寒さが増していよいよ冬間近。晴れていても風が冷たい。
宇宙怪獣との戦いを終えて今日のお仕事も終わり、
勝特隊エージェントの缶ビ隊員はいつもの金曜日のように海底スナック『竜宮』のドアを開けた。
乙姫ママ 「あら、いらっしゃい。寒くなってきたわね」
缶ビ 「ああ、暖かい鍋が恋しい季節になったね。もう~・・寒いのは苦手だよ」
ママ 「今日も怪獣退治?」
缶ビ 「ああ、危うく3分を超えて時間外になるところだったよ」
ママ 「ジャパンカップのほうの捜査は進んでて?」
缶ビ 「う~ん、今年は外国馬が久しぶりに絡んでくるかもしれない。
何でも今年、東京競馬場内に新国際厩舎ができて検疫可能になったらしいんだ」
ママ 「するとどうなるの?」
缶ビ 「外国馬は去年までのように、一旦千葉県に滞在して検疫を受けてから東京競馬場に移るという
行程が不要になる。輸送行程の手間が一つ省けるらしい」
ママ 「まあそれだけで外国馬が勝つとまでは言えないけど、可能性が広がったというわけね」
缶ビ 「しめしめと思っていたら、今朝のサンスポがでっかい記事でそのくだりを書いていた」
ママ 「まあ~、狙い目だったのにね。いくぶん人気にも影響するんじゃない?」」
缶ビ 「でも新聞では狙いはデュネスらしい。サッカーのワールドカップにかけてドイツの逆襲とか言ってる」
「え~~、なになに?ジャパンカップの狙い目?」
店の子のタイとヒラメが舞いながら寄ってきた。
タイ 「聞こえたわよ。外国馬にもチャンスが広がったんですって?」
ヒラメ 「でも上位はやはり日本馬みたいね。食い込んでくるとしたらデュネスなの?」
缶ビ 「いやいや。うちの捜査線上に上がっているのは外国馬では・・・ふっふっふ」
タイ 「何よぉ~?大将格のオネスト?」
缶ビ 「いや、サッカーだの大将だのとゴロ遊んでいる場合じゃない。
ずばり、グランドグローリーだ。
どの陣営も日本の芝でも行ける・・・的なことを言ってるが果たしてどうなるか?
実際に昨年走って掲示板(5着)に乗ったのはグランドグローリーじゃないか」
ママ 「でも、ことしもやっぱり5着・・では馬券の対象にはならないわ」
缶ビ 「その名前を聞いて気がつかないかい?」
タイ 「え、何よ? 血統的なこと?」
缶ビ隊員はここぞといわんばかりに叫んだ。
「グランドグローリー・・・名前の中に『グ』が2つも入っている」
ヒラメ 「・・・はぁ~?」
缶ビ 「ジャパンカップの時期はもう鍋の季節だ。
鍋と言えば『具』が多いほうが良いんだっ!
一人1個しか牡蠣があたらない土手鍋が楽しいかっ?」
タイ 「1個じゃ食べた気がしないわ」
缶ビ 「肉の入ってないすき焼きがうれしいかっ?」
ヒラメ 「ダメよ~ん、ダメダメ」
缶ビ 「真冬より寒くなりかけの今こそ『グ』が多いほうが良いんだよ」
タイ 「きゃぁ~!そうよ、そうよ。推しはグランドグローリーしかないわ」
缶ビ 「あくまで日本の有力馬を中心に外国馬も絡めるというわけさ」
ヒラメ 「なんか鍋パーティーしたくなってきた」
ママ 「じゃあ、今日は盛大に前祝ね。鍋パよ、鍋パ。たっぷり具の入ったやつね」
缶ビ 「ただ、一つ残念なことがあると言えば・・・シルポートにも出てほしかったww!」
ヒラメ 「あ~ わかるわ。具を盛り立てるのは汁なのね」
ママ 「大丈夫。私の血液はだし汁でできてるから」
缶ビ 「ん~~!どこかで聞いたことがあるぞぉ。うひゃひゃひゃ」