数時間後、空には朝日が昇っていた。
日光が山々に反射し、あちこちで反射して綺麗に光っている。
そんな景色を見ながら、ライラ・ニーニコスキは兵舎に入っていった。
奥では、チェコ軍の砲兵隊が敵兵めがけて盛んに砲撃を行っている。
「撃て!」
その言葉とともに、砲列が一斉に火を噴いている。
8発の152mm榴弾砲が空を駆け抜けていき、遠くにうっすらと見える山中に着弾した。
「あ、おはようございます」
中に入ると、ミレナ・レヴァーが朝食を食べていた。
砲撃の騒音のせいで、テーブルの上に置いてあるスープが小刻みに揺れている。
「おはよ、ミレナちゃん」
「ライラさん、こんなに揺れてるけど本当に大丈夫なんだよね?
今にも崩れるような気がするけど…」
「大丈夫ですよ。これぐらいじゃ崩れません。」
椅子に座りながら、向かい合って彼女はそう言った。
「あ、そうだ。今日の戦況は?
昨日の夜に随分ドンパチやってたみたいだけど…
知ってる?」
「いや、さすがに知らないです」
「ま、そうですよね」
レーションの袋を開けながら、
ライラは窓から再び榴弾砲の射撃を眺めていた。
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