先程まで闇に覆われていた裏路地が夕焼けのように一気に赤く染まる。
影から奇妙にうねりながら火の粉を放つ尻尾が姿を現す。勢いよく燃える炎を出しながらゆっくりと立ち上がると、見ているだけで吸い込まれそうになるような火の中から鋭い爪を持つ白い鱗に覆われた腕が見えた。
「…こりゃ驚いたなぁ、大抵の奴とは戦ってきたと思ってたけどここまで格闘術が上手い奴は初めて見た」
『ガソリン……?、いやその腕といい、それが貴女の技能ですか』
再び右腕が燃え、勢いよくミーナに向かって襲いかかる。さってまで利軍の近接格闘術を使っていた様子とは打って変わって、それこそまるで化け物かの様な戦い方だった。
適応してきたミーナが段々と機械のように正確に対応し始める。取っ組み合いのような形になるものの、首元からミーナの頭に向けて火が湧き出た。体を背けたため炎からは逃れることができたがナイトビジョンにより視界が白一色となっていた間に、指から伸びる爪が機械で覆われた顔を襲う。傷跡から電気回路が露出し、少しばかり火花が飛び散る。
「ハッ、やっぱりお前も大概じゃないか!バケモノめ」
『少なくとも貴女ほどではありませんよ』
途端にガントレットから擲弾が放たれ、今までに何度も嗅いだことのある火薬の独特な匂いを放ちながら破片が真っ白の腕にかぶりつく。
鱗のお陰である程度は防げたが、それでも左腕の方は使い物にならなそうだ。
再び今度は右腕を用いての格闘戦闘に移り、数箇所爪で引っ掻く事ができたが、機械類と装甲板がそれを邪魔する。ハイキックがうねうねと動くコートに防がれると、代わりに影から尻尾が勢い良く胴に向けて飛びかかった。ルイスの時のようにはいかないがそれでも少しよろめき、再びガントレットの先端がこちらを向く。擲弾を撃った時とは違う気がする。
既視感だ、シナノのレールガンの時のような。
すぐさま猛獣のような火を放ち、不安の種を取り除こうとするが、すでに遅かった。
血のような赤色に光る熱光線が迷うことなく一直線に突き進み、火がミーナに到達する前に脇腹を貫いた。
「チィッ……」
そこからは早かった。
熱光線が傷跡を沸騰させ、血が左足をつたって滴り落ちる。尻尾がなんとか体を支えようとするが無駄だと言わんばかりにすぐ足の力が抜け、体力の消耗とさっきのやつのせいか段々と意識が遠のいていく。
なんか昔に比べて茶番考える想像力が落ちた気がします。
読みにくいかもですが温かい目で見てもらえると幸いです。
・さっきのやつ
わかりにくいですが>> 1570で突き刺さった麻酔のことです。
お疲れ様です。
戦闘描写って書くのに苦労しますよね( ˘•ω•˘ ;)ムズカシイ…
中と終わりの方はできていますが、初めの方の帳尻を合わせるので少しお待ちくだされ。