「───魔女が魔法の粉をサッとひと振りすると、たちまち子供たちは眠ってしまいました」
「それで、その粉はどんな物なの?」
そんな少女の問いに、枕元で寝物語を聞かせていた1人の女性は優しく微笑んだ。
「ミーナは本当にここの部分が好きだね。将来はお料理上手になったりするのかな?」
その女性はそう苦笑しつつつ、擦られて他より若干よれたページをめくる。
「魔女の秘薬の材料はとても珍しいものです。「ヒキガエルの干物」「アコニツム」「ハイドランジア」...」
掛け布団の中でじっと物語に耳を傾ける少女の中で好奇心は着々と大きくなっていた。
ミーナ・シュリヒト
ありし日の狂愛さん。好奇心旺盛で何でもかんでも確かめてみては自身の姉に聞かせていた。
エルミナ・シュリヒト
狂愛さんのお姉さん。歳の離れた妹のために頑張っている。妹の冒険譚を聞くのが日々の日課。
お姉さんの働いていた工房は2024年現在、200年の歴史を持つ工房として文化財となっています。
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