森の中に作られた簡易的な航空基地に、
チェコ空軍のクノヴィツェ L-430双発輸送機が着陸した。
タラップから滑走路に降りると、現地指揮官とそれを護衛する歩兵小隊が出迎えてくる。
「どうも、イェレミアーシュ中佐です。
各種車両は奥のバンカーに止めてあるので、
ご自由にお持ちください。」
言った通り、滑走路の奥に航空機用のバンカーがあった。
そこを目指して、部隊が現地指揮官の説明を聞きながら移動していく。
「敵部隊の大部分は制圧しましたが、
刘梓萱…「南昌の暗殺者」を含めた残存兵は
先週からゲリラ戦を展開してます」
「そうか。残存している兵はどれぐらいだ?」
ハンネス大佐が質問し、中佐が素早く答える。
「大隊規模です。
あの「暗殺者」さえ排除すれば、
残敵の掃討は容易と思われます」
「そいつが原因の損害はどれぐらい出てる?」
「輸送ヘリ2機と攻撃ヘリ1機が撃破、
無人攻撃機1機が撃墜。
装輪装甲車4台撃破。
…あくまで、奴の攻撃と断定できたものだけですが」
「ヘリが3機撃破か。 …残存機は?」
「輸送4,攻撃5」
「攻撃2と輸送1をこっちの支援用に回してくれ。優先目標だ」
「了解しました。 空軍の者に言っておきます。」
そんなことを言っている間に、バンカーに到着した。
「思ったより、結構色々あるな」
エルヴィーン・ロハーチェクが呟く。
目の前には、ジープから歩兵戦闘車まで
雑多な車両が定員分用意されていた。
「おい、ライラ。
どの車両に乗るのがいいと思うか?」
「あ、それはー」
通報 ...
数分後、彼らは狭いOT-94装輪装甲車の中に押し込まれていた。
もちろん景色は見えないし、クーラーも無いのでそこそこ熱い。
ただし、その代わり防弾性能は保障されている。
「…そういえば、まだ皆さんの使ってる銃を聞いてませんでしたね。」
ライラが全員に質問する。
エルヴィーンが答える。
「vz.54自動小銃。ストッピングパワーなら一番だ。」
デニスが答える。
「Vz.68散弾銃だ。近接ならこれが最高だぜ」
ラドヴァンが答える。
「vz.64短機関銃とRPG-85対戦車兵器。
遠距離戦闘には向きませんが、支援要員としては十分でしょう」
グエンが答える。
「Cz.807のマークスマンです。
ビエンさんも同じものを使ってます」
最後にテオドルが答えた。
「Cz.1905。最良の友だよ」
「一次大戦期のボルトアクションライフル?そんな旧式兵器が使えるのか?」
デニスが古い銃を馬鹿にする。
「なに、故障もしないし威力も申し分ない。
私から見たら最高の武器だよ。」
「それで… ニーニコスキとレヴァーは何を使うんだい?」
続いて、ラドヴァンが2人に質問した。
「cz.07です。
重量的に1人で持ち運ぶのは無理なので、現地の皆さんに運ばせる予定です。
…あ、それとレヴァーちゃんは?」
「ZK-383短機関銃です。1938年採用ですが、
これは今年生産された物なので故障の心配はない…と思います…。」
自信が無さそうにミレナが言う。
「ま、大丈夫だろうさ。
私の小銃は1932年製だが、今まで故障したことはない…」
そんな話をしながら、装輪装甲車は山道を走り抜けていった。
ア・セブン・ネーション・アーミー・クッドントゥ・ホールド・ミー・バック
2024年2月25日 AM5:50
ライラ・ニーニコスキ
トラスト市江西省
Vz.54…M14 Vz.68…レミントンM870
Vz.64…スコーピオン RPG-22…M72 RAW
Cz.807…MASADA Cz.1905…モシン・ナガン
cz.07…ダネル NTW-14.5