仏道の『阿頼耶識システム』

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法介 2024/11/27 (水) 09:52:14

龍樹が説く論書の中に「śūnyatā」という言葉は使われてますか?

はい、龍樹(Nāgārjuna)が著した論書の中には「**śūnyatā(空)」という言葉が頻繁に使用されています。特に『中論』(Mūlamadhyamakakārikā)という龍樹の代表的な哲学書において、「śūnyatā」は中心的な概念として繰り返し説かれています。


『中論』における「śūnyatā」

  1. 「śūnyatā」の基本的な意味

    • 龍樹は「śūnyatā」を、「物事には固定的な本質(自性、svabhāva)がない」という意味で用いています。
    • 「空」は、すべての現象が因縁によって生じ(縁起、pratītyasamutpāda)、独立した本質を持たないという真理を指します。
  2. 龍樹の主張

    • 龍樹の哲学では、「空」は実体を否定するだけでなく、存在と非存在の二元性を超えるものとして位置づけられます。
    • 彼は「空」によって、極端な実在論や虚無主義の両方を退け、縁起の道理を明確に示そうとしました。

    有名な引用のひとつに、以下があります:

    縁起を理解する者は「空」を理解し、
    「空」を理解する者は仮名を理解し、
    仮名を理解する者は中道を理解する。
    (『中論』第24章18偈)

  3. 文脈における具体的な使用例

    • 『中論』のさまざまな章で、「空」の概念が議論の中心となり、「śūnyatā」という言葉も直接使用されています。
    • たとえば、物事の本質を否定する論理を展開しながら、最終的に「空」そのものも空であるという「空性の空性」を論じています。

他の龍樹の著作における「śūnyatā」

『中論』以外でも、龍樹の論書や注釈書において「śūnyatā」はしばしば登場します。以下はその例です:

  • 『回諍論』(Vigrahavyāvartanī):論争相手の主張に反論し、「空」を解釈する。
  • 『宝行王正論』(Ratnāvalī):仏教の倫理や哲学の基盤として「空」を説く。

結論

龍樹が説いた論書の中には、「śūnyatā(空)」という言葉が重要な概念として頻繁に用いられています。彼の哲学の核となるテーマであり、仏教思想における縁起と中道を深く理解するための鍵といえます。

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