いよいよ今年の3歳G1が始まる。
勝特隊(勝馬特別捜査隊)エージェントの缶ビ隊員の胸が高鳴る季節だ。
「勝馬捜索センサーのアラームが鳴りっぱなしだぜっ!」
ここは海底スナック「竜宮」。エージェント缶ビのうめき声が響く。
ママの乙姫がにこやかに聞き返した。
「そんなに鳴りっぱなすほど狙いの馬がたくさんいるのね」
缶ビ 「でもその割には結構人気になりそうで旨味がなぁ・・・。
週初めにはプレサージュリフトに反応してね」
乙姫 「ああ・・2戦無敗ね。月曜日の日刊Sじゃ印が一つだったのにね。
何でなんだろうと思っていたら、サンスポじゃちゃんと人気になってたわね」
缶ビ 「そうなんだよ。それからもサブライムアンセム、スタ-ズオンアース、
フォラブリューテ、ライラック・・・鳴るわ、鳴るわ」
乙姫 「でも、みんなそこそこ印が回っているわね」
缶ビ 「たしかにどれもありそうなんだが、全部買っていられない。
ここからの捜査がうちらの仕事だ」
店の女の子たちが聞耳を立てながらヒソヒソと話している。
タイ 「もう木曜日よ。追切りの情報も出ているし・・・」
ヒラメ 「今さら探してて間に合うのかしら」
缶ビ 「おいおい、聞こえてるぞぉ~。
ちゃんと目星は立っているんだよね」
乙姫 「もう~っ・・・それを言ってよ」
缶ビ 「まだあくまで目星の段階で、捜査はこれからなんだが・・
まず当初の狙いはベルクレスタだった。
3着だったクイーンCでは最速の3F上り。プサージュリフトより早い」
タイ 「デビュー戦でも3F最速上りで、勝った牡馬のセリフォスより早いわ」
缶ビ 「ただ切れっぷりが長続きしないから、3Fタイムは最速でもゴール前の脚いろは
セリフォスやプレサージュのほうがやっぱり早い」
ヒラメ 「そうね、後方から行って3・4角中間あたりから早めに仕掛けるので
ゴール前でちょっと鈍るのね。3Fタイムは最速でもゴール前では・・」
乙姫 「で?そのあとの捜査では?」
缶ビ 「へっへっへ。ちょっと勿体をつけてたんだよぉ~。
ラブリイユアアイズ。阪神JF2着馬だ」
タイ 「JF2着馬なら実力ありじゃな~い?当然人気じゃないの?」
ヒラメ 「あら?両紙とも印が少ないわ。なんでかしら?」
缶ビ 「決着済みと思われているのかな?
ここは、阪神への2回輸送を避けて直行で馬体回復を優先させたラブリイが
2強に割って入れるか?」
乙姫 「エージェント缶ビもチューリップ賞以来 鳴かず飛ばずね。
ここはラブリイとともに一矢報いなきゃね」
タイ 「鳴かず・・って・・ママもきついわね」 (ヒソヒソ)
ヒラメ 「鳴かないけどいつも泣いているのにね」 (コソコソ)
2人 「ぎゃははは!」
缶ビ 「最後は結局大声か~いっ!」😤