○月✕日△曜日 モルトラヴィス某所
これは何という幸運でしょうか。まさか観察対象であるジン・ツキヨ氏と巡り会えるとは...。お友達になっていただいただけではなく、このような機会まで下さった彼らには心からのお礼を言わなければいけませんね。
しかし...。せっかくお友達になって頂いたのに、感謝の言葉を伝える機会も今後の交流のお約束も立てることができなかったとは...。
ここまでお膳立てして頂いた手前、恩を仇で返すようで大変申し訳ありませんが何事にも順序というものがあります。彼らは後に別の地区で活動している私をお迎えとして向かわせることとしましょう。
それそうとして。ほんの一端ではあるのでしょうが彼の戦闘技能には目を見張るものがありますね。特にあの格闘術、あれは研鑽によるものなのか種族的な膂力によるものなのか...。メスを入れて調べてみたいところではありますが初対面のヒトを相手にそれは失礼が過ぎます。せめて触診の許可が取れれば良いのですが...。
「あの〜...」
(おっと、少々思考に埋没しすぎていたようです)
彼が気遣わしげにこちらを伺ってきています。
「先程はどうもありがとうございます」
「いえ、自分はただ通りかかっただけなので...」
「助けていただいたことは事実です。これも何かの縁なのでしょう。お礼といっては何ですが...、私とお茶をしませんか?」
・初対面のヒトを相手に失礼が過ぎる→親しげればOKと考えているあたりが狂愛さんクオリティ()
・先程はありがとうございます→暴漢に襲われたという認識が無く、狂愛さんにとって彼らは仁くんと引き合わせてくれた上に『お友達』になってくれた善い人達なのでここでは単純に「戦闘技能」を見せてくれたことへ対する礼を言っております。
・助けていただいたことは事実です→『研究の』助け()
・思考に埋没→興味深いことに遭遇すると考え込むクセがあります。
・私とお茶しませんか?→ヒトとしてどっかがおかしいので距離の詰め方がバグってる()