カチャ
エミリー「動くな」
シナノ「…あ、目を覚ましたようですね?待ってましたよ。流石は我々と同じ人外ですね」
エミリー「同じ…?どういうこと」
シナノ「…はて、…あぁ、あなた私の腕が何か変だと思いませんでしたか?」
エミリー「…?」
シナノ「少し期待外れですね、なんか…こうドラゴンアイ!とかあって幻影を見破ったりするのかなって思ったんですが…」
エミリー「何を言って……」
ービリッ
エミリー「…!」
ーーー(鈍い音)
エミリー「カハッ!?」
シナノ「おや…生きてましたか。ちょっと本気で殴ってみたんですけどやはりドラゴンは丈夫ですね」
バンバンバンッ(射撃音)
バチンッー
エミリー「弾を…弾いた?」
シナノ「そういえば自己紹介してなかったですね。知っての通り、私はシナノ・リン・ジュスティーヌ。帝国宰相府外務宰相。"雷鳴者"…そう呼ぶ研究者もいます」
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エミリー「そんなことは分かってる。…目的はなんだ、研究にでも使うつもりか?」
シナノ「それもありますね。あなたの体組織…皮膚や髪の毛の一つでも手に入れば研究所としては大喜びでしょうし」
エミリー「なら何故直接研究所に送らない?本当の目的はなんだ」
シナノ「とてもシンプルですよ、いくらあなた方にとって帝国が異質でも、生物実験から生まれた被験者を外務宰相にしているなんで思いもしなかったでしょう?その外務宰相をあなたと退治させたら…どうなるのか」
エミリー「……それが目的か」
シナノ「極東では…、そうそう…一騎打ちとか言いましたね。始めましょうか」
シナノ「偽装も必要ないですし、磁界制御も解いちゃいましょう」
エミリー「……私より酷いね」
シナノ「私の本来の右腕は、"ちょっと"昔の名残ですよ。何のリスクもなしに人外の力を行使できる例は知ってる限り……3人?いや2人と1匹?くらいなものですが」
エミリー「……」
シュッ
シナノ「……年齢なんて忘れましたが、あなたよりは長生きしてそれなりに経験、技術を積み重ねてますので、……全力で叩きのめすまで」
ドゴッ!
エミリー「……随分馬鹿力じゃないか」
シナノ「……まずは腕からもぎ取ってみるか」
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