まだ考えない人
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2023/09/18 (月) 22:07:06
「…おい…」
「…起きろ…」
「…起きろと言ってんだろ、とっとと起きろ!」
…早朝。 チェコ軍の攻撃から命からがら逃げたハスは、
最悪の目覚めを経験することになった。
「なんだ… 俺は眠いんだぞ…」
「いいニュースと悪いニュースがあるんだ。 どっちから聞きたい?」
「んじゃ、悪いニュースから…」
「…先を越された! リバティニア軍がヘリを撤去しやがったんだ!」
「…なんだ、それぐらい… 嘘だろ!? じゃあどうやって本拠地を強襲するんだ!」
「適当に考えておくさ…。」
「で、いいニュースは?」
「ひょっとしたら、あいつがもうすぐ狂暴化を始めるかもしれん。」
「何ぃ!?」
「そうなったら勝手に脱出するかもしれないんだぞ? いいニュースだろ?」
「いいか、奴が狂暴化するのは大量出血する時だ」
「すると?」
「確実に失血死する」
「じゃあ、いったいどうするんだ?」
「その前に救出する。 時間は…あと一週間ぐらいだろうな」
「それじゃ、それまでに救出方法を考えておくよ…。 もちろん、できるだけ迅速なやつだ。」
「ああ。 頼むぜ。」
その時。 防空壕の外から、トラクターのような音が近づいてきた。
「何だ、この音?」
外に出てみると、あちこち穴だらけになったバンがゆっくりと近づいてきた。
片方のドアが外れていたり、エンジンから煙を吹いていたりもはや使い物にならなそうだ…。
「…よう、2人とも… いい朝だな…。」
「隊長!? 生きてたんですか!?」
「勝手に殺すな。 しっかり生きてるよ、五体満足だ。
それよりも飯をくれ… あの後午前2時までぶっ通しで逃げ続けてるんだ…」
「わかりました! すぐに用意します!」
「ああ… 眠い…。」
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「…逃げられただと!? どれだけ兵力を出したと思っているんだ!?」
「すみません。 やはり兵士の練度の問題だと…」
「そんなもの言い訳だ。 問題がどうこう言うよりも、とっとと要点だけ説明しろ。」
「では、今回の作戦でわかったことを…
まず、彼らはチェコ製の武器を何の問題もなく使いました。 しかも一回も触ったことがない―――」
「どんな銃火器も引き金を引けば弾丸が出る。 当たり前のことだ。」
「次に、結局対象は見つからずじまいです」
「どうせ、奴らは仁を助けに来るんだろ? 行先さえわかればどうとでもなる」
「一体どうするつもりなんですか?」
「収容所を武装させようと思っている。 少なくともあの狐だけはあの収容所から出してはいけない…。」
「何で武装させるんですか?
まさか、ブルース・ブラザーズぐらい兵力を展開させるんですか?」
「なに、もっと穏便にやるさ。前回の作戦、中華王国から苦情が入ってるし…」
「というわけで、作戦の計画が書かれた書類だ。 向こうに送っておいてくれ。」
「了解しました。 直ちに配達しておきます…。」
「ああ、1つ忘れていたことがある」
「はい?」
「本国から空挺連隊と特殊狙撃小隊を派遣してもらうように頼んどいてくれ。
目には目を、歯には歯をって言うだろ?」
「了解です。 そちらも行っておきます。」