついてるかもしれない日本の競馬。まるでサッカーのようだ。
先週終了したワールドカップが記憶に新しい。アルゼンチンの優勝で終了したが日本もがんばったよ」
タイ 「で、何が言いたいわけ?」
缶ビ 「アルゼンチン共和国杯を制した馬は世界一のさらに上ということだろう?」
ヒラメ 「ようやく言いたいことが分かったわ。ブレークアップね」
乙姫 「でもあれは東京コース。今回の中山内回りは?」
缶ビ 「3勝クラスでヴェラが3着入選した時の2着馬がブレークアップだ」
乙姫 「なるほど、上位を脅かせるわね。 で? 優勝はアルゼンチンだったけど準優勝はフランスだったわね」
缶ビ 「フランスと言えば・・・凱旋門だろう」
タイ 「あ、凱旋門賞帰りの馬ね。 つまり2着馬候補ね。どっち、どっち?」
ヒラメ 「じゃ、3着に来るのは? クロアチア絡みの馬っているの?」
缶ビ 「・・うっ・・そ、それは・・・ク、クロアチアのユニフォームが紅白の市松模様なのさ。
なんか、アカイイトの勝負服がそれっポクね?
・・まあ、そこは手広く拾いましょうね。 (^_^) 」
乙姫 (・・なんか、いつも最後の締めが胡散臭いわね)
タイ (勝負服・・厳密にいうと市松模様じゃないわ)
ヒラメ (どこまで信じていいのやら)